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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《せせらぎに橋が架かっている森の風景》

Paysage avec un pont en bois

素描・版画
17世紀

執筆:
Maget Antoinette

穏やかな風景を表わしている17世紀初頭のこの素描は、ホンデクーテルの作品の中でもとりわけ重要である。実際、ホンデクーテルが制作した準備素描は多くなく、この素描がホンデクーテル作とされたのも最近のことである。このオランダの画家は、森を描く際にしばしば多くの動物を描き込んだが、ここでは制作の新たな方向性と自然に対する新しい感情を表わしている。

よどんだ水

この素描の前景は、穏やかな水面によって占められ、その上には幹が節くれ立ってはいるものの力強く伸びた木々が張り出しており、いまだなおマニエリスム風の筆遣いで描かれている。ホンデクーテルは、こうした木々に装飾的な性格を与えており、ヴィンクボーンスといった幾人かの同時代の画家の作品に見られる傾向よりはるかに装飾的な傾向を示している。素描の右側には、周囲の田園風景が垣間見られ、暗示されているに過ぎない丘の斜面に村がはりついているように見える。このように画面の左から右にかけて木、水面、そして遠方の風景を表わす構図は、多くの芸術家に称賛され、ホンデクーテル自身他の作品で再び用いている、ピーテル・ブリューゲルの素描《キリストの試練》に基づくヒエロニムス・コックのエッチングに関連付けられる。実際、ホンデクーテル初期の森の風景画において、他の画家に借用したモティーフが見出されるのは稀ではない。左から右へ、固定した要素からぼかしへ、暗さから明るさへという図式は、他の画家の参照から自身の自由な表現への進化と解釈できる。

コンサートの前奏曲

フランドルの貴族出身であったヒリスは、師匠であった父と同様に画家であった兄に従って、1601年にデルフトに住み着いた。次いでヒリスは、1610年までユトレヒトに住み、最終的にアムステルダムに落ち着いた。ホンデクーテルは、死去するちょうど二年前の1636年には、アムステルダムの画家のギルド(同職組合)の最古参会員として名を連ねていた。《森の風景》は、17世紀初頭におそらくユトレヒトで制作されたものと思われる。この制作年代は、1602年作のホンデクーテルの最初の絵画《田園コンサートが催されている風景》(オタワ、カナダ・ナショナル・ギャラリー)と比較するときわめて確実性が高いと思われる。実際、この二つの作品の左側の部分は、著しい一致を見せている。

影響の変化

ホンデクーテルの風景画は、ヒリス・ファン・コニンクスロー、ルーラント・サヴェリー、ダヴィッド・ヴィンクボーンスの影響を示していた。この作品は、ホンデクーテルの風景画の構図における新たな方向性を表している。それまでホンデクーテルは、風景にしばしば空想的な動物を描き込み、16世紀フランドルの画家の芸術を思い起こさせるような、いささか図式的で凝縮された堅固な構成を作品に与えていた。ここでホンデクーテルは、明らかによりゆったりとした風通しのよい構図に向かい、自然に対する新たな理解を表現している。ホンデクーテルの表現に見られる感受性の発達は、彼が別の画家から影響を受けるようになったことも物語っている。これ以降制作された作品は、例えばファン・デ・フェルデの作品により近いのである。

出典

- GERSZI Terèz, "L'influence de Pieter Bruegel sur l'art du paysage de David Vinckboons et de Gillis d'Hondecoutre", in Bulletin du Musée hongrois des Beaux-Arts, n 53, Budapest, 1979, pp. 125 à 136.

- de MAERE Jan, Illustrated Dictionary of 17th century Flemish Painters, Bruxelles : La Renaissance du Livre, 1994, 3 volumes (texte p. 218).

- SCHULZ W., Holländische Landschaftszeichnungen 1600-1740. Hauptwerke aus dem Berliner Kupferstichkabinett, cat. exp. Berlin, 1974.

- STARCKY Emmanuel, Inventaire Général des dessins des Ecoles du Nord - Supplément à l'inventaire F. Lugt, Paris : R.M.N, 1988, n 236.

作品データ

  • ヒリス・クラース・デ・ホンデクーテル(アントウェルペン、1575年-アムステルダム、1638年)

    《せせらぎに橋が架かっている森の風景》

    1610年代

  • ペンと褐色インク、褐色の淡彩、白のハイライト、黒チョークの跡

    縦34.1 cm、横42.1 cm

  • ピエール=ジャン・マリエット・コレクション、1775年11月1日にパリでその競売(1043番)、国王美術品蒐集室のために取得

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

左下にペンと褐色インクで書き込み:Strudel F裏面にペンと褐色インクで書き込み:Hand I fiamingo