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《タイターニアの眠り》

© 2008 RMN / Jean-Gilles Berizzi

絵画
イギリス絵画

執筆:
Odin Alice

この絵画の主題は、シェイクスピアの『夏の夜の夢』(第二幕、第二場)から取り上げられている。場面は、自らの妻タイターニアに嫉妬する妖精の王オーベロンを描いている。妻を苦しめるために、王は彼女の瞼の上に目覚めた女王が最初に見た者を恋してしまうという植物から採った魔法の花汁を垂らす。更には、鈍重で愚かな機織工のボトムが、魔法によって頭部を驢馬にさせられてしまう。演劇の最後に魔法の力は解け、全ては元の状態に戻ることになる。

眠りの魔法

この絵画は、穴倉の入り口から左側の踊る人々に至るまで螺旋を描く渦巻き、すなわち一種の豊饒の角として表現されている。周囲の環境と人物像が完全に融合された非常に密集した場面は、現実から完全に切り離された小宇宙の印象をもたらしている。
作品は蝙蝠で形作られた舞台幕によって、劇場の舞台のように表現されている。更に場面はニッチの窪みの中で展開している。この断絶的な配置によって、場面に非現実的な感覚が加わっている。ダッドは自然な風景、演劇の場面、半宗教的な場面を一括しており、作品に神秘的な要素をもたらしている。実際、タイターニアはマドンナの姿で描かれ、妖精たちの創り出す輪に囲まれ、岩で出来たニッチの中に座っている。
白色の純潔さと暗がりの神秘的な様相における色彩の対比によって表現された見事な妖精の国の様子は非常に巧妙である。環状の構図、快活な身体の魅惑、植物や花々の牧歌的な魅力によって、妖精の国を活動的に表現しようとしている。

再び世界にかけられた呪文

この作品はロイヤル・アカデミーで展示され、真の成功を収めた。
妖精という主題は、ヴィクトリア朝期の想像の世界では頻繁に登場しており、シェイクスピアの喜劇やイギリスの民族芸能は、画家に再び影響を与えるようになる。日常生活の困難から逃れられる歓喜の世界は、当時の宗教的、社会的、文化的規範を打ち破る要素ともなった。妖精画は裸体、神話の場面の官能性、田園風景、感傷的な叙述、更には文学的場面を含んだ絵画の集結を可能にした。その隆盛には、ロイヤル・アカデミーが推奨していた模範、歴史画の衰弱が起因している。

狂人の芸術

ロイヤル・アカデミーの学生であったダッドは、ウィリアム・パウエル・フリス、ジョン・フィリップ、オーガスタス・エッグ、ヘンリー・オニール、トーマス・ジョイなどが属していた芸術家グループ、Cliqueで活動した。
1840年代、ダッドは画家友達と共に中東とギリシアを旅する。《タイターニアの眠り》は、画家の作品の基本的な特徴が備わっていると言える。幻想的な世界は、小さな地の精に見受けられる既に強迫的な筆づかいと共に、再編成された文学作品の中に刻み込まれている。
ダッドは残念ながら狂気に陥って自らの父を殺害してしまい、晩年の40年間を精神病施設で過ごしたことで名を残してしまう。細部描写の重要性と、狭められた空間における装飾的な効果の混ざり合いは、後に彼が精神病院で制作する作品群の訪れを予言しており、そこで彼の作品はより一層細部の偏執へと発展していくのである。

作品データ

  • リチャード・ダッド

    《タイターニアの眠り》

  • カンヴァス、油彩

    縦64cm、横77cm

  • 1997年購入

    R.F. 1997-12

  • 絵画

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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