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作品 《シジズモンド・パンドルフォ・マラテスタ》

絵画部門 : イタリア絵画

《シジズモンド・パンドルフォ・マラテスタ》

© 2011 Musée du Louvre / Martine Beck-Coppola

絵画
イタリア絵画

執筆:
Maisonneuve Cécile, Thiébaut Dominique

リミニの領主シジズモンド・マラテスタ(1417-1468年)の肖像画は、ピザネッロ作のメダル(1445年)において正式に定められた君主の姿を再現している。この絵画は、1451年にピエーロによってリミニのマラテスティアーノ寺院で描かれたフレスコ画と引き合わせることが出来る。フレスコ画には、自身の守護聖人であるブルグント王シジズモンドの前に跪く傭兵隊長が描かれている。証拠はないものの、肖像画はこのフレスコ画のための最初の構想図であると考えられている。

シジズモンド・マラテスタ

1430年にローマカトリック教会の司教総代理に任命された、リミニの領主シジズモンド・マラテスタ(1417-1468年)は、当時最も名の通った傭兵隊長の一人であった。自らの戦功を自慢していたシジズモンドは、ピウス2世の嫉妬を買い、1460年に破門されてしまう。それ以来、教皇庁との争いのために、芸術庇護者であったシジズモンドには残忍な異教徒としての世評が立つことになる。シジズモンドは、なかでもフェッラーラのエステ家宮廷のような人文主義者の集まりとつながりの深い、教養ある家庭に育った。彼の最初の妻ジネーヴラ(1419-1440年)は、1393-1441年にかけて侯爵であったニッコロ3世の娘であった。シジズモンドは、最高の芸術家たちを招聘することによってリミニをルネサンスの一大中心地へと変えていった。アルベルティ(1404-1472年)はシジズモンドのために、マラテスタ家の墓があったリミニのサン・フランチェスコ教会正面の図案を制作している。その内装が異教徒的な趣をもっていることから、この建造物には「マラテスティアーノ寺院」という名がつけられた。ピエーロ・デッラ・フランチェスカが1451年に守護聖人の足元に跪く横顔のシジズモンドのフレスコ画を描いたのはここである。このフレスコ画とルーヴルの肖像画との間の関連性から、一部の人々はピエーロがルーヴルの肖像画を1451年以前に制作し、それを壁画の原型として用いたのではないか、と考えている。

伝統と近代性のはざまで

豪華な身なりの人物の上半身を横顔で描写したこの作品は、「国際ゴチック」様式に未だ執着していたイタリア北部の芸術界で高く評価されていた、宮廷肖像画の伝統を受け継いでいる。作品は古典古代世界に魅了された人文主義者たちによって新たな飛躍を遂げたメダル芸術から想を得ている。だがピザネッロによって彫られた起伏の少ない顔とは異なり、マラテスタのそれは薄暗い背景から浮き出し、立体的にはっきりと際立っている。1439年にフィレンツェにいたピエーロは、その地で画家たちが行っていた空間と立体感の表現に関するさまざまな実験に衝撃を受けたに違いないと思われる。こうしてピサネッロによる《若き王女の肖像》(ルーヴル美術館)と異なって、厳密に側面から描かれた人物の肩は、短縮法が用いられているものの、遠近法による視像の規準に則って描写されている。光の微妙な変化によって彼の首には円柱のように力強い起伏が与えられている。画家には、とりわけ画面の対角線に正確に沿った髪のラインに見て取れるように、形状を幾何学化してゆく傾向があった。

フランドル絵画への想い

さらにピエーロはこの作品の中で、なかでもロヒール・ファン・デル・ウェイデン(1399/1400-1464年)による三連祭壇画のような、フェッラーラ(1448-1450年頃に画家が滞在していた)の宮廷に数々の作品が存在していたフランドル美術に関する考察を深めることで、フィレンツェ絵画の教養をより充実させている。作品のマチエールの分析によると、ピエーロは所々で、当時のイタリア絵画の伝統的な結合材である卵に、油を混ぜていることが判明した。卵より滑らかな油を用いることによってのみ、画家はこの完璧な肌の色の表現に達し得たのである。それは例えば、その絶妙な起伏、透明感(剃った頬の青みがかった陰を通して見える肌)、さらに明るい光を加える筆致の正確さ(顎の下の光の筋)などに見ることができる。ピエーロが肖像画から放たれる生命感の錯覚を作り出しているのは、フランドルの手本に影響を受けたこの技法によってなのである。

作品データ

  • ピエーロ・デッラ・フランチェスカ(ボルゴ・サンセポルクロ、1416年頃?-1492年)

    《シジズモンド・パンドルフォ・マラテスタ》

    1450-1451年頃?

  • 板に卵を用いたテンペラおよび油彩

    縦44cm、横34cm

  • 1978年取得

    R.F. 1978-1

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    7メートルの間 13‐15世紀のシエナと北イタリアの絵画
    展示室4

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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