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《カロリーヌ・リヴィエール嬢》

© 2005 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
フランス絵画

執筆:
De Vergnette François

リヴィエール家の令嬢を描いたこの肖像画は、その両親の肖像画と同様、イタリアに向けて発つ直前のアングルと、ラファエッロやフィレンツェ派との間にある親近性を如実に示している。1806年のサロンに出品されたこれらの肖像画は、線描の緻密さと、「プリミティフ派」特有のエマイユ(七宝)を思わせるマティエール故に、「ゴシック的」と評された。

思春期の少女の両義性

イル=ド=フランスの風景を背景に、華奢な思春期の少女を半身像で描いたこの肖像画は、際立って清新な印象を与える。若い娘は、穢れのない白いモスリンの衣裳を身に纏い、無邪気な眼差しを湛えている。一方で肉付きのよい唇と、イタチの毛皮の長襟巻や長手袋といった装身具は、女性の逸楽を連想させる。アングルは、唯一制作した子供の肖像画の中に、女性を描いた肖像画に見られる官能性を取り入れたのである。

自らの意に反した肖像画家

リヴィエール嬢を描いたこの肖像画は、同じくルーヴル美術館に所蔵されている令嬢の両親を描いた肖像画と共に、一種の三連祭壇画を形成している。3点の肖像画は、ローマ賞を獲得したアングルが、永遠の都ローマに旅立つ直前の1806年にパリで制作された。歴史画家と見なされることを所望していたアングルであったが、とりわけこの時期は、肖像画によって生計を立てていたものと思われる。本作とリヴィエール夫人の肖像画は、1806年のサロンに《玉座のナポレオン》(パリ、軍事博物館)と共に展示されたが、批評家はアングルを「ゴシック的」であると非難した。アングルの様式は、当時の人々にとっては新たな発見であった、ファン・エイクのようなプリミティフ派の画家たちの様式と比較されたのである。アングルはこうした非難に深く傷ついたものの、その当時自ら記していたように、美術界の「革命児」たらんとしていた。

線描の様式化

若い娘のポーズは、アングルにとって「神」であった、ラファエッロの肖像画を彷彿とさせる。しかしながら、解剖学的な正確さを無視したデッサンの示す特徴は、この革新的な若き画家に固有のものである。カロリーヌ・リヴィエールの首は過度に引き伸ばされ、鼻筋と眉弓(びきゅう)が途切れることなくつながって、奇妙な曲線を描いている。輪郭線の抽象化に対して、衣裳の質感の描写は、本物と見紛うほど写実的である。この肖像画の色彩も同様に見事である。作品全体の明るさは、漆黒の髪とマスタードイエローの手袋によって引き立てられている。

出典

- TOUSSAINT Hélène, Les Portraits d'Ingres, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1985, p. 28-31.

作品データ

  • ジャン=オーギュスト=ドミニック・アングル(モントーバン、1780年-パリ、1867年)

    《カロリーヌ・リヴィエール嬢》

    1806年

  • 油彩、カンヴァス

    縦1 m、横0.70 m

  • 1870年、モデルの義姉妹にあたるポール・リヴィエール夫人(旧姓ソフィー・ロビヤール)による遺贈

    M.I. 1447

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    ダリュ 新古典主義
    展示室75

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

右下に署名:Ingres