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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《グラウキアスの前の幼子ピュルロス》

Le jeune Pyrrhus à la cour de Glaucias

素描・版画
18世紀

執筆:
Maget Antoinette

フランソワ=アンドレ・ヴァンサンのこの素描は、1791年のサロンに出品された絵画(今日チェコ共和国のジドロチョヴィチェ城)の準備習作である。ピュルロスの生涯における一つのエピソードを描くに当たって、ヴァンサンはフリーズ型構図を用いた。この構図では、裸体人物像が古代を思い起こさせ、ヴァンサンの「アカデミスム」を物語っている。

子供の祈り

プルタルコスに想を得た主題を描いたこの素描では、ヴァンサンは、2つのグループに分けて配置した人物像の扱いに専念している。画面右側では、グラウキアスがその傍らにいる妻とともに腰かけている。グラウキアスの足元には、画面左側の忠実な従者たちがそこに連れてきたばかりのピュルロスが見える。幼子ピュルロスは、イルリュリア王の衣裳にしがみついて(この素描には表わされていない)立ち上がろうとしている。忠実なエペイロスの人々の態度からは、廃位された王の後継者の振る舞いを前にして湧き上がる感情が伝わってくる。

古典主義的な準備

完成作の絵画は、その主題(ピュルロスの生涯は、プルタルコスの『英雄伝(対比列伝)』から稀にしか選ばれないエピソードである)からして、ヴァンサンがその旗手の一人であった新古典主義的様式を物語っている。1791年のサロンに出品された絵画には、多数の展覧会評が寄せられた。ヴァンサンは、絵画を制作するために、この素描を準備習作として用いている。ヴァンサンは、ます目の技法を取り入れ、衣裳の下の筋肉の様子をより研究できる裸体像を用いて、作品の構図を決めた。ここでは、身体の輪郭が純粋な要素を形作っており、顔はただ幾何学的であらゆる表情が取り除かれている。

簡素な宮殿

この素描の舞台は、建築と装飾が簡素に描かれたグラウキアスの宮殿の広間である。ドーリス式円柱とどっしりした厚い壁を前にして、唯一の「装飾的要素」は、君主の好戦的な面を体現した軍人風の彫像だけである。王と相対したピュルロスの様子を表わしたこの場面は、ファラオの足元にひざまずくモーセの場面に比較される。ピュルロスの振る舞いは、グラウキアスを和ませ、王はカッサンドラの復讐を恐れながらも、ピュルロスを妻に託す。ヴァンサンの描線は、身体的な人体表現に限定されているが、彫刻的とも形容できる人物の態度からは内面の思考が垣間見える。実際、ここでヴァンサンは、彫刻的な容姿、すなわち大理石を用いずに彫像をつくり出しており、省略された身体表現は、古代の白い彫像をほのめかしている。

出典

- Revue du Louvre, 1976, n 4, p. 5.

- CUZIN Jean-Pierre, "François-André Vincent 1740-1816", in Cahiers du dessin français, t. IV, Paris, 1988, p. 7, p. 22, n 52.

- DAMISCH Hubert, Traité du trait, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, coll. "Parti-pris", 1995, pp. 101, 124-125, 203, n 31, (notice par LUCAS Anne).

- LAZANO Luis-Martin, Arte de las Academias : Francia y México, siglos XVII-XIX, cat. exp. Mexico, Antiguo Colegio de San Ildefonso, 1999, p. 135.

- MEJANES Jean-François, Acquisitions du Cabinet des dessins : 1973-1983. 81e exposition du Cabinet des dessins, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1984, n 101.

- MICHEL Régis, Le Beau idéal ou l'art du concept, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1989, pp. 89-91, 127, 165, n 52.

作品データ

  • フランソワ=アンドレ・ヴァンサン(パリ、1746-1816年)

    《グラウキアスの前の幼子ピュルロス》

    1790年

  • サンギーヌの下絵と黒チョークの描線にペンと褐色インク、褐色の淡彩、黒チョークのます目

    縦37.5 cm、横42.5 cm

  • アジェ嬢、1976年に取得

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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