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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《エジプトの聖マリアの生涯の三場面》

Scènes de la vie de sainte Marie l'Egyptienne

素描・版画
19世紀

執筆:
Prat Louis-Antoine

この素描は、シャッセリオーが1843年に制作した、パリのサン=メリー教会の礼拝堂の壁の一つを飾る絵画のための習作である。上から下に向かって、いくつかの場面が描かれている。エジプトの聖マリアは、まず神父聖ゾシムスから聖体を拝領する。次いで、聖女は、エルサレムの聖墳墓記念聖堂の前で改宗する。最後に、神父ゾシムスが、伝説のライオンに付き添われて聖女の埋葬を行う。この最後の場面を二人の天使が取り囲んでいる。

聖女になった娼婦

エジプトの聖マリアの物語は、ヤコブス・デ・ウォラギネの『黄金伝説』がその源である。エジプトの聖マリアは、古代アレクサンドリアに生きた娼婦だった。聖マリアは、エルサレムに赴き、恩寵に触れて、キリスト教徒となる。その際聖女は、砂漠に隠遁して、何年もの間食べずに生き延び、神父聖ゾシムスに出会って、聖体を拝領した。聖女は、死後に復活し、天使によって天空に運ばれる。聖ゾシムスは、自分の修道院の僧にこの聖女の話を語った。シャッセリオーは、サン=メリー教会において聖マリアの生涯の5つのエピソードを描いている。

モニュメンタルな宗教装飾

22歳のシャッセリオーが礼拝堂装飾の注文を受けたとき、すでにシャッセリオーには宗教画家としていくつかの経験があった(《オリーヴ山のキリスト》、サン=ジャン=ダンジェリー教会、1840年)。元々アングルの弟子であったシャッセリオーは、11歳のときにアングルのアトリエに入り、1840年には師アングルとともにローマを旅した。それ以降、シャッセリオーは、アングルから自立したがるようになる。シャッセリオーは、このサン=メリー教会の尖頭アーチ形の大装飾によって、その世代で最も詩的な芸術家として頭角を現わし、とりわけテオフィル・ゴーティエといった同時代の批評家に高く評価されるようになる。

擬古主義と近代性

シャッセリオーは、聖女の改宗を表わす、中央場面の構図に関してはかなり躊躇した。素描では、エジプトの聖マリアは、聖墳墓記念聖堂の入り口の聖母子像の前で頭を垂れている。しかし、壁画では、聖女は横向きではなく、正面向きで、場面のちょうど中央に位置する聖母子像にもたれかかっている。この絵画での描写は、主題の原初的でアルカイックな、ほとんどビザンティン的ともいえる側面を強めている。ここで、装飾画を水平な帯で区切るやり方は、ゴシック様式を受け継いでもいる。逆に、曲線を多用した優美な人物の扱いは、ロマン主義的な近代性を示している。繊細な水彩によるハイライトは、6メートル以上に及ぶモニュメントの装飾のために作られた、この下絵の絵画的な側面を一層強めている。

出典

- PRAT Louis-Antoine, Musée du Louvre, Inventaire général des dessins. Ecole française : Dessins de Théodore Chassériau 1819-1856, Paris, 1988, tome I, n 147.

- PRAT Louis-Antoine, Chassériau. Un autre romantisme, cat. exp. Paris, Strasbourg, New-York, 2002-2003, n 71.

作品データ

  • テオドール・シャッセリオー(サント=ドミンゴ島、1819年-パリ、1856年)

    《エジプトの聖マリアの生涯の三場面》

    1842年

  • 紙に鉛筆、水彩

    縦52.4 cm、横31.2 cm 上部はアーチ形

  • 1934年にアルチュール・シャッセリオー男爵の遺贈

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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