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《ダイヤのエースを持ついかさま師》

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
フランス絵画

執筆:
Guillaume Kazerouni

《聖トマス》と共に、ルーヴル美術館に所蔵されている、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールが昼の光を描いた唯一の作品である《いかさま師》は、カラヴァッジョ以降頻繁に取り上げられた主題を表わしている。ここでは、若い男性が、17世紀の道徳における主要な3つの誘惑、すなわち賭博、ワイン、邪淫に身を委ねている。この絵には、細部が顕著に異なる別の作品《クラブのエースを持ついかさま師》が存在する(フォート・ワース、キンベル美術館)。

1972年―ラ・トゥールが復活した年

ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの傑作で、フランス絵画の名作でもある《いかさま師》は、いくつかの理由からこの画家の作品の中でも特異な位置を占めている。ポール・ランドリーが1926年にサン=ルイ島の古美術商で購入したこの絵には、画家の美しい署名が入っており、1931年にエルマン・ヴォスが発表した論考のおかげで、深い忘却の淵に沈んでいた画家に日の光が当たるようになったのである。この点から見れば、ルーヴルが所蔵しているこの絵は、ラ・トゥールの「最初の」作品の一つである。1934年に、《いかさま師》は、「偉大なる世紀」のフランス絵画の栄光を再認識させ、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールという画家の復活を華々しく告げた、記念すべき展覧会「現実の画家」展に展示された。このときから、画家に対する熱狂的な讃美が次第に高まり、その作品に関する資料が充実するようになった。こうして1972年には、ロレーヌ地方の画家ラ・トゥールに捧げられた最初の個展が開催される。展覧会は多大な成功を収め、これを機に作品がランドリー氏からルーヴル美術館に寄贈されたのである。

剥ぎ取られる青年

4人の人物がテーブルの周りに集い、トランプ遊びをしている。彼らは、時の中で止まっているかのようである。右側では、豪華な衣裳に身を包んだ青年が自分のもち手を検討しているところである。彼は、その他の登場人物から孤立し、他の人物の間の視線のやりとりから明らかな共謀には加わっていないようである。わずかに中心の軸からずれたところに位置する一人の女性は、洗練された髪型で、襟ぐりが深く開いた衣裳を纏い、視線と身振りによって見る者を画面左側へと導いている。そこでは影の中に沈んだ別の男性が、ベルトの後ろに隠していたダイヤのエースをそっと引き出しているところである。彼と遊女の間では、侍女がワイングラスを用意している。この状況は一目瞭然と言ってよいだろう。すなわち、切り札に不自由していない遊女の手に気を取られている青年は酩酊しており、やがて左側の男によって全て剥ぎ取られてしまうのである。この絵は、ルーヴル美術館所蔵の《女占師》の対作品に当たり、フォート・ワースのキンベル美術館に所蔵されている、カラヴァッジョの絵画において導入された主題を再び取り上げている。ラ・トゥールが同様の主題を描いた絵画(ニューヨーク、メトロポリタン美術館)が、ルーヴルの作品と対を成しているが、あるいはより確実には、ルーヴルの作品の前に制作されたフォート・ワース所蔵の作品の対作品だと思われる。

20世紀との対話

ヴォリュームの単純化、奇妙な構図と主題の滑稽な側面という点において、ルーヴルの《いかさま師》は、20世紀の感受性の中にとりわけ選ばれた新たな場所を見出した。《いかさま師》の数年前に、第二次フォンテーヌブロー派の無名画家によって描かれた別の絵画《ガブリエル・デストレとその姉妹》(ルーヴル美術館)と同様、《いかさま師》は、そのマッス(塊)の扱い方でキュビストたちに影響を与え、その謎に包まれた性格でシュルレアリストたちを魅惑したであろうことを容易に想像することができる。

作品データ

  • ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(ヴィック=シュル=セイユ、1593年-リュネヴィル、1652年)

    《ダイヤのエースを持ついかさま師》

    1635年

  • 油彩、カンヴァス

    縦1.06m、横1.46 m

  • 1972年取得

    R.F. 1972-8

  • 絵画

    シュリー翼
    3階
    ル・シュウール《聖ブルーノの生涯》
    展示室24

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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