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《シテール島の巡礼》

© 2009 Musée du Louvre / Erich Lessing

絵画
フランス絵画

執筆:
Vincent Pomarède

愛する男女はシテール島へ向けて舟に乗り込もうとしているところなのか、それともこの愛の島を離れるところなのだろうか。いまだにその主題が議論されているこの傑作は、ヴァトーのアカデミー入会作品であったが、あまりに斬新なゆえに、「フェット・ギャラント(雅宴画)」という新しい用語が、ヴァトーのために作り出されたのである。

出発もしくは帰還?

ヴァトーは、この大作を王立アカデミー入会作品として制作したが、若くして得た名声によってもたらされた多数の個人の注文を優先したために、画家は作品を描き終えるまでに実に5年を要している。1712年にアカデミー準会員として認められたヴァトーであるが、彼の最も重要な作品の一つである入会作品《シテール島の巡礼》を1717年にようやく提出し、「雅宴画」の画家としてアカデミー入会を認められた。これはシテール島に向けて出発する場面を描いているのか、それとも愛の島から帰還したところなのだろうか。愛の島へのこの旅が暗示している寓意について、各々の美術史家がそれぞれのやり方で解釈を与えている。
王立絵画彫刻アカデミーのコレクションに所蔵されていたこの作品は、1793年にルーヴル美術館の前身である共和国中央美術館に収蔵される。18世紀の始まりを告げるこの作品の成功を前にして、ヴァトーは、友人の一人ジャン・ド・ジュリエンヌの注文で、その第二版を描いており、現在フリードリヒ2世コレクション(ベルリン、シャルロッテンブルク宮)に所蔵されている。

シテール島の神話

ギリシアの群島の中に位置するシテール島は、古代において愛の女神アフロディーテが生まれた可能性のある場所の一つと見なされており、アフロディーテと愛に捧げられた聖地となった。17世紀のオペラや、ダンクールが1700年に創作した喜劇『三人の従姉妹』に想を得たと考えられているこの絵は、愛の島を目指す一組の恋人たちの愛の道程を描いている。一組の恋人たちが座って仲睦まじく会話を交わしている傍らで、別の一組が立ち上がっているのに対し、三組目の恋人たちは、向こう岸に渡る小舟に向かって歩いているところである。若い女性が後ろを振り返り、名残惜しそうに幸せの地を眺めている。背景には、見事な小舟に乗り込む人々が描かれており、その上をアモルが舞っている。
この絵のリズム感溢れる構成、人物群の繊細な動き、タッチの震えるような筆遣い、色彩の美しさは、常に称讃の的であったが、この作品における最も斬新な要素の一つは、間違いなく、レオナルド・ダ・ヴィンチの風景画と同様にルーベンスの風景画からも影響を受けた、背景の靄の立ち込めた神秘的な風景である。

ロダンによる論評

「最初に目に留まるのは(略)、若い女とその崇拝者からなる一組の恋人たちである。男は愛の巡礼着である短いマントを纏い、その衣裳には、男が夢見る旅の優美な徽章である、矢の刺さったハートが刺繍されている。(略)女は男に対して興味のない様子を示しているが、見せかけだけなのかもしれない(略)男の持つ巡礼者の杖と愛の聖務日課書は、まだ地面に置かれたままである。
ここまで見てきた恋人たちの左側に、もう一組の恋人たちが描かれている。女は、立ち上がるために差し延べられた男の手を取っている。(略)すこし先では、三つ目の場面が繰り広げられており、男は恋人の腰に腕を回して彼女を導いている。(略)今や恋人たちは、砂浜に向かって降りていき、(略)小舟に乗り込もうと笑いながら互いに押し合っている。もはや男たちは女に乞う必要もなくなり、逆に女たちが男たちにしがみついている。ようやく巡礼者たちは、黄金のキマイラ、花綏飾り、赤い絹のスカーフが水面に揺れているゴンドラに、各々の恋人たちを乗り込ませようとしている。櫂にもたれかかった船頭たちは、今にも漕ぎ出そうとしている。そして、そよ風に身をまかせ、ひらひらと舞う小さなアモルたちが、水平線に浮かび上がっている紺碧の島へと旅人たちを導いているのだ。」

作品データ

  • ジャン=アントワーヌ・ヴァトー

    《シテール島の巡礼》

    1717年

  • 油彩、カンヴァス

    縦1.29 m、横1.94 m

  • アカデミー・コレクション

    通称《シテール島への船出》

    INV. 8525

  • 絵画

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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