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作品 《クリストフ・ド・トゥの墓碑》の断片

彫刻部門 : ルネサンスのフランス

《クリストフ・ド・トゥの墓碑》の断片

© 2011 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

彫刻
ルネサンスのフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

このヴァロワ王朝期の高等行政官の墓の中で、バルテレミー・プリウール(1536—1611年)は色彩の妙を作り出すため多様な材料(異種の大理石とブロンズ)を並べる。同様に様式も混合し、故人の写実的な肖像とミケランジェロから想を得た葬儀の精霊、そしてマニエリスムの柔軟さを見せる徳の寓意像を結びつけている。

影響力を持つ政治家の為の色彩のシンフォニー

クリストフ・ド・トゥはパリの商人頭でパリ市議会首議長を務め、また王の忠言者だったのでアンリ2世とその息子の治下は政治的に重要人物であった。1582年の死後、将来有名な歴史家となる息子のジャック=オギュスト・ド・トゥが、パリのサン=タンドレ=デ=ザール教会内の家族の礼拝堂に父の墓を立てさせた。宗教的平和を願った彼は、新教徒のバルテレミー・プリウールにそれを注文した。記念碑は革命期に解体されたが、彫刻を施した主要部分はルーヴルにまとめられた。
行政官の肖像は、頭部が白大理石でできており、赤大理石のマントから浮き出ている。これは黄色の大理石製小台の上に載せられ、白大理石の2体の徳の寓意像に囲まれた楕円形の壁龕の中に置かれていた。全体は石棺を垂直に見下ろし、その石棺の前方にはブロンズ製の2体の葬儀の精霊が肘を付いていた。材料の混合が色彩のシンフォニーを作り出す。プリウールの墓標作品の特徴である。この特徴はアンヌ・ド・モンモランシー大元帥の心臓記念碑(ルーヴル)にも見られる。

様式の混合

材料と同じ様に彫刻家は多種の様式を混合する。額の皺、落ちた頬、イボ、二重あごをとらえ自然主義的な行政官の肖像に仕上げている。頭は、議会首議長の衣装の襟もとのレースの襟飾りから飛び出る。見開いた目、軽い微笑、真っ直ぐな鼻が率直な人物という感じを与えている。
葬儀の精霊の方は、反対に、くねくね曲がった姿態やカノンの伸長によりマニエリスムの美意識に従う。そのポーズはフィレンツエのメディチ家の墓の為にミケランジェロによって彫られた「昼」と「夜」の寓意像のポーズをそのままに使ったものである。が、ミケランジェロの像より一層ほっそりと神経質で、その顔には苦痛が表されている。筋肉の変化が手で触知できるかのような肉付け、またブロンズ像の仕上げは見事である。
徳の寓意像はフランスのマニエリスムのくねくねした柔軟な線を持つ。通称「濡れた」布襞の流れるような布が体の曲線を描く。彫刻家は完璧にジャン・グージョンの芸術を範にし、ヴォリュームによるイリュージョンを比較的薄い大理石の表面に作り出すにまで至る。「賢明」は通常のアトリビュート(持物)の鏡と蛇を持つ。「正義」は(割れた)剣をもっているが、もう一つの通常の持ち物である天秤は無い。その代わりに実の付いた広い葉の木の枝を持っている。この様にこの時代の彫刻家達はオリーヴの木を表現した。

戦闘的図像

アトリビュートの変更は偶然の産物ではない。宗教戦争の最中、正義に対する2つの概念が対立した。罰する正義(異端新教徒虐殺)支持派と政治的解決を強く勧める平和主義派である。後者にとって、正義は和解をもたらすものである。オリーヴの木の枝の存在は行政官の所属する派を表し、特に平和主義派に属する息子の思想を示す。

出典

- BEAULIEU Michèle, Musée du Louvre. Description raisonnée des sculptures de la Renaissance française, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1978, p. 157-160.

- BRESC Geneviève, "Justice et Paix. Le Tombeau de Christophe de Thou par Barthélemy Prieur", in La Revue du Louvre, février 1981, p. 8-18.

- Chefs-d'oeuvre du musée du Louvre. Bronzes de la Renaissance à Rodin, Tokyo, Metropolitan Art Museum, 1988, p. 226.

- Nouvelles acquisitions du département des Sculptures (1992-1995), Musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1996, p. 144.

作品データ

  • バルテレミー・プリウール(1536-1611年)

    《クリストフ・ド・トゥの墓碑》の断片

    墓碑は故人の息子のジャック=オギュスト・ド・トゥ(1553—1617年)が注文し、1585年10月9日の支払い。

    パリ、サン=タンドレ=デ=ザール教会

    パリ

  • 鑞型鋳造によるブロンズ

    MR 1684 : 高さ0.46m、幅1.07m、奥行き0.35mMR 1685 : 高さ0.76m、幅1.99m、奥行き0.52mMR 2116 :高さ0.74m、幅0.59m、奥行き0.32mRF 4405 :高さ1.02m、幅0.75m、奥行き0.09mRF 4406 :高さ1.02m、幅0.75m、奥行き0.09m

  • M.R. 2116, M.R. 1684, M.R. 1685, R.F. 4405, R.F. 4406

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    プリウール
    展示室15b

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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