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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《エトロの娘たちを守るモーセ》

Moïse et les filles de Jéthro

素描・版画
17世紀

執筆:
Prat Louis-Antoine

この素描は、他の数多くの素描と同様、プッサンが1647年頃にローマで描いた同主題の絵画(消失)のための準備習作である。今日、この消失した作品は、トゥルヴァンの版画によって知ることができる。この素描は、その大きさや、パノラマに引き伸ばされた構図の気高さや優美さによって、プッサンの素描の中で最も有名で主要な作品の一つである。

「出エジプト記」のエピソード

プッサンが旧約聖書の「出エジプト記」(第2章15-21節)に見出したモーセのエピソードは、次のようなものである。ミデヤンの井戸にたどり着いたモーセは、そこで水を汲みに来た七人のエトロの娘たちに出会う。しかし、エトロの娘たちは、羊の群れに水を飲ませようとする羊飼いたちに阻まれていた。(実はこれは、羊飼いと定住民との間の古来の戦いを表わしている。)モーセは娘たちを守り、その中の一人セフォラと結婚することになる。画面左側に集うエトロの娘たちの威厳ある姿は、古代のカネーフォロス(聖なる籠を頭に頂いた女人)に似ている。これとは対照的に、画面右側の登場人物の動きは騒々しく、モーセが3人の羊飼いを激しく押し倒している間に、4人目の羊飼いが井戸の背後に逃げている。

長い間構想された絵画

この素描を基にした絵画に関する古い時代の言及は一切存在しないが、アントワーヌ・トゥルヴァン(1656-1708年)の版画によって、この絵画が存在していたことが確認される。絵画作品は、素描に比べると横幅が短く、より縦方向に引き伸ばされている。絵画の画面上方には、街が描かれていたようである。この絵画には少なくとも7枚の準備習作が知られているが、ルーヴル美術館の準備習作は保存状態が良く、その中で最も完成度が高い。

壮大な浅浮彫

この黒チョークで描いた上に淡彩で念入りに陰影をほどこした絵画(プッサンが人物の輪郭を描くためにペンを用いないのは稀である)は、見事なリズムを与えられた壮大かつ長大な浅浮彫のように展開している。この作品の古代風の印象は、人物が彫像のような様相を呈していることによって強められている。ここでは画面左側の奥に屹立する建築物がリズミカルに場面を区切っている。また、背景に広がる風景の無気味で荒涼とした有様も印象深い。この素描は、2枚の紙を合わせた上に描かれているが、その上部がある時切り取られた可能性もある。

出典

PRAT Louis-Antoine, ROSENBERG Pierre, Nicolas Poussin 1594-1665 : Catalogue raisonné des dessins, 1994, II, n 303.

作品データ

  • ニコラ・プッサン(1594-1665年)

    《エトロの娘たちを守るモーセ》

    1647年

  • 2枚並べた紙に黒チョーク、その上に筆、褐色の淡彩

    縦17.1 cm、横43.2 cm

  • エヴァーハルト・ヤーバッハ・コレクション、1671年にヤーバッハより国王美術品蒐集室が取得

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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