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《キリストの磔刑》

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
イタリア絵画

執筆:
Séverine Laborie

《キリストの磔刑》は、ヴェローナのサン・ゼーノ教会の主祭壇のため、1456年にマンテーニャに依頼された祭壇画に由来する。この作品は裾絵(プレデッラ)の中央部を飾っていたもので、両側の二枚のパネルは1806年以降トゥール美術館に保存されている。このマンテーニャの若年期の作品は、マンテーニャが常に持っていた三つの資質、すなわち、遠近法の見事な活用、古代文化の引用、人物像の強烈な表現力を表しており、それがこの画家の作風の近代性を基礎付けている。

イタリア北部におけるルネッサンス様式最初の祭壇画

マンテーニャは聖ヨハネの福音を描いている。イエスは二人の犯罪人と共に「されこうべの場所」(十字架の足元にはアダムの頭蓋骨が描かれている)の上で十字架にかけられる。兵士たちはイエスの服をくじ引きで賭けており、前景では彼を槍で突いた槍騎兵(ロンギヌス)が現われている。左側ではヨハネが泣き崩れる聖母を取り囲む聖女たちと向かい合っている。
サン・ゼーノの多翼祭壇画は、統一された空間の中で「聖会話」を描写しているイタリア北方におけるルネサンス祭壇画の最初の例と見なされている。この祭壇画は、1434年頃にパトヴァで活動していたフィリッポ・リッピや、この街のサント教会の主祭壇のための彫刻を制作したドナテッロらによる、フィレンツェの祭壇画から想を得ている。
一方で、マンテーニャは遠近法の徹底的な考究において、同時代の画家よりも更に先を行っている。ゴルゴタの台地の端であるキリストの十字架の背後に据えられた中央消失点は、この画家の特徴であるダ・ソット・イン・スー、すなわち下から上を見上げる光景を際立てている。

象徴的構造

低い位置に消失点をもつ遠近法は、ここでは場面の誇張と高揚、画面空間へと観衆を引き寄せるといった複数の目的に応えている。
厳格な幾何学的構造は神学的な意味を帯びている。キリストの足は画面の中心を占め、十字架の中央軸は善と悪の間における象徴的な分割を作り上げている。こうしてキリストの右側には善い盗人、聖人、エルサレム、街の雑踏、光が、左側には悪い盗人、兵士、枯れた木々、無人の風景、影が描かれている。
中央の十字架、台地の丸みを帯びた形状と、台地を背景から浮かび上がらせるその勾配は、場面を世界の象徴的な中心へと据えている。キリスト教の伝統において、エルサレムは世界の臍で、ゴルゴタは宇宙の山の頂であると同時にアダムが創られ埋葬された地、更には人類を償う十字架が立つ地なのである。

マンテーニャ、ルネッサンスの理想の体現者

感情の表現に関するドナテッロによる研究にも近いものがあるマンテーニャの作風は、鋭く線的な筆致、きわめて熟達したデッサン、その優れた構図の感覚によって、非常に強烈な劇的効果に到達している。画家はその豊かな想像力と博識を用いることによって「イストリア」を実現しているが、これは、真に迫る様々な感情により生き生きと表現された複数の人物像を、一つの場面に描き出すという、アルベルティが感嘆した技法である。
これらの才能により、マンテーニャは当時の人々の間において早くから多大な評判を博し、マントヴァ公、ゴンザーガ家の宮廷画家という栄誉ある地位を獲得した。ルネッサンスの理想の体現者として、マンテーニャは当時の芸術家たち、すなわち、ジョヴァンニ・ベッリーニ(RF 2039)、あるいはフェッラーラのコズメ・トゥーラ(MI 485)、エルコレ・デイ・ロベルティ、フランチェスコ・デル・コッサらに影響を及ぼした。
一方で、荒々しく威圧的な彼の作風は16世紀初めになるとすぐ、「甘美な」様式の傍ら見捨てられるようになる。例えば、イザベッラ・デステの「ストゥディオーロ」(小書斎)に飾られた他の絵画の新しい美に適応させるため、手直しされ「甘美に」された、絵画《パルナッソス》(INV 370)がそれを物語っている。

出典

 - DE NICOLO SALMAZO Alberta, Mantegna, Citadelles et Mazenod, Paris, 2004.

- MARTINEAU Jane, Andrea Mantegna, catalogue de l’exposition, Londres, Royal Academy of art et New York, Metropolitan Museum of Art, 1992.

- CARAVAGLIA Niny, Tout l’œuvre peint de Mantegna, Flammarion, Paris, 1978.

作品データ

  • アンドレア・マンテーニャ(イーゾラ・ディ・カルトゥーラ、1431年-マントヴァ、1506年)

    《キリストの磔刑》

    1456-1459年

    1798年、ルーヴル収蔵

  • 木にテンペラ

    縦6cm、横96cm

  • ヴェローナのサン・ゼーノ聖堂の中央祭壇画

    INV. 368

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    グランド・ギャラリー トスカーナと北イタリアの絵画 15‐16世紀
    展示室5

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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