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《ジャン・カロンドゥレの二連祭壇画》

© 2008 RMN / Jean-Gilles Berizzi

絵画
オランダ絵画

執筆:
Kazerouni Guillaume

ネーデルラント総督府の高官であったこの聖職者は、1517年に将来のカール5世に同行してスペインに赴く。おそらくその際、奉納画の一種として制作されたと思われるこの二連祭壇画は、神と聖母への信頼および死に直面した際の平常心についての教訓を含んでいる。

ホッサールトと北方ルネサンス

メヘレンで学んだヤン・ホッサールト、通称マビューズは、1508と1509年に、自身のパトロンでありフィリップ善良公の私生児であるブルゴーニュ公フィリップと共に、ローマに滞在していた。そこでは古典芸術を学び描くと同時に、当時絶頂期にあったミケランジェロやラファエッロの作品を鑑賞することが出来た。この逗留は彼の絵画の中で重要な意味を持つが、彼の作品にはファン・エイクやデューラーの様々な影響も認めることが出来る。こうして作家は、ネーデルラント絵画界において突出した存在となり、イタリア・ルネッサンスの精神・形式・主題をその地にもたらした。フランドル地方では、彼と共にイタリア趣味および新古代風様式の流行が始まるのである。ホッサールトは、大型裸体画(《アダムとエバ》)や神話主題の絵画(《ダナエ》)を描いた最初の画家の一人であった。とは言え、ホッサールトは北方絵画の伝統から離れることはなく、その点、様々な影響を受けたホッサールトの作品から、この画家を過渡期の画家と位置づけることができる。彼の作品は、力強いデッサンと、彫刻を思わせる表現力に富んだ形状によって特徴づけられる。

聖母、神の子と寄進者

ルーヴルに保管されている、個人礼拝用の作品である二連祭壇画は、肖像画と静物画、双方のジャンルにおける画家の才能をよく示している。寄進者は半身で描かれており、物思いに耽った様子で祈りの姿勢をとっている。斜め前から描かれた寄進者は、《聖母子》が同じ構図で描かれている右翼パネルの方を向いている。幼子イエスは寄進者の方を振り向いている一方、聖母は漠とした眼差しで観る者の方を向いている。三人の人物像は、黒い背景の中性的な空間の中にしっかりと据えられている。光は立体感と表情を表現するために重要な役割を果たしており、ファン・エイクやデューラーのみならず、ギルランダイオのような画家を彷彿とさせる。ホッサールトはフランドル地方の綿密で写実的な技法を、空間の中に荘重な立体感をもって据えられるイタリア的な人物像の捉え方と結び合わせているのである。

ジャン・カロンドゥレ

寄進者が描かれているパネル裏面にあるその紋章と頭文字“IC”から、この人物がジャン・カロンドゥレであることがわかる。額に書き込まれた次のような銘も、この人物をその年齢と共に示している。「REPRESENTACION DE MESSIRE IEHAN CARONDELET HAULT DOYEN DE BESANCON EN AGE DE 48 A(ジョン・カロンドゥレ閣下、ブザンソン首席司祭、48歳の像)」が、彼の素性をその年齢と共に指し示している。額の下側には、1517という年号が記されている。ブザンソン教会の首席司祭であると同時にカール5世の顧問でもあったこの高官は、この小さな携帯用ニ連祭壇画の制作された年に、皇帝とエレオノール皇女にスペインまで同行する役目を仰せつかった。ホッサールトのこの傑作は、いかなる富と権力を有する者であっても避けることのできない死と、その人間としての条件について瞑想するための図像であるように見える。右側パネルの裏に描かれた、顎の外れた頭蓋骨による見事なヴァニタス(この世の空しさを描いた絵) は、人の死すべき存在としての条件を警告しているかのようだ。当時、カロンドゥレはその栄光の絶頂にあったのである。

作品データ

  • ヤン・ホッサールト、通称マビューズ

    《ジャン・カロンドゥレの二連祭壇画》

    1517年

  • 油彩 板

    縦42.5cm

  • 1847年ヴァランシエンヌ、建築家ベルナールより取得。

    INV. 1442, INV. 1443

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ネーデルラント 16世紀前半 クエンティン・マセイス、ヨース・ファン・クレーフェ
    展示室9

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

左面額縁の下に制作年:Fait l'an 1517右面の下に署名:Iohannes Melbodie pingebat.