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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《ジャファのペスト患者を訪れるナポレオン、1799年3月11日》
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《ジャファのペスト患者を訪れるナポレオン、1799年3月11日》
© 2004 RMN / Thierry Le Mage
絵画
フランス絵画
画家アントワーヌ=ジャン・グロは、1799年3月に、シリアのジャファでペストに苦しむ兵士たちを訪ねて激励するボナパルト将軍の勇気を描いている。ボナパルトは、キリストのように、ペスト患者の一人の上に手を置いている。1804年のサロンで評判を呼んだこの大作は、ナポレオン時代の絵画における最初の傑作と言ってよいだろう。雄々しい裸体像がグロの師であったダヴィッドの作品を連想させる一方で、暖色やコントラストの際立った照明、オリエント風の装飾がロマン派絵画の訪れを告げている。
大将軍の激励
この絵は、ジャファで軍病院として使われていたモスクの中庭に集められた、フランス軍のペスト患者を訪れている将軍ボナパルトを描いている。この場面は、エジプト遠征に続くシリア遠征の際、1799年3月に起こった出来事である。照らされた光の中で、ボナパルトが、上半身裸の病人の腫瘍に、手袋をはずして触れており、その傍らで、医師は将軍を思いとどまらせようとし、将校の一人は鼻を塞いでいる。左側では、2人のアラブ人が病人にパンを配っている。右側では、目の見えなくなった兵士が大将軍に近寄ろうとしている。前景の暗がりの中では、瀕死の病人たちが、ボナパルトに向かって振り返る力すら残っていない様子である。画家は、将軍の美徳と勇気が戦争の恐怖を正当化することを暗に示そうとしている。グロは、宗教画におけるハンセン病患者を癒すキリストのような、輝かしいオーラと身振りをボナパルトに与えている。
ナポレオン時代の歴史画における最初の傑作
第一執政官となったボナパルトは、この絵をグロに注文することによって、作品がイギリスの報道による非難を拭い去ってくれることを期待した。イギリスでは、正当にも、ボナパルトがカイロに撤退した際、ペスト患者を処刑しようとしたと報じられていたのである。この作品は、ナポレオンの聖別式の直前にあたる1804年のサロンに出品されたが、それはとりわけボナパルトにとって作品が有用な時期であった。これは、ナポレオン時代の歴史画における最初の傑作であると言えるだろう。後にナポレオン、皇帝となるボナパルトは、当時の画家たちに、古典古代の主題から離れて、ボナパルト自身が主人公として登場する、同時代の戦闘場面や皇帝の豪華絢爛さを描くよう促した。この後グロは、《ジャファのペスト患者を訪れるナポレオン》と大変よく似た《エイローの戦場におけるナポレオン》(1808年、ルーヴル美術館、INV.5067)を制作している。《ペスト患者》は、ジェリコーやドラクロワといった次世代の画家たち、とりわけドラクロワの《キオス島の虐殺》(1824年、ルーヴル美術館、INV.3823)に大きな影響を及ぼした。
ロマン派絵画の始まり
この作品は、美徳の範例を表わした主題や、幾つかの形態的側面において、新古典主義的な絵画であると言えるだろう。場面は、ダヴィッドの《ホラティウス兄弟の誓い》(1784年、ルーヴル美術館、INV.3692)を彷彿とさせる、正面向きのアーケードが描かれた背景の前で繰り広げられている。画家はまた、ボナパルトが描かれた画面の中心部に重点を置き、さらに雄々しい裸体像を多数描き込んでいる。しかし、この作品の中に見られるグロの芸術の幾つかの面は、師のダヴィッドの様式から離れ、ロマン派の美術の訪れを告げている。こうして画家は、見る者に恐怖あるいは崇高な感情を引き起こす、ペスト患者の苦悩を強調しているのだ。作品の構図は、光と影のコントラストによって作り出された大きなマッス(塊)に分けることができる。光と色彩は熱っぽく、ヴェネツィア派の偉大な画家やルーベンスの芸術を連想させる。東方趣味の絵画の先駆者でもあるグロは、人々のタイプ、衣裳や建築を入念に描写している。
作品データ
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アントワーヌ=ジャン・グロ(パリ、1771年-ムードン、1835年)
《ジャファのペスト患者を訪れるナポレオン、1799年3月11日》
1804年
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油彩、カンヴァス
縦5.23 m、横7.15 m
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1804年に注文
INV. 5064
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ドゥノン翼
2階
モリアン ロマン主義
展示室77
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
