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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《かんぬき》
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《かんぬき》
© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier
絵画
フランス絵画
フラゴナールは、「奇妙なコントラストによって」、《羊飼いの礼拝》と対を成す、「自由で情熱に満ちた」(ルノワール、1816年)絵を描いた。こうして聖愛と俗愛が対比されているのである。磁器を思わせるような滑らかな技法によって、この作品は、1774年に終わった2回目のイタリア旅行の後におけるフラゴナールの展開を物語っている。
《かんぬき》とその対作品《羊飼いの礼拝》
《かんぬき》の構図は、1777年に競売にかけられたフラゴナールの素描の中に初めて現われており、その後1784年にブロによって制作された版画によって広く知られるようになった。従って、1974年にルーヴル美術館が取得したこの絵画は、1777年と1784年の間に制作されたことになる。フラゴナールは、《羊飼いの礼拝》(ルーヴル美術館、R.F.1988-11)の対作品を所望したヴェリー候爵のためにこの絵を制作したが、2枚の作品は候爵の死後の競売(1785年)以降離れ離れになり、《羊飼いの礼拝》がルーヴル美術館に寄贈される1988年まで別々の運命を辿った。2点の絵画の共通点は、そのサイズと色調にしか認められないのだが、2枚の作品が生み出す奇妙なコントラストは、画家の気まぐれのみに帰するとは思われないのだが・・・
隠された意味?
一見したところ、《かんぬき》は、フラゴナールが数多く描いた雅宴画の場面を表わしているように見え、ある女性が愛人の熱情に弱々しく抵抗しているところである。しかし作品を間近で眺めてみると、幾つかの細部がどうもおかしいことが分かる。というのも、男性が扉の錠をかけているのなら、何故室内は「その他の主題を指し示しているように」既に散らかっているのだろうか。この文脈において、幾つかのオブジェの官能的な象徴性が明らかにされる。ひっくり返った椅子(投げ出された脚)、花瓶と薔薇の花(女性の性器の2つの暗示)、かんぬき(男性性を指す)、そしてとりわけ画面の左半分を占めている寝台である。これら人間に似た形態が、寝台を場面の主要な役者に仕立てており、あからさまな乱雑さが登場人物の性的衝動を裏付けているのである。
作品の解釈も分かれている。D.アラスにとって、《かんぬき》と《羊飼いの礼拝》は、愛と欲望の強さを描き出すものとして、人間的、精神的、肉体的な側面から、互いに補い合っている。これに反し、J.テュイリエは、2枚の作品は、俗愛と聖愛、罪と贖罪を対比したものと解釈している。すなわち、《かんぬき》は、キリスト教の伝統において時としてキリスト降誕と結び付けられるエヴァの誘惑(卓上に置かれた林檎が全てを説明している)を象徴しているのだ。
様式上の展開の兆し
この作品は、ルイ16世時代のあけすけな精神における単純な風俗画、もしくは教訓的な歴史画なのか。《かんぬき》は、意図的にジャンルの序列を攪乱している。作品に付与される意味が何であれ、この絵画は、フラゴナールの以前の作品とは断絶している。フラゴナールは、1774年以降、すなわち画家に新たなインスピレーションを与えた2回目のイタリア滞在の後に、この作品を描いた。デュ・バリー伯爵夫人がフラゴナールに重要な注文を与えることを拒否し、失敗したフラゴナールは、絵画の好みの変化と、ヴィアン(INV8431参照)やピエールの新古典主義様式の台頭に対する適応力を示そうとしたのである。フラゴナールは、純化された構図において、陶器のようなより滑らかな筆致、限られた色彩、スフマートの使用によって和らげられながらも、際立った明暗法でモデリングが施された形態を取り入れ、オランダ絵画の中でもとりわけレンブラントの芸術を解釈し直し、後期の作品に新しい重厚さと詩情を与えるようになるのだ。
出典
- Fragonard, catalogue d'exposition Paris, Grand Palais, 24 septembre 1987-4 janvier 1988 ; New York, Metropolitan Museum of Art, 2 fevrier-8 mai 1988, cat. et comm. P. Rosenberg et M.-A. Dupuy, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1987.- THUILLIER J., « Tableaux de Fragonard et meubles de Cressent », in Le Petit Journal des grandes expositions, nouvelle série, n° 10, 1974.
- CUZIN J.-P., Jean-Honoré Fragonard, vie et œuvre, Fribourg, 1987.
- FRANCK J., « Le Verrou dans l’œuvre de Fragonard », in L’Estampille, n° 227, juillet-août 1989, pp. 68-82.
- Arasse D., Le Détail : pour une histoire rapprochée de la peinture, Paris, Flammarion, 1992.
作品データ
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ジャン=オノレ・フラゴナール(グラース、1732年-パリ、1806年)
《かんぬき》
1777年頃
ヴェリー候爵のために制作
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油彩、カンヴァス
縦0.74m、横0.94m
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1974年購入
R.F. 1974-2
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シュリー翼
3階
フラゴナール
展示室48
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
