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《セリネット》

© 1995 RMN / René-Gabriel Ojéda

絵画
フランス絵画

執筆:
Eloy Sophie

1751年に制作された《異なる娯楽を持つ女》とも呼ばれているこの作品は、シャルダンに依頼された最初の王室からの発注品である。「セリネット」を使いながら、女性が鳥籠の中の鳥に歌を教えているところである。画家によって描かれた最後の人物像であるこの作品は、その筆づかいと同時に場面に満ちた平穏さから17世紀のオランダ絵画を思わせる。

風俗的場面

1751年にシャルダンから引き渡されたこの絵画は、白い布地の短いケープとバラ色の花が散りばめられた白絹の幅広のスカートの付いたドレスを着て、首の部分で結ばれた白い縁無し帽を頭に被った女性をブルジョワ階級の室内に描いている。女性は緑と白の縞の入った布が張られた安楽椅子に座り、膝の上に載せたセリネットと呼ばれる楽器を動かしている。左側では小型円卓の上に載った鳥籠が見受けられる。小卓には横木もしくは腕が付いており、光からカナリアを保護するための幕が取り付けられるようになっている。女性の前には書物の入った大きな鞄が刺繍器に吊り下げられている。場面が繰り広げられている室内の壁の一面には、アカデミーの学長で、王の主席画家であるシャルル=アントワーヌ・コワペルの作品に基づいて制作された版画作品が飾られている。
左側の窓から差し込む陽の光はシャルダンの技法が17世紀オランダ絵画に対する大きな評判に適応していることを証明している。さらに画家が特に秀でている白い衣服と若い女性の顔色の間の演出を伴う緑と茶色の調和が施された少々冷ややかな優美な磁器のようなマチエールが用いられている。

女性の娯楽

シャルダンはここで刺繍という本来の仕事を放棄して、鳥に歌を教えようとしている若い女性を描いている。この気晴らしのために女性が使っているのは、「一種の小さな(円筒のついた)オルガンで、カナリアに歌を教えるために用いられる」(ラヴァン=クルール、1769年8月7日、pp.500-501)セリネットである。このサロンの楽器を用いて、裕福な階級の女性たちは彼女たちが飼っている鳥籠の鳥に歌を教えるのである。実際のところ、セリネットは動物に歌わせたい旋律を必要なだけ何回も繰り返し奏でることの出来るもので、「繰り返し教え込む」ために鳥から光と全ての娯楽を遮断するのだが、この絵画の中では当然のように表現的な理由から鳥の姿も描かれている。円筒の表面に印が付けられた旋律のリズムに従ってハンドルを回すだけのこの楽器は、洗練された社会的環境の象徴であると共に、楽器というよりは娯楽のオブジェと言って良いだろう。

謎めいた注文

《セリネット》はシャルダンの作家活動が頂点を迎えていた1751年にルイ15世によって注文された。この注文の起点にはおそらくシャルル=アントワーヌ・コワペルが関わっていたものと思われ、それ故に室内の奥の壁に掛かったコワペルによる作品を基にした数点の版画作品の存在を、王の主席画家に対するシャルダンの敬意のように解釈することが出来る。シャルダンは11年前にルイ15世に《仕事にいそしむ母親》と《食前の祈り》を贈っているのだが、非常に奇妙なことに、この作品はシャルダンに依頼された最初の正式な王室の注文である。《食前の祈り》は輝かしい成功を収めているものの、王室のための注文を全くもたらさなかった。今日《セリネット》には3点の版が確認されている。ルーヴル美術館に所蔵されている作品は、王室建造物局の局長であったル・ノルモン・ド・トゥルヌヘムによって注文された。完成された作品は、王室コレクションに収蔵される代わりに新しい王室建造物局の局長であるヴァンディエール公爵の個人コレクションに収蔵された。すなわち作品は王が寵愛していたポンパドゥール夫人の兄弟への王からの贈り物であったとも考えられている。

出典

- ROSENBERG Pierre, Chardin, catalogue de l’exposition, Paris, Galeries nationales du Grand Palais, 7 septembre - 22 novembre 1999, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1985.

作品データ

  • ジャン=バティスト・シメオン・シャルダン(パリ、1699-1779年)

    《セリネット》

    1751年

  • 油彩、カンヴァス

    縦50cm、横43cm

  • 1751年、おそらくルイ15世によって発注。1985年取得。

    別称《異なる娯楽を持つ女》

    R.F. 1985-10

  • 絵画

    シュリー翼
    3階
    18世紀の風俗画
    展示室40

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

右上に署名:Chardin(および制作年の跡?)