Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>方針と事業>ルーヴルの裏方>学芸員

学芸員

建築・美術館学・グラフィズム

美術館の学芸員は、レベルの高い学術的な職務を果たしていますが、コレクションの充実、保管、研究、普及などにおける責任者という管理職務も担っています。

Institut national du patrimoine(INP)での研修

学芸員になるには、文化遺産の保護や修復を担う国立機関「Institut national du patrimoine」で研修を受けます。INPに入るには、入学試験があります。
学士号あるいはそれに相当する資格の所有者は、この入学試験を受けることができますが、合格者の90%は、修士号取得者あるいは専門研究課程修了者です。入学試験では、考古学、歴史、美術史、民族学、自然科学の基本的な知識と、受験者が選択した分野における専門知識、外国語の習得などが求められます。また、受験者の専門分野における作品の詳細な知識、その分野でこれまでに行った実地や研究に関する具体的な経験も求められます。Ecole du Louvre(ルーヴル学院)、パリ第1、第4大学、パリ・ナンテール大学、リル第3大学などで受験対策・準備を行っています。
試験合格者はINPに入学します。INPは、フランス文化大臣の管轄下に置かれており、考古学、古文書、調査、歴史的建造物、美術館、科学・技術・自然遺産の6つの専門分野における学問と研修を行っています。
研修は18ヶ月にわたり、文化管理機関、文化遺産研究所2箇所と国外で行われ、その内容は、法律学、パブリック管理、文化遺産とその伝播、文化遺産とマルチメディア、文化遺産の経済、ソーシャルマネージメント、保存・修復、文化遺産的建造物の建築と改装、という8つの教育ユニットに言語教育が加えられます。

ルーヴル美術館の学芸員

ルーヴル美術館には全部で8つの部門あり、約60人の学芸員が働いています。各部門にはそれぞれの職務があり、学芸主任がその部門の責任者となります。学芸員は、コレクションの一部の学術的な責任を負っていますが、美術館の運営や管理における活動的な役割も担っています。
ルーヴル美術館に勤める学芸員は、同時にフランス美術館総局にも属します。ルーヴルの8つの部門は、文化遺産的な部門とみなされています。従って、そこに属す学芸員は、市場に出ているすべての文化財の鑑定や、地方美術館の新規取得のための鑑定をします。また、国宝の研究資料を用意するという役割も担っています(1992年12月31日に改定された法92-1477号により、国の文化遺産にとって重要な利益である文化財は、その国の領土からの持ち出しを一時的に拒否することができる)。
その分野のスペシャリストである学芸員は、国際シンポジウムに参加したり、ルーヴル学院やINP、美術作品修復学院、フランス高等師範学校、大学などで講義をしたり、コンクールの審査員をしたり、多くの学術書を執筆したりと、美術館のコレクションに関する知識の伝播において、国際的に活躍しています。

作品の保全と責任

所属部門を問わず、考古学的であれ、絵画であれ、コレクションの内容を問わず、学芸員は作品とその保管場所の保全の責任者です。そのために、作品の移動や搬出入に関わる部署、消防士、監視員など、美術館の安全責任者と一緒に展示室や保管庫を毎日訪れ、アラームシステムの作動確認や、窓、展示、作品の全体的な状態などをチェックします。
美術館に保管されている作品は、ガラスケースに入れる前、展示室に掛ける前、他の美術館や施設で行われる展覧会に貸し出す前に、「健康状態」をチェックします。コンディション・チェックをした結果、修復家を呼ばなければならない場合には、学芸員が学術的な見解を述べ、修復の度合いに関する決定を出します。作品がもろいと判断した時や、作品の移動が作品を危険にさらすと判断した場合には、学芸員は作品の貸し出しを拒否することができます。
貸し出す作品の梱包と輸送作業には、学芸員あるいは美術館の学術班のメンバーが携わります。飛行機やトラックなどでの作品の輸送にも付き添い、輸送先の地では作品の開梱をし、展覧会場や作品を展示する場所に施されたセキュリティーシステムの状態を点検・確認します。

作品の新規取得とコレクションの充実

学芸員は、この職業の重要なミッションのひとつである「コレクションの充実」にも常に気を配っています。美術市場を積極的にチェックし、重要な寄贈者や収集家、商人、骨董商、企業、メセナなどと特別で規則的な関係を築きます。
作品が競売に出たり、購入や寄贈の提案があった時には、学芸員はその作品の作者や状態、来歴などを調査します。新規購入のための資料を作成し、寄贈者との交渉に臨みます。
考古学的な部門では、作品が現行の発掘作業から来ることがあります。学芸員の大半は、発掘プログラムの現場や所属美術館以外での任務にも参加しています。
発掘現場のある国の政府との取り決めによって、美術館のコレクションに加わる作品もあります。競売にかけられる美術作品の中には、過去の発掘からのものもあります。この場合には、非常に短い期間で、作品の由来を確認しなければなりません。

研究と知識の伝播

学芸員は担当する作品の世界的な専門家であり、研究の事情によく通じていなければなりません。そのために、講演会やシンポジウムに参加し、専門家仲間たちと会い、他の美術館が所蔵している作品の研究をし、大量の記事や出版物を読み漁るなどしています。
展示室にある作品のキャプションやカタログ、ガイドなどを執筆するのも学芸員です。自身の担当する作品の学術書や多くの人に向けられたコレクションの本などが定期的に発行されています。また、映画の撮影を監修したり、インターネットサイトやデータベースの充実などにも携わっています。
展覧会や講演会の際には、学芸員はカタログ執筆などの依頼を受けますが、展覧会用に新しいテーマを提案し、自身が企画を担当することもあります。展覧会は、ひとつの時期や一人の芸術家、ひとつのスタイルなどに関して緻密な研究を行う機会となります。学芸員は、明確で教育的なプレゼンテーションで、一般の来場者を満足させるだけでなく、碩学や専門家をもうならせようとします。だからといって、美術館の常設コレクションを貧しいものにしてしまってはいけません。館外の展覧会を企画する学芸員からルーヴルの作品の貸し出しを依頼された際には、ルーヴルの学芸員がその作品の貸し出しの可否などを決定します。貸し出す作品についての交渉をすることもあり、常設展示作品からだけでなく、収蔵庫で保管している作品の中から提案することもあります。
学芸員はフランス美術館の研究・修復所と規則的に仕事をしています。化学者や物理学者らが提供した研究結果の分析をし、その結果をふまえた解釈を提示します。
学芸員は、学生に講義をするだけでなく、美術館の解説員の育成にも貢献しているのです。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する