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《アッリアとパエトゥス》

© 1994 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

アッリアは、皇帝クラウディウスより死刑を宣告されたパエトゥス妻で、先ず自分の胸を突いた後、「パエトゥスよ、苦しみはしない」と言いながら夫の胸に刀を刺す。この主題は歴史的ジャンルの一部を築き上げた美徳話例の特徴を良く表している。

主題、その源泉と彫刻家

ローマ人カエセンニウス・パエトゥスは、紀元後42年の反クラウディウス皇帝陰謀に関係した為死刑を宣告される。その妻アッリアは夫を勇気づけようと先ず自らの胸を突き、次に「パエトゥスよ、苦しみはしない」と言いながら夫へ刀を向ける。ラテン語作家小プリニウス(40-104年頃)、マルティアリス(40-140年頃)、タキトゥス(5-120年頃)、ディオ・カッシウス(155-235年頃)によって語られたこの有名な行為は非常に稀にしか表現されていない。18世紀以降も多くの評論家がこの群像を夫コラティヌスの腕の中のルクレティアの自害と解釈した。
この作品は、ジャン゠バティスト・テオドン(ローマで長い間活躍したフランス人彫刻家)により制作された。大理石像制作には、1685年に着手している。1691年1月には、制作作業の遅さから、ローマのフランス・アカデミー総監ラ・トゥリエールの命で、完成はピエール・ルポートルに任せられた。完成は1695年のことで、大理石に記されている日付の1691年はルポートルの制作開始の年号である。1715年に送付された作品はマルリーに設置され、1717年にチュイルリー庭園に、同じ彫刻家作の《アエネアスとアンキセス》(ルーヴル)の対作品として置かれた。1989年3月にルーヴル所蔵となる。

イコノグラフィーの源泉

イコノグラフィー上では、1670年より《アッリアとパエトゥス》の名称で呼ばれていた、有名なルドヴィシ・コレクション(ローマ、テルメ美術館)の古代作品には全く創意を得ていない。ローマにあるこの古代作品は、ペリエとオドランの図録書に複写されており、1684年にはフランソワ・レパンゴラによってルイ14世の為に大理石像が模刻されている。様式的には、この作品はむしろ17世紀のローマ彫刻との関係を示している。アッリア像は間違いなくエルコーレ・フェラータ作《聖女アグネス》像(1660年、ローマ、サン・タニェーゼ教会)に発想を得ている。パエトゥス像は《聖レオとアッティラ王の会見》(1646−1663年、ローマ、サン・ピエトロ寺院)の中のアルガルディの一つの像に類似するところがある。姿と布襞のゆったりとふくらんだ特徴はローマの彫刻術との関連を示すものである。女性のチュニックの細かい襞は、政治家の広く柔らかな襞と好対照を成す。

美徳例

アーティストはアッリアの雄々しい言葉が感じられる様に表現を試みる。唇でつぶやきながら、主人公は、苦痛が無いかのように、犠牲の偉大さと有意義さと共に平静な死を遂げる。目の表情は薄らぎ、膝が曲がり、左胸の上の傷に手を当て、もう一方の手で夫の胸を刺す。パエトゥスの気品ある姿は彼女の上に傾く。服装の細部(垂れ飾り付きチュニック、留め金付きマント、古代のサンダル)は見事に仕上げられている。女主人を支え悲しげな目で見上げる侍女の仕草はとても美しく、また襞の妙技は素晴らしく巧みである。房付きクッションは、足の圧力の効果表現は無いが、綺麗な仕上がりである。羽のついたアモル(クピド)は、犬の背にまたがり(カップルの愛と忠実の象徴)、苦痛に満ちた目で、パエトゥスのマントの一片を持ち上げ、舞台から逃れようとしているかのように見える。

出典

- JOUIN Henri, "Jardin des Tuileries" (daté 1904), in Inventaires des Richesses d'Art de la France, Monuments civils, Paris, 1913, IV, p. 343-346.

- BRESC Geneviève, PINGEOT Anne, Sculptures des jardins du Louvre, du Carrousel et des Tuileries, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1986, II, p. 269-271.

作品データ

  • ピエール・ルポートルジャン=バティスト・テオドン

    《アッリアとパエトゥス》

    1685-1695年

    1715年にフランスに運ばれる。マルリーに設置後1717年チュイルリー庭園に移動。

    ローマのフランス・アカデミーで制作。原型を制作したテオドンにより1685-1691年大理石制作が手掛けられ、1691-1695年ルポートルにより完成。

  • 大理石

    高さ2.65 m、幅2.65 m、奥行き1.30 m

  • チュイルリー公園由来

    別称《ルクレティアの死》

    M.R. 2029

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    地上階
    マルリーの中庭
    中庭

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

台座裏記 P. LE PAUTRE. FECIT. 1691