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《サビニの女たち》

© 2010 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
フランス絵画

執筆:
François de Vergnette

隣国のローマ人によってサビニの女たちが掠奪された後、サビニの男たちは女たちを奪回しようとした。ダヴィッドが描くことにしたのはこのエピソードである。サビニの女たちが戦う男達の間に割って入り、仲介しようとしている。中央では夫であるローマ王と自らの父であるサビニ王の間に入って争いを止めようとしているヘルシリアが描かれている。この主題を取り上げることで、ダヴィッドはフランス革命後の人民の和解を訴えようとした。次第に簡潔で純粋になりつつあったダヴィッドの作風は、古代ギリシアから想を得たものである。

ヒロインたち

ダヴィッドは8世紀のローマ帝国の端緒を語った伝説のエピソードを描いている。隣の部族であるローマ人によって娘たちを掠奪されたサビニ人は、女たちを奪回しようと試みた。サビニの女たちの略奪の場面は、プッサンが傑作を残している(ルーヴル美術館)。ダヴィッドは、ローマのカピトリーノの城塞の下で勃発した戦闘を止めようとするサビニの女たちを描いており、この出来事を見事にまとめている。ヘルシリアが、左側に立つ父のサビニ王タティウスと右側に立つ夫のローマ王ロムルスの間に入って仲介している。その他の女たちも、一人は子供たちを振りかざし、別の女性は戦士の足元に身を投げ出している。作品はこうした行為によって導かれる幸せな結果を喚起している。実際、脇に描かれた一人の騎兵は剣を鞘に収めようとしている。さらに遠くでは腕が突き挙げられ、幾つかの兜が和平のしるしとして振りかざされている。ダヴィッドによって先に描かれた作品(《ホラティウス兄弟の誓い》、《ブルータス邸に息子たちの遺骸を運ぶ警士たち》、ルーヴル美術館)とは対照的に、この作品では女性たちが中心的役割を担っているのである。

時事的な絵画

国民公会の議員であったダヴィッドは、ロベスピエールの忠実な支持者の一人でもあった。1794年のロベスピエールの失脚後、ダヴィッドは投獄される。画家がサビニの女たちという主題の構想を練り始めたのは獄中である。このテーマを選択することで、ダヴィッドは以後平穏な人間として振る舞い、こうして時代の風潮に合わせようとした。パリの画壇が大変待ち望んでいたこの作品は、5年後の1799年に完成する。画家自身も自らの傑作としてきわめて自信を持っていたこの作品はサロンには出品されず、ルーヴルにあった画家のアトリエで開かれた有料の個展で披露された。この種の催しは、この先絶大な人気を博すことになる。この機会に画家は、こうした形式の展覧会と、論争を巻き起こした裸体の戦士たちを正当化する文面を書いている。

「純粋なギリシアを描きたい」

ローマに関する主題を取り上げた作品を制作しながらも、ダヴィッドは「純粋なギリシアを描きたい」と語っていた。画家は《ホラティウス兄弟の誓い》(ルーヴル美術館)に見られるような厳格なローマ的様式から離れ、新境地を開こうとした。従って《サビニの女たち》は、ダヴィッドにとっての新たな宣言と言ってよいだろう。ダヴィッドは、古代ギリシアの偉大な芸術家たちに相対することを望むと同時に、ドイツ人ヴィンケルマンによる理想美の理論にも賛同している。それゆえ、ダヴィッドは絵の中で、ギリシア彫刻に表わされているような裸体の戦士を描くことにしたのである。造形的には、画家は奥行きの効果に訴えず、フリーズ構図を用いている。こうした印象は、構図を支配しているデッサンの他に、一様な光や簡略化された色彩によって強調されている。ダヴィッドの絵画における新たな方向性は、幾人かの弟子たちの「プリミティフ派」への答えを示している。アングルも近い関係にあるプリミティフ派の画家たちは、師のローマからの感化を批判し、アルカイックな様式を称賛したのである。

出典

- SCHNAPPER Antoine, Jacques-Louis David 1748-1825, catalogue de l'exposition, musée du Louvre, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1989, p. 323-338.

- ROSENBLUM Robert, " Essai de synthèse : les Sabines", in David contre David, I, colloque, Paris, Musée du Louvre, 1989, p. 459-470.

作品データ

  • ジャック=ルイ・ダヴィッド(パリ、1748年―ブリュッセル、1825年)

    《サビニの女たち》

    1799年

  • 油彩、カンヴァス

    縦3.85 m、横5.22 m

  • 1819年取得

    INV. 3691

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    ダリュ 新古典主義
    展示室75

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

左下に署名および年記:David f.bat anno 1799