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《ケルメス(村祭り)》

© 2009 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
フランドル絵画

執筆:
Collange Adeline

作家活動の後期にあたる1635‐1638年に制作された、新ブリューゲル派の影響が明らかな作品。前景右手に描かれた豚は、大食い(gula)を表す古くからの象徴である。作品を1620年代の制作と考える一部の研究者たちは、人物像と比べて風景が前期の様式であるとみなしているが、人物像はルーベンスの後期作品における一番の特徴である叙情性を明確に示している。

フランドルの伝統

《村祭り》とも呼ばれているこの壮大な作品は、村人の祭りの描写という北方絵画の伝統の一環を成している。ピーテル・ブリューゲル(父)によって生み出されたこれらの光景は、多大な成功をもたらし、フランドル絵画の盛名に寄与している。これらの情景には、頻繁に道徳的な目的が含まれており、度を越した描写で人間の野卑さを告発している。しかし、前景の小屋の中に描かれた大食いの象徴である豚の醜い顔にそれらの告発が見受けられるにもかかわらず、この作品におけるルーベンスの主な関心は不品行の告発にはないのである。

熱狂的なファランドール

すなわちこの絵画の主題は、フォームと色彩の巧みな演出を見せるための口実に過ぎず、画家は異なる世代が陽気に混じり合った祭りの賑やかさを表現しようと試みているのだ。婚礼もしくは収穫の終り(麦束が前景に描かれている)を記念しているらしい宴会は、茶色の色階を用いて描かれた農場で繰り広げられている。画面の構図は三角形を基本に、その中に陽気なファランドールを踊りながら列を成した農民の喧騒がひしめき合っている。ダンスをする二人組の連なりがアラベスク模様のように流れ、同じ一つの動きを形作っているようだ。全体の目まぐるしい渦の印象が、反響し合う無数の曲線によって強調されている。生きる喜びと感覚の悦楽を表現するために、ルーベンスは驚くほど多彩な人物像の陳列を観ている者に与えてくれる。まるで子犬のように大騒ぎをする者、地面の上で直に飲み食いをする者、赤ら顔の肥った女の乳房をむさぼるように飲んでいる幼児、恋愛ゲームにあからさまに身を委ねるその場限りの恋人たち・・・これらのけたたましい生命の興奮は、晴朗な光り輝く空に溢れた穏やかな風景の広がりと対比されているが、この風景は実は以前に描かれていたのかもしれないと言う仮説も存在している・・・

艶やかで素早い筆さばき

1635‐1638年頃に制作されたと推測されるこの作品は、才能と栄光の最中にいた画家の活動後期に位置する。画家は故意に目立つように配した色彩豊かな素早く艶やかなタッチによって、この斬新な作品に活力を与えている。作品は1685年にルイ14世コレクションに収蔵されており、大胆な筆さばきやその色彩感覚は多くのフランス人画家に影響をもたらしている。中でもとりわけ艶っぽい祝宴を描いた有名な画家、ヴァトーが挙げられる。

出典

- SCHRIBNER III Charles, Petrus Paulus Rubens, Éditions du Cercle d'Art, Paris, 1993.

作品データ

  • ピーテル・パウル・ルーベンス(ヴェストファーレン州ジーゲン、1577年‐アントウェルペン、1640年)

    《ケルメス(村祭り)》

    1635‐1638年頃

  • 油彩 木

    縦1.49m、横2.61m

  • 1685年、ルイ14世コレクション収蔵。

    INV. 1797

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ルーベンス
    展示室21

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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