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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《ひだのある服をまとい、腰掛けて左手で頬杖をつく男》

Homme drapé assis, la tête appuyée sur la main gauche

素描・版画
14-15世紀

執筆:
Mancini Federica

フィリッピーノ・リッピは、15世紀末のフィレンツェ芸術を担った最も個性的な芸術家のうちの一人である。その絵画の技術の高さにより一躍有名となったリッピは、フィレンツェのブランカッチ礼拝堂でマザッチオが途中まで描いたフレスコ画を仕上げる任を担うこととなった。ルーヴルのデッサンは、その巧みな素描技術をよく示している。15世紀終わりのフィレンツェで好んで用いられた金属尖筆を用いる技法が、ここではきわめて洗練されている。というのも、リッピの技巧により、この人物像は類まれな力強さを帯びることになったからである。

コントラストの見事さ

台紙の四隅が切り落とされているために、この素描は八角形となっている。それが人物像をより大きく見せているのである。男は腰掛け、左手で頬杖をついている。身に着けている服は大きく広がり、腰掛けている台座と、肘を支える部分を隠している。豊かでゆったりとした服のひだは、素早い筆致で強調され、影の部分では線描がさらに密になっている。また、白のハイライトが、構図に光の効果をもたらしている。マントおよび顔の左側、また右手の上がより大きく照らされているところを見ると、光は左の方から来ているようだ。構図全体の色調は、灰褐色に地塗りされた紙とのコントラストによってさらに輝きを増している。

マザッチオの伝承者として

フィリッピーノ・リッピは、その個人主義的な精神や探究で知られた。とは言うものの、その芸術作品は、実際には父フィリッポ、および、師匠であったサンドロ・ボッティチェッリの影響を受けている。父リッピのモデルたちをフィリッピーノがよく知っていたことは、この素描に明らかであるし、元々この素描は、ルーヴル美術館に収められた際、父リッピの作とされていたのである。同時期の他の素描画(パリ国立高等美術学校、またフィレンツェのウフィツィ美術館素描・版画室)における単独の人物像に同様の様式が用いられていることから、この作品は、15世紀の80年代初めのものとされている。この年代推定は、フィリッピーノが1484年に、サンタ・マリーア・デル・カルミネ教会内のブランカッチ礼拝堂でマゾリーノとマザッチオにより始められたフレスコ画を仕上げる任を託されたことから、確実なものとされている。フレスコ画の連作を仕上げる最中、リッピが感嘆の念をもって眺めていたであろう《解放される聖ペテロ》の中の座った人物像が、ルーヴルの《腰掛けた男》のアイデアをもたらした、と考えることもできよう。

休息する男

白色の画材の巧みな用い方は、リッピの類まれな素描技術の高さを示しているが、それは作品の裏面に描かれた《ひだのある服をまとい腕を挙げた男》の人物像において、より自由かつ表現力に富むものとなっている。金属尖筆の描線と白のハイライトは、ここではより闊達であり、表側のデッサンほど緻密ではない。なお《腰掛けた男》は、作者の驚くべき技術だけではなく、フィリッピーノが他の素描においても繰り返し描いたように、このタイプの人物像に対し抱いていた興味をもよく示している。ルーヴル美術館素描・版画部門に所蔵されている、やはり両面に描かれた二点の素描が、その例である(RF 432表面・裏面)。

出典

- BERENSON Bernard, I Disegni dei pittori fiorentini, Milano, 1961, vol. II-III.

- BACOU Roseline, in Dessins du Louvre, Ecole Italienne, Paris, Éditions Flammarion, 1968 (notice 15).

- SHOEMAKER INNIS H., Filippino Lippi as a Draughtsman, Ph. D. Dissertation, New York, Columbia University, 1975.

- VACCARI G. M., in Maestri toscani del quattrocento, Biblioteca dei Disegni, vol. XVIII, Firenze, 1976 (notice 17).

- GOLDNER George R., in The Drawings of Filippino Lippi and his circle, New York, The Metropolitan museum of art, 1997, p.142 (notice 23).

作品データ

  • フィリッピーノ・リッピ(プラート、1457年-フィレンツェ、1504年)

    《ひだのある服をまとい、腰掛けて左手で頬杖をつく男》

    1480年代初頭

  • 灰褐色で地塗りされた紙に金属尖筆(銀?)および白のハイライト、四隅切断

    縦18.5 cm、横12.7 cm

  • エヴァーハルト・ヤーバッハ・コレクション、1671年に国王美術品蒐集室に収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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