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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《サバトへの出発》

Le départ pour le sabbat

素描・版画
16世紀

執筆:
Grollemund Hélène

19世紀初頭にデューラー作として目録に加えられたこの素描は、1923年にアルトドルファーの作とされた。以来、この特色ある作品は、ドナウ派と呼ばれる作風を代表する主要作品の一つとして、また、1506年作のものとされるアルトドルファーの初期素描群の一つとして、広く認められている。すでにそこには、叙情的、幻想的、そして神秘的な視覚を通して、作者の類まれな才能が表われ出ている。

幻想的光景

前景には、森を背に、裸同然の四人の魔女らがおり、三人は立ち、一人は腰掛けている。他の魔女は、幻想的な騎行に出かけるため、山羊に乗って飛び立つところである。左手の背景には、騎行する魔女らに部分的に隠されてはいるものの、村の家々が数軒見えている。すべてがこの光景に非現実味を与えるために競合しているのだ。例えば、前景にあって、腕を交互に上げ下げしたり、身体を横に傾げたり後ろによじったりしている魔女らの動き、また、山羊に乗った魔女らが、空の中に次第に姿を消してゆきながら上昇する動き、そして、髪や長い衣襞が舞い上がる様子、これらは、現実の風景を、幻視的な光景へと変えているのである。

はっきりと認められる作風

同じ技法が用いられ、大きさも似通っている他の二枚の素描にも、同様に1506年と記されている。一枚は、《寓意画――「平和」とミネルヴァ》(ベルリン、銅版画室)であり、画面右に、同様に座った魔女の横顔が描かれている。もう一枚は《サムソンとデリラ》(ニューヨーク、メトロポリタン美術館)である。これら二枚の習作に増して、ルーヴルのそれは、若きアルトドルファーの作風を特によく示すものとして一般に認められている。例えば、地塗りされた背景の上の明暗の効果、神経質なペンの運び、白のハイライトで加えられた強調などによって、この習作は観者を、作者の想像が創り出した幻想と非現実の世界へといざなう。同時期の二枚の版画《マルス》と《フローラ》も、作者が同様の点に留意したことを示している。軍神マルスの姿は、正面向きの魔女のそれと類似の体形を逆向きにして描いたものであり、そこには同じ大胆な筆遣いと、同様の幻想的興趣とが見て取れる。

魔術とユマニスム

《サバトへの出発》は、16世紀における魔術への関心を示す例として特異なものではない。一方、アルトドルファーの独自性は、場面に逸話的な様相を与えつつ、風景の中に人物を配置する仕方に見て取ることができる。同様に、この素描においては、魔女たちの女性的な集団と、動物にまたがり空に向かって飛び立つ騎行団とを組み合わせるという、新しい図像表現が示されていると言ってよい。幾人かの同時代のドイツ人画家がこの主題を描いている。例えばデューラーの1497年の作品、そしてとりわけバルドゥング・グリーンによる、1510年作のキアロスクーロ(明暗法)による版画《サバト》、1514年作のウィーンのアルベルティーナ美術館にある素描、ルーヴルにある素描《魔女のサバト》、そして、1523年作の油絵(フランクフルト、シュテーデル美術研究所)である。だが、これらの作品に込められた意図はいずれも異なっている。バルドゥングの場合、エロティックな要素がきわめて濃いのに対し、アルトドルファーの人物像は性別不明であり、この若い画家が、叙情的表現を重視する一方で、解剖学的正確さには無関心でいたように思われる。美術史家の中には、ユマニスムの発展と、自然、未開人、そして魔女への関心との関係を重視する者もある。これらの関心は、真摯な信仰と相容れないものではないと考えられるし、アルトドルファーはこうした思想への共感を持っていたのではないかとも思われるのである。

出典

- BACOU Roseline, Dessins du Louvre. Écoles allemande, flamande, hollandaise, Paris, Flammarion, 1968, notice 17.

- CALVET Arlette, Le XVIe Siècle européen, dessins du Louvre, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1965, notice 51.

- MIELKE Hans, Albrecht Altdorfer : Zeichnungen, Deckfarbenmalerei, Druckgraphik, cat. exp. Berlin-Ratisbonne, Reimer Verlag, 1988, notice 7.

- SÖDING U., "Hans Baldung Grien in Freiburg : Themenwahl und Stilentwicklung", in Hans Baldung Grien in Freiburg, cat. exp. Fribourg-en-Brisgau, Augustinermuseum, 2000-2001, p. 41.

- STARCKY Emmanuel, Dessins de Dürer et de la Renaissance germanique dans les collections publiques parisiennes, LXXXXVIIIe exposition du Cabinet des dessins, cat. exp. Paris, musée du Louvre, 1991-1992, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1991, notice 114.

- VIATTE Françoise, Il Paesaggio nel Disegno del Cinquecento Europeo, cat. exp. Rome, Villa Médicis, 1972-1973, notice 19.

作品データ

  • アルブレヒト・アルトドルファー(レーゲンスブルク、1482/1485年-1538年)

    《サバトへの出発》

    1506年

  • 赤煉瓦色に地塗りした紙にペン、黒インク、白のグワッシュによるハイライト

    縦18 cm、横12.4 cm

  • シャルル=ポール・ジャン=バティスト・ド・ブルジュヴァン・ヴィアラール・ド・サン=モリス・コレクション、1793年に亡命貴族の財産として接収の後、1796-1797年に中央美術館に収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

左下に、ペンと黒インクで、作者によるモノグラム、および1506年との書き込みあり