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作品 《クリシーのバリケード-パリの防衛、1814年3月30日》

絵画部門 : フランス絵画

《クリシーのバリケード-パリの防衛、1814年3月30日》

© 2000 RMN / Jean-Gilles Berizzi

絵画
フランス絵画

執筆:
De Vergnette François

軍隊画で有名であったオラース・ヴェルネは、ここで1814年3月30日におけるパリ防衛の場面を描いている。中央では、モンセイ元帥が、国民軍連隊長である金銀細工師のクロード・オディオに命令を与えているところで、この作品はオディオのために制作された。前景に描かれた2人の負傷者といった写実的な細部描写が、ヴェルネの大衆の間での成功を確たるものにしたのである。

混成部隊の国民軍の雄々しさ

この絵は、1814年3月にクリシー城門で短期間繰り広げられた、パリ防衛のエピソードを思い起こさせる。戦闘経験のない若い戦災孤児、障害者、ブルジョワ階級の兵士で構成された国民軍は、休戦協定まで抵抗することに成功した。この混成部隊を率いた年老いたモンセイ元帥が、中央で馬に乗っている。モンセイ元帥は、腕を伸ばして、一人の連隊長に命令を与えているところである。両側には感動的なエピソードが見られる。右側には、軍隊の2人の孤児が地面に座り、一人は腕を負傷している。彼らの前には、農婦が腕に赤ん坊を抱いて荷物入れの上に座っており、彼女が逃げのびた際にかろうじて持ち出せた山羊、マットレスといった幾つかの持ち物に囲まれている。左側では、槍(そう)騎兵が歩いて前線から戻ってきたところで、負傷した兵士たちの方へと向かっている。画面の半分は、建築家シャルル=ニコラ・ルドゥーによって建てられた城門の棟の前で展開している。背景には、マネの絵によって有名になったラテュイユ親父の食堂が見える。

従軍画家

画面中央でモンセイから命令を受けている連隊長は、王政復古時代の1820年にオラース・ヴェルネにこの絵を依頼したクロード・オディオと思われる。とりわけナポレオン1世の金銀細工士(《ボトル桶》、パリ、ルーヴル美術館)であったクロード・オディオは、個人的な思い出だけでなく、帝政の最後の栄光が描かれることを望んだのである。この絵は、政治的な理由で、1822年のサロン審査委員会から拒否された。ジョセフ・ヴェルネの孫でカルル・ヴェルネの息子であるオラース・ヴェルネは、反対派が優遇していた画家で、オルレアン公に庇護されていた。オルレアン公がフランス王ルイ=フィリップとなった7月王政下で、画家は、ヴェルサイユのフランス歴史美術館のための公式の注文を多数受ける。それにもかかわらず、王政復古以降、ヴェルネは、ルーヴル宮のシャルル10世美術館のための天井画(《ヴァティカンの造営を命じるユリウス2世》)も制作している。また画家は、生彩あふれる歴史画で、大衆に対しても大きな成功を収めた。しかし、何人かの批評家は画家に手心を加えず、シャルル・ボードレールは「オラース・ヴェルネ氏は絵を描く軍人である。(略)彼は芸術家とは正反対の存在である」と書いている。

歴史画における写実性

《クリシーのバリケード》で、オラース・ヴェルネは歴史画を刷新している。無名の人物を描き出した両側の写実的なモティーフは、モンセイ元帥という名高い人物の行為と同様の重要性を持っている。新古典主義の歴史画家ならば、構図により統一感を与えただろう。しかしながら、オラース・ヴェルネの作品をロマン派的と呼ぶことはできない。そこには、グロ男爵が戦闘を描いた絵のような叙事詩にふさわしい壮大さがない。ヴェルネの筆致は緻密で、彼の友人であったテオドール・ジェリコーのそれと比較される。くすんだ色彩は、ウジェーヌ・ドラクロワのものとは何の関係もない。ヴェルネの写実的な作風は、彼の娘婿であるポール・ドラロッシュの画風(《エドワードの息子たち》、ルーヴル美術館、INV.3834)を予告していると言えよう。

出典

- DUREY Philippe, Horace Vernet (1789-1863), catalogue d’exposition, Rome, Académie de France, Paris, Ecole Nationale Supérieure des Beaux-Arts, 1980, p. 58-59.

作品データ

  • オラース・ヴェルネ(パリ、1789-1863年)

    《クリシーのバリケード-パリの防衛、1814年3月30日》

    1820年

  • 油彩、カンヴァス

    縦 0.98m、横1.31m

  • 1835年、クロード・オディオによってパリ議会に寄贈1837年、リュクサンブール美術館に収蔵1874年、ルーヴル美術館に移送

    R.F. 126

  • 絵画

    シュリー翼
    3階
    ジェリコー
    展示室61

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

右下に署名および制作年: Horace Vernet 1820