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作品 《アフロディテの結婚》正方形タピスリー

古代エジプト美術部門 : キリスト教時代のエジプト(紀元4-紀元12世紀)

《アフロディテの結婚》正方形タピスリー

© Musée du Louvre/G. Poncet

古代エジプト美術
キリスト教時代のエジプト(紀元4-紀元12世紀)

執筆:
Lyon-Caen Christiane

この絵が描かれた色彩豊かな正方形のタピスリーは、チュニックを装飾していたものと思われる。図像は図式化されており、織りもぎこちないものの、この作品のテーマがアフロディテと美男な猟師アドニスの結婚であることが見て取れる。キリスト教時代のエジプトに依然として異教徒が数多く存在していたことや、織工が鋭い風刺的な視点で織りあげていることは興味深く留意すべき点であろう。

図像嗜好

二枚の葉を付けた細長い木の幹と、ネコ科の動物が奇妙に四脚を引っぱられている姿が描かれた簡素な風景に、アフロディテが髪をねじっている姿で表されている。この仕草は、絶え間なく流れる海から姿を現したアフロディテの誕生の時の仕草を思い出させる。アフロディテは、槍にもたれかかってくつろいでいる猟師の前で、魅力的な姿で彼を惹きつけている。ホロメスによって讃えられた有名なアフロディテのベルトは、ここでは腕から足まで真直ぐに垂れ下がるスカーフで表されているにすぎず、腿の間を通って右腕の肘まで達しているその描写は、優雅さを欠いている。手にはバラの花を持っていると思われる。アフロディテの横には図式化された炎が描かれ、結婚式の祭壇を象徴している。一方花婿は、知らずに近親相姦を犯して、ミルラの木に変身させられたミルラの息子、アドニスであると思われる。
アドニスは腕のいい猟師であり、犬を連れ、槍と弓で武装しているが、弓はほとんど見えなくなっている。コプトの図像は、6世紀に普及した銀製のビザンティン図像の原形と照らし合わせて鑑賞すると味わいがあって面白い。

信仰あるいは忠実な信者

キリスト教がエジプトに導入されてから3、4世紀経った時代に、誰がこのような異教徒のモチーフが付いた飾りを身に付けていたのだろうか。教会の大主教たちが異教を激しく非難した時代だっただけに、愛や多産の女神の恋愛の生涯を描いた場面をあえて身に付けた勇気ある者は誰だったのだろうか。
確かに、救済崇拝であるディオニュソス、イシス、ミトラ崇拝は後の時代にも存続し、帝国全域に異教徒の小さな抵抗団体が散在していたことも分かっている。しかし多産信仰であるアフロディテ信仰が、高価な衣装を着用し、古代ギリシアの神話を知っている教養ある階級で存続していたとは考えにくい。
しかし一方で、装飾芸術や文書、また特にオウィディウスの『変身物語』を元にしたアプレイウスの『変身物語』などに代表される演劇を媒介とした、ギリシア神話の神々の魅力ある冒険に対する嗜好や伝統の影響によって、多少反権威的とも言えるこれらの図像は、元の意味合いを欠いた単なるイメージとして保存されていたと考えられる。

出典

- Antinoé cent'anni dopo, Catalogue d'exposition du musée archéologique de Florence, Florence, 1998, n 216, pp. 184-185.

作品データ

  • 《アフロディテの結婚》正方形タピスリー

    コプト‐アラブの時代(7‐8世紀)

    エジプト、アンティノエ?出土

  • 亜麻と羊毛のタピスリー

    縦16.5cm、横16cm

  • 1903年、発掘による分配分として寄贈

    AF 5438, E 29090

  • 古代エジプト美術

    ドゥノン翼
    地上階
    コプト美術のギャラリー
    展示室B

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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