Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《アポロンとダフネ》

《アポロンとダフネ》

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
イタリア絵画

執筆:
Dollfuss Corinne

ティエポロはこの劇的な挿話をオウィディウスの『変身物語』(1章452-567)から引用し、アポロンによる追跡の最後とダフネの変身の瞬間を同時に描いている。彼女は振り返るための身振りを僅かに示しているが、すでにその指先に現われ始めた月桂樹が彼女の逃走の結末を明示している。

神話と古典主義

背景には風景が描かれ、その前でオウィディウスの『変身物語』(1章452-567)から引用された神話の一場面が繰り広げられている。ダフネは彼女を熱烈に求めるアポロンから逃げようと試みている。ティエポロはアポロンによる追跡の終わりと、月桂樹へのニンフの変身を同時に描き出している。ほとんど裸である金髪のダフネは、舞い上がる衣服に包まれながら逃げている。彼女の指は月桂樹の枝へと変わり始めている。裸体で古代風のサンダルを履き、箙(えびら)と風にはためく真紅色のマントを付けたアポロンは、左手を伸ばしてダフネを掴み、その変身に驚いている。前景には骨壷にもたれかかり櫂を手にした川の神アルフェイオスが、この若い娘の逃避行を終わらせようと試みている。人物像の晴れやかな容貌は、同時代のフランス人画家によって描かれたものに類似しているが、徹底したヴェネツィア派であるこの画家の作品においてはめずらしいものである。

ダフネの変身

明るい赤と黄の衣服が、深い青で描かれた背景と著しい対比を成している。作品では、登場人物が観る者の空間に今にも入り込んできそうな様子で描かれているが、にもかかわらずダフネの姿は風景に溶け込んでいる。というのも、ニンフが一本の木の下に配されており、その木はニンフを帽子のように保護しつつも、人間から植物への変身を暗示しているからである。場面は牧歌的な風景の前で展開している。背景の向こう岸には、カサマツの木の入り混じった林が広がっている。左側には青みがかった高い山々の麓の家並みが、日の入りの薔薇色の仄かな光にくっきりとその輪郭を浮かび上がらせている。これら純粋な幻想的装飾に対する嗜好は、画家の作品におけるヴェネツィア派の名残と言えよう。 

ベルニーニに倣って

ティエポロが、ベルニーニによって1622-1624年に制作された同じ主題の組合わせ像彫刻(ローマ、ボルゲーゼ美術館)を版画によって知り、そこから想を得ていることはほぼ確かである。すなわちこの絵画はバロック彫刻の名高い原作を色彩によって写し替えたものと言えよう。この絵画は、画家の活動期の中でも最も数多くの作品が制作された10年間に制作された。ルネサンスに由来するヴェネツィア美術の伝統に育まれたティエポロは、有名な神話主題のほとんどを取り上げて描いている。

作品データ

  • ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ(ヴェネツィア、1696年-マドリッド、1770年)

    《アポロンとダフネ》

    1743-1744年頃

  • 画布に油彩

    縦0.96m、横0.79m

  • 1915年、バジル・ド・シュリヒティングによる遺贈

    R.F. 2107

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    ティエポロ 18世紀のヴェネツィア絵画
    展示室25

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する