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《コレシュスとカリロエ》

© 2011 Musée du Louvre

絵画
フランス絵画

執筆:
Séverine Laborie

パウサニアスに想を得た、フラゴナールのこのアカデミー準会員入会作品は、劇的な構図とドラマティックな照明によって、ネオ=バロック的で崇高な絵画の道を切り開いている。しかしながら、フラゴナールはこれ以降、偉大な絵画を放棄し、より軽やかで愛らしいテーマを描くようになる。

博識に裏付けられた主題

パウサニアスの『ギリシア案内記』(2世紀)に想を得たこの絵の主題は、知られたものではない。神々から送り込まれたペストによって、多くの人々が死んでしまったアテナイの町は、疫病を終わらせるための贖罪の生贄に、カリロエを選んだ。しかし、生贄を捧げる役目を担っていた大祭司コレシュスは、この若い娘に見返りのない恋をしてしまい、彼女の代わりに短刀で自害するのである。
犠牲は画家たちが繰り返し描いたテーマだが、こうした博識に裏付けられた典拠は珍しい。フラゴナールは、この劇的な場面の原典を、18世紀の間中、ピエール=シャルル・ロワの脚本で幾度も上演されていた劇場やオペラで見つけることができた。しかし、フラゴナールのこれに関する知識は、まず絵画からもたらされており、とりわけカルル・ヴァン・ローの《イフィゲネイアの犠牲》(ポツダム)と、1761年のサロンで多大な成功を収めたドワイヤンによる《ウィルギニアの死》(パルマ)がこの構図の基になったと思われる。

劇的な場面構成

フラゴナールは、この絵を舞台作品のように構成している。悲劇は、観客のいる前で、超自然的な光に強烈に照らされて、繰り広げられている。神殿は舞台へと変えられ、場面は2本の円柱の間に固定され、わずかに高くなった床は、金色の房飾りの付いた赤い布地で覆われた演壇を形成している。2人の主人公の身振りはきわめて誇張され、カリロエが気絶している一方、コレシュスは自らの胸を刺し貫いており、彼らの上では絶望と愛の擬人像が舞っている。

「アカデミックな」作品

モニュメンタルなサイズ、劇的な構図、人物像の激しい感情表現、抑制されたタッチといったものゆえに、この作品は、フラゴナールの最も大きな絵画であると同時に、「偉大なジャンル」の範例となっている。フラゴナールの意図では、コレシュスは、王立絵画彫刻アカデミーの準会員になるという明確な目的に応えていた。アカデミー準会員になることは、公に認められ、サロンに出品しようという全ての画家にとって、いまだ避けて通ることのできない一段階だったのである。複雑な主題と多様な人物の動きを兼ね備えた大作は、アカデミーの制作に固有のものであった。さらに歴史画は、18世紀半ばにいくらか不人気になっていたにもかかわらず、いまだジャンルの序列の中で最も高い地位を占めていたのである。
フラゴナールはアカデミーで大成功を収め、さらに同じ年(1765年)にこの絵が展示されたサロンでも好評を博した。こうしてフラゴナールは偉大な歴史画家と見なされ、王室建物総督庁の行政部は、フラゴナールが、同じ年に亡くなったカルル・ヴァン・ローとジャン=バティスト・デサイの後を継ぐのを心待ちにしていたのである。行政部は、フラゴナールに、ルーヴル宮に住居を与えたり、国王のためにその絵を買い上げたりすることで、この若い画家が立派な歴史画家になるよう後押しした。しかしながら、突然訪れた名声ゆえに、フラゴナールが人々の待ち望んでいたような偉大な歴史画家になることはなく、フラゴナールは、個人の顧客を対象にした風俗画といった、多彩な活動を繰り広げることになる。多種多様な様式を楽々と駆使した画家のことを、フレロンは、「フラゴナール氏の長所は、とりわけいかなる偉大な画家をも模倣していないように見えることにある」と語っている。

出典

- Fragonard, catalogue d'exposition, Paris, Grand Palais, 24 septembre 1987-4 janvier 1988 ; New York, Metropolitan Museum of Art, 2 fevrier-8 mai 1988], cat. et comm. P. Rosenberg et M.-A. Dupuy, Paris, Editions de la Réunions des musées nationaux, 1987.

- CUZIN J.-P., Jean-Honoré Fragonard, vie et œuvre, Fribourg, 1987.

作品データ

  • ジャン=オノレ・フラゴナール(グラッス、1732年-パリ、1806年)

    《コレシュスとカリロエ》

    1765年サロン出品

    王立絵画彫刻アカデミー準会員入会作品

  • 油彩、カンヴァス

    縦3.09 m、横4 m

  • ルイ15世コレクション

    INV. 4541

  • 絵画

    シュリー翼
    3階
    フラゴナール
    展示室48

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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