Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《イッソスの戦い》

《イッソスの戦い》

© 2003 RMN / Jean-Gilles Berizzi

絵画
オランダ絵画

執筆:
Adeline Collange

作品は誤ってダレイオス3世のもう一つの敗北、アルベラの戦い(紀元前331年)を描いたものとされていた。この傑作は、作家の最も大型で、最も多数の人物像を描いた作品の中のひとつである。ルネサンス期ドイツ芸術(アルトドルファーに代表されるドナウ派)を引き継ぎ、16世紀末にヨーロッパで流行した後期マニエリスムの最良の作風により描かれた戦闘の光景である。1602年の制作年は、額縁によって隠されている。

アレクサンドロス大王の大胆な勝利

かつて「アルベラの戦い(紀元前331年)」と名付けられていたこの作品は、実は、好戦的なペルシア王ダレイオス3世に対するアレクサンドロス大王のもう一つの勝利、かの有名なイッソスの戦い(紀元前333年)を描いたものである。マケドニアの将軍は大胆な作戦を用い、ペルシア軍が通るシリアに向けた山間の狭路を利用して、騎兵隊によって奇襲攻撃を仕掛けた。こうして戦闘地を狭めることによって、アレクサンドロスは自らの軍よりも数の多い敵軍を打ち負かしたのである。

勇壮な創作力

力強い叙事詩的な息吹が、この画家の作品の中でも最も大きく、最も人物像に溢れたこの傑作に活力を与えている。戦士の喧騒が、光景にみなぎる緑色と薄い青色の風景と対比されている。一方で、構図は徐々に巧みにぼかされてゆく景を重ね合わせている。例えば、野営の天幕の尖った形は、山々の頂の巧妙な反復なのである。全ては対照的な動きで描かれ、後脚で立ち上がったり斜めに描かれたりした馬が一際目を引く、この複雑にもつれ合う戦闘の迫力は、ドイツ人画家アルブレヒト・アルトドルファーの有名な《アレクサンドロス大王の戦い》(1529年制作、ミュンヘン、アルテ・ピナコテーク蔵)を彷彿とさせる。ヤン・ブリューゲル(父)は、巧みな光のタッチ(ちなみにそれは実に幻想的である)と、鮮やかな色彩(赤、青、黄・・・)を交互に使用した見事な演出によって、我々の視線を戦闘の中で動き回らせ、この軍隊の衝突にリズム感を与える術を心得ているのだ。

ビロードのブリューゲル

ピーテル2世の弟であるヤン・ブリューゲル1世は、間違いなく父であるピーテル1世に続き、この作家一族の中でも最も才能ある画家であった。彼はアルベール大公・イザベル大公妃の宮廷において最も称賛を得た画家でもあり、偉大なルーベンスその人とも共同で制作を行っている(ルーヴル美術館蔵の《花飾りに囲まれた聖母子像と天使》)。作家はとりわけ見事な花の作品で知られており、そのジャンルを気品に溢れた真の芸術へと変えた。筆さばきの並外れた技と繊細で柔らかな色彩は、彼の持つビロードのブリューゲルという異名に充分値する。ここでも、混乱に満ちた荒々しい主題にもかかわらず、同様の色鮮やかな洗練(パウル・ブリルの詩的な風景画に非常に近い、青みがかった遠景)、および、花の絵画の成功をもたらした、その並外れた緻密さとをなお保っている。こうしてビロードのブリューゲルは、典型的なマニエリスム的嗜好と、細密画的な細部を大量に描き込む手法とを融合させると同時に、その注意深く正確な観察によって現実描写に関する研究の発展をもたらした、17世紀初頭における過渡期の画家として存在している。

出典

Expositions

- Essen, Kulturstiftung Ruhr. 1997.

- Vienne, Kunsthistorisches Museum. 1997 - 1998.

-  Anvers, Musée royal des Beaux-arts. 1998.

- Pieter Breughel le Jeune (1564 - 1637/38) - Jan Brueghel l'Ancien (1568 - 1625) : une famille des peintres flamands vers 1600. Lingen : Luca, 1998.

作品データ

  • ヤン・ブリューゲル1世、通称ビロードのブリューゲル、もしくはブリューゲル(父) (ブリュッセル、1568年−アントウェルペン、1625年)

    《イッソスの戦い》

    1602年

  • 油彩 木

    縦0.8m、横1.36 m

  • フーケコレクションからル・ノートルコレクションへ。1693年ル・ノートルよりルイ14世へ遺贈。

    INV. 1094

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ネーデルラント 16世紀末‐17世紀初頭 展示室II:ビロードのブリューゲル
    展示室14

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する

作品の補足情報

制作年および署名:BRUEGHEL, 1602