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作品 《アムステルダムの薬草市》

絵画部門 : オランダ絵画

《アムステルダムの薬草市》

© 2004 RMN / Franck Raux

絵画
オランダ絵画

執筆:
Collange Adeline

《アムステルダムの薬草市》は、当時この界隈に住んでいたメッツーが、自らの画風を完全に確立した1660‐1661年頃に描かれた作品である。日常生活を感興たっぷりに描いた場面を通して、画家は、人気を博した喜劇の一幕を再現している。場違いのような赤い道化師に扮したなれなれしい従僕が登場するのはそのためである。そのサイズの大きさと、町の風景描写の興趣豊かな穏やかさによって、この画家の傑作の一つに数え挙げられている作品である。

屋外の小劇

この薬草・野菜市は、豊かに繁栄する都市アムステルダムにあるプリンセン運河沿いに立っている市場である。ハブリエール・メッツーは1657年から運河の近くに住んでいたため、この小世界の生活を注意深く観察できたに違いない。画家は、当時の演劇に多くの影響を受けた、実に生き生きとした絵画を描いている。もっとも、活気に溢れた商売の様子や描かれた野菜の種類に至るまでもが、G.A.ブレデロによる当時大変有名だった滑稽劇『モールティエ』(1615年)の一節をかなり正確に再現している。おおよその中心人物が配された前景は、光によって明るく照らし出され、それぞれが輝きを競い合う赤・緑・白の鮮やかな色彩が強調されている。これらの色彩のざわめきは、後景の茶色の鈍い色調、ならびに、建物正面の幾何学的で均整のとれたリズム感によってアクセントのつけられた平穏な都市の風景との対照をなしている。

市場の活気

屋外で繰り広げられているこの風俗的場面は、面白可笑しく構成されている。画面左側では一人の意地悪女が両腕を腰の上に毅然と当てながら、野菜の質か値段について激しく議論している。気の良さそうなずんぐりとした年配の女は、冷静に彼女の非難を受け流し、観衆に訴えかけるかのように頭を振り向いている。構図の右側に位置づけられている二匹の動物は、ユーモアをこめてこの情景を反映しているかのようだ。雄鳥と犬は互いを値踏みしている最中で、不安定な鳥籠のバランスが直後に起る陽気な騒動を予感させる。作品中央では活気づく商売の様子とは無縁であるかのように、滑稽な恋愛小劇が繰り広げられており、ブルゴーニュ地方の優美な衣装を纏った慇懃な色男が、品の良さそうな主婦を口説き、女は含羞(はにか)みつつも興味をもって耳を傾けている。

メッツー作品の中でも異例の絵画

鮮やかで豊かな色合いと、後方の、やや堅苦しい姿勢の何人かの人物像を描く荒削りな作風が、作家のレイデン時代を思い起こさせ、そのことから、制作年を1660‐1661年頃に位置づけることが出来る。絵画はメッツーの作品群には異例の、写実的な市場の場面と演劇の暗示を巧みに取り混ぜた作品である。この種の主題にしては比較的大型であることからも、この傑作は画家の覇気と、風俗画の重要性を物語っている。

出典

- Le Siècle de Rembrandt : tableaux hollandais des collections publiques françaises, Éditions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1970, p. 141-143.

作品データ

  • ハブリエール・メッツー (レイデン、1629年‐アムステルダム、1667年)

    《アムステルダムの薬草市》

    1660‐1661年頃

    ルイ16世コレクション、1783年パリ、ブロンデル・ダザンクール売り立てにて取得。

  • カンヴァス、油彩

    縦97cm、横84cm

  • 別称《野菜市》

    INV. 1460

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    オランダ 17世紀中頃 ヘラルト・ダウ
    展示室36

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

署名:METSU