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《セダノ家の三連祭壇画》

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
オランダ絵画

執筆:
Kazerouni Guillaume

画家の熟年期初頭の1490‐1495年頃に制作された作品であり、連続した背景が祭壇画の空間全体を統一し、それが魅力的な刷新を成している点に注目しなくてはならない。外側の図像表現(罪人の世界:アダムとエバ、ほとんどファン・エイクの作品と言ってもよい!)と、内側に描かれた天上世界の楽園(象徴的庭園の聖母:祈りの姿勢をとった人物像、天使の配置と聖母の神聖なる懐胎を示す神の子キリストの存在)が見事な対比を成している。

原点への回帰

ヘーラールト・ダヴィッドは、15世紀後半に渡るフランドル芸術の世界で最も重要な芸術家の一人として数え挙げることが出来る。その作品には、同時代の画家たちの作品と同様、ファン・エイクやロベール・カンピンらの影響が強く表れているが、これらの画家らに対し、当時再び多大な関心が高まっていたことから、エルヴィン・パノフスキーはその現象を「進歩の芽をはらんだ懐古趣味」と呼んだ。フランドル絵画の先駆者たちに向けられたこれらの関心は同時に、当時の画家たちがメムリンクのような画家に代表される第二世代の影響から抜け出るための手段でもあった。ダヴィッドの厳粛でたくましい人物像は同時に、おそらく彼の師であったと考えられているトット・シント・ヤンスのそれを彷彿とさせている。ダヴィッドの主な作家活動はブリュージュで展開され、画家はその地で1523年に亡くなっている。メムリンクの同郷人として10年間過ごしたものの、彼からはわずかなモチーフを借用しているだけであり、《セダノの三連祭壇画》の中においてプットやイタリア風モチーフがわずかに確認されるに過ぎない。

スペイン商人のためのフランドル絵画

先人たちと同様、ダヴィッドも外国から来る注文のために何度も絵画を制作している。彼らの多くは商用でフランドルやネーデルラントにやって来ていた商人や銀行家であった。スペイン人商人であるジャン・ド・セダノはブリュージュで活動しており、そこでは当時彼の同国人のほとんどが羊毛や油の商売を営んでいた。作品には伝統的図像表現が用いられている。中央パネルは玉座に座ったファン・エイクのマドンナを彷彿とさせる聖母子を描いている。玉座は花飾りやプット(小児像)といったイタリア的な装飾で飾られている。掛け布の背後にあるバラの垣根は、「ソロモンの雅歌」から取り入れられたイメージで、15世紀のヨーロッパ芸術に普及していた。両翼は寄進者に割り当てられている。左面には洗礼者ヨハネと十字架を持った自らの息子(彼の息子はこの作品の制作中に亡くなったのではないかと考えられている)に伴われたジャン・ド・セダノが、右面には彼の妻マリアが聖ヨハネと共に描かれ、人物像の足下には記章が描き込まれている。構図の中の配置に見られるゆとりと壮大さとは、もっぱら簡略化された形によってもたらされている。作品に見られる堅固な立体感と、周囲を取り巻く空間の感覚は、ルーヴルが所蔵するダヴィッドによるもう一つの作品《祝福する主》の中ではさらに強調して表現されている。

裸体と風景

外側面には、人物像の陰影によるだまし絵の技法で背景に起伏が与えられた、わずかに奥まったニッチの中に、アダムとエバが描かれている。三連祭壇画の裏側にこの二人を描写する様式は、15世紀終りのフランドル絵画には非常に珍しく、北方絵画の中では、ヘントにあるファン・エイクによる二枚の祭壇画《神秘の仔羊》における最初の裸体の描写に続く唯一の例である。三枚の板の間で途切れることなく広がった風景は、作品の統一性をもたらす重要な役割を担っており、木々や小さな建造物によって活気が与えられている。

作品データ

  • ヘーラールト・ダヴィッド (オウデワーテル、1450-1460年−ブリュージュ、1523年)

    《セダノ家の三連祭壇画》

  • 油彩 板

    中央部:縦97cm、横72cm両面:縦91cm、横30cm

  • ブリュージュに住むカスティーリャ人ジャン・ド・セダノ(1518年死去)による注文(ヘラルト・ダヴィッド《カナの婚礼》(INV 1995)を参照)。1890年パリ、マドリッド、ガリーガによる売り立てにて取得。

    中央パネル:楽器を奏でる二人の天使の間で天上の女王の玉座に座る聖母子左翼:洗礼者聖ヨハネとジャン・ド・セダノとその息子、裏面:裸体のアダム右翼:福音史家聖ヨハネとジャン・ド・セダノの妻マリア

    R.F. 588

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    ネーデルラント 15世紀 ハンス・メムリンク、ヘラルト・ダフィット
    展示室5

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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