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作品 《ディアドゥメノス》型のトルソ

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

《ディアドゥメノス》型のトルソ

© 2006 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine Deambrosis

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Lepetoukha C.

このトルソは、一連の豊富な古代美術品の複製品のうちの一つである。それらは、紀元前440年から430年頃にかけてポリュクレイトスにより制作されたブロンズ像である、《ディアドゥメノス》(額の周りに細い帯を「付けた者」)の反映をうけている。ポリュクレイトスは、男性像と彼の概論『カノン』の中で自ら理論を立てた、巧みな計算方式による独自の構成に関心を持った。《ディアドゥメノス》は、ギリシア彫刻の歴史のなかの、この基本的なものの考え方の成果である。

《ディアドゥメノス》

この断片的なトルソは、その姿勢を再現することができる一連の複製品(その中でも最良のものはアテネ国立博物館に保管されている)のうちの一つである。右足に重心をかけ、左足はやや後方に置いた状態で立っている裸体の若い男性は、額の周りに勝利の細い帯を巻く競技選手のように再現される。

ポリュクレイトスとカノン

このタイプの彫像作品の中には、彫刻家ポリュクレイトスにより紀元前440年から430年頃に制作されたブロンズ像の反映がみられる。というのも文学記載事項はこの彫刻家が制作した《ディアドゥメノス》の状態を語っている。より確かな証拠は、この型と《ドリュホロス》の型との明白な類似性である。このポリュクレイトスの最も有名な作品は多彩な複製品により知られ、彼の概論『カノン』の造形的説明として伝わっている。『カノン』は紀元前5世紀中期の知識人の傾向に正に当てはまる。その当時、哲学者、建築家、彫刻家は、数の体系を駆使し、理想的な美を追求していた。ポリュクレイトスは、全ての肉体が巧みな計算により制御された、競技者の人物像を制作しながら、これらの理論を実践した。彼は均整のモデルを確立し、それは立派な流派となった。この均整は、交差する反応の方法(骨盤の線は、肩の均衡とは逆の形で反応。これをコントラポストという)、そして全てが計算された、肉体の知的な構成により確立されている。その例として、胸部のアーチは鼠径部を模るアーチに呼応し、胸部の幅は、胸と臍を隔てる距離、そして臍と性器を隔てる距離に同じである。全体の調和もまた、明快にそしてはっきりと線を引かれたまとまりにより構成された、筋肉胴鎧の平明により成り立っている。

もう一つのカノンの解釈の仕方

しかし《ディアドゥメノス》は《ドリュホリス》で表明された規則を緩和した方法を提案した。そのことから、これはカノンの変形型といえる。というのも腕を持ち上げる動作より発した動きは、縦に伸びる勢いをつくり上げ、上半身の筋肉反応を変化させる。それは肉体を鋭敏にするが、その姿勢は肩の際立った傾きにより緩和される。全体的な印象は、極めて軽快なものであり、それはアッティカ美術の影響を受けたと思わせることもできるが、とにかく《ドリュホロス》以降に制作されたことは確かである。現実の姿勢よりもよりも自然な姿は、《ディアドゥメノス》が勝利を堪能する何らかの競技者を表したものではないことを示す。その成果は、その理想化され、考え抜かれた体つきの中に造形的表現をもつ、厳格な知的研究から成る。数学的計算から再構成されたこの体は、《ディアデルメノス》を競技者の肖像ではなく、その概念とさせ、この作品を確実に非現実的なものとさせる。

出典

- LORENZ T., Polyklet, Wiesbaden, 1972, pp. 24-26.

- KREIKENBOM D., Bildwerke nach Polyklet, Berlin, 1990, n V15, p. 120, p. 192.

- ROLLEY C., La Sculpture grecque, II, Paris, 1999, p. 35.

作品データ

  • 《ディアドゥメノス》型のトルソ

    紀元440年から430年頃にポリュクレイトスにより制作されたブロンズ製オリジナル作品を元にした、ローマ皇帝時代の作品(紀元2世紀前半?)

    イタリア(?)

    イタリア(?)

  • 大理石

    高さ85cm

  • 旧カンパーナ・コレクション、1861年購入

    Inventaire Cp. 6595 (n° usuel Ma 1027)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    1階
    メルポメネのギャラリー
    展示室15

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

かつてゲルマニクスとして修復