Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《エルサレムにおける聖ステパノの説教》

《エルサレムにおける聖ステパノの説教》

© 2009 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
イタリア絵画

執筆:
Speranza Bastien

この作品は、ヴェネツィアの聖ステパノ会の上院室のために1511-1520年の間に制作された、聖ステパノの生涯を描いた5点の絵画連作に属している。その他の3点の作品は、各々ベルリン、ミラノ、シュトゥットガルトに所蔵されているが、最後の1点は紛失している。

場面構成

作品に描かれている場面は、エルサレムにあるソロモンの神殿の敷地内で繰り広げられている。敗北した異教徒的考えを象徴する所々破損した古代の台座の上に聖ステパノが立って説教をしている。指を空に向けながら、彼は聴衆を神への瞑想へと導いている。前景では東洋の女性の一団があぐらをかいてすわり、彼の演説に心を捕らわれている様子である。その周りのターバンを巻いた東洋風の人々、黒いシルクハット(左端)でそれとわかるギリシア人たち、さらには西洋人たちは、聖人による説教が普遍的であること証明している。背景に描かれたユダヤ教の象徴である神殿は、イタリア・ルネッサンスの寺院のように表現されている。エルサレムの丘の上には聖墳墓教会が認められる。ダマスカスの街ではないかと一部の人が解釈している街は、古代風の建造物と、ほとんど無機的と言えるほど簡素なミナレット(尖塔)の集合体で描かれている。

素材の表現

丸天井に施された青色を除くと、建造物は所々オークル色が混ざった真珠の光沢を持った白い色階で描かれている。背景ではイタリアの丘の景色が靄の中に消えており、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品を連想せずにいられない。人々の群集がこの世界を満たしている。真紅色のビロードやブロケード(聖人の上祭服)といった素材の表現や、東洋の魅惑に対するカルパッチョの関心をこの作品は示しており、同様の嗜好はその他のヴェネツィア画家の間にも見受けられた。
連作の主題はユダヤ教とキリスト教の間の歴史的なつながりを強調している。カルパッチョの活動後期の作品である《説教》は、20数年前、今日ヴェネツィアのアカデミア美術館に所蔵されている《聖ウルスラ》の連作を制作した際に彼自身が編み出した、物語的な感興をそこに活かしたものである。

聖ステパノに捧げられた連作

かつてその額縁に1514年という制作年が記されていたこの絵画は、《助祭への叙任》(ベルリン)、《説教》(ルーヴル美術館)、《聖ステパノの判決》(今日紛失)、《殉教》(シュトゥットガルト)、《論争》(ミラノ)の本来5点の作品から成る連作のうち2番目の、最も有名な作品である。連作の挿話は、ヤコブス・デ・ウォラギネによる『黄金伝説』(1264年)が伝える聖人の生涯における物語を描いている。1511年に注文され、1520年に完成された連作は、聖ステパノ会と呼ばれたヴェネツィアの信心会の礼拝堂(館)を飾っていたものと思われる。信心会の会員たちは主に石工たちで、石打ちで殉教したステパノはその守護聖人であり、それ故に作品の中には石で出来た建造物が随所に描かれているのである。

作品データ

  • ヴィットーレ・カルパッチョ(ヴェネツィアで1472年より記録あり-ヴェネツィア、1525/1526年)

    《エルサレムにおける聖ステパノの説教》

    1514年

    ヴェネツィア、聖ステパノ会のために制作

  • 画布に油彩

    縦1.48m、横1.94m

  • 1812年、ルーヴルに収蔵

    Inv. 181

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    グランド・ギャラリー トスカーナと北イタリアの絵画 15‐16世紀
    展示室5

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する