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《アレクサンドロス大王のバビロニア入城》

© 2009 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
フランス絵画

執筆:
Kazerouni Guillaume

2頭の象に引かれた二輪戦車の上に立った征服者アレクサンドロスが、バビロニアに入城している場面である。その背景には宙に浮いたような庭園のあるテラスが見える。有名な主題を選択したシャルル・ル・ブランは、高度な様式を見出し、重々しさと盛大さを作品に結びつける必要があった。

ル・ブランとタピスリー

首席王室付画家であったシャルル・ル・ブランは、1660年にフォンテーヌブロー宮殿のために《アレクサンドロスの足元にひれ伏すペルシア王妃たち》(ヴェルサイユ宮殿)という大作を制作する。この作品では、イッソスの戦いでダレイオスに勝利したアレクサンドロスが描かれている。ペルシア王ダレイオスは逃亡し、若き王子アレクサンドロスは囚われの身となったペルシア王の家族の許へ赴いて、その家族に保護を申し出ているところである。ル・ブランはこの場面の描写によって、偉大な支配者の徳の高さを表わし、様々な人物像を通して微妙な感情表現を描き出している。この作品の成功によって、画家はアレクサンドロスの生涯を描くモニュメンタルな連作に取り組むことになる。連作は、《アレクサンドロス大王のバビロニア入城》、《グラニコス川の横断》、《アルベラの戦い》、《アレクサンドロス大王とポルス》の4点の絵画から成る。これら4点の巨大な絵画は1673年のサロンに出品され、ルイ14世コレクションに収蔵された。その後連作を基に、ル・ブランが指導者として君臨していたゴブラン制作所でタピスリーが制作されているが、絵画の制作当初からタピスリーのカルトン(下絵)として制作されたかどうかは明らかではない。

太陽王の宮廷におけるアレクサンドロス

アレクサンドロスの生涯を描いた4つの場面は、叙事詩の様式に従って制作され、古代における最も偉大な征服者の武勇伝を物語っている。アレクサンドロス大王(ペラ、前356年―バビロニア、前323年)は、20歳で父フィリッポス2世を継承し、マケドニアの王位に就く。ギリシア都市国家全体を支配下に入れた後、王はアジア征服に乗り出す。最初の標的は、ギリシアの宿敵である屈強なペルシア帝国であった。ペルシア王ダレイオスは、グラニコス川の戦い(前334年)で初めて戦いに敗れる。アレクサンドロスは、小アジア全域、シリア、フェニキア、エジプトと次々に征服してゆき、イッソスの戦いで再びペルシア軍に勝利する。前331年、アルベラの戦いでペルシア王は完全に敗北し、アレクサンドロスがアジアの王を宣言した。ペルシア帝国の君主となったアレクサンドロスはインドへ侵攻し、ポルス王を服従させる。疲労困憊した軍隊のために王はバビロニアに戻り、そこで前323年に逝去する。伝説となった戦士、そして偉大な君主の模範として、アレクサンドロスの人物像にはアポロン神と同様の地位が与えられ、ルイ14世の宮廷において特別な位置を占めていた。野心家であるルイ14世は、自らをアレクサンドロスにたとえ、自分の野心にまさにふさわしい手本を見出したのである。それゆえ、ル・ブランの連作は、古代の有名な挿話を思い起こさせるだけではなく、王政の栄光と君臨する王者を讚えるプロパガンダの一翼を完全に担っていると言える。

ル・ブランと情念の表現

騒然としていると同時に仰々しく野心に溢れたル・ブランの連作は、王が自らの栄光のために作り上げた、機械のような芸術制作の体制を完璧に誇示するとともに、王立絵画彫刻アカデミーが切望する芸術のあり方をも示している。人物像の表情とポーズは、ル・ブランによる多数の習作が示しているように細部に至るまで研究されている。また、画家は異なる感情や表情を表現するために様々な手段を体系化しており、その思索の結果がこの壮大な作品に現われている。アレクサンドロスのバビロン凱戦における盛大さは、戦闘の場面のより劇的な有様や、ペルシアの王妃達に見られるより悲壮な様子とは対照を成している。

作品データ

  • シャルル・ル・ブラン

    《アレクサンドロス大王のバビロニア入城》

    1665年

  • 油彩、カンヴァス

    縦4.50 m、横7.07 m

  • ルイ14世コレクション

    または《アレクサンドロスの勝利》

    INV. 2898

  • 絵画

    シュリー翼
    3階
    ル・ブラン
    展示室32

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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