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作品 《ディアナとエンデュミオン》

素描・版画部門 : 17世紀

Diane et Endymion

素描・版画
17世紀

執筆:
Grollemund Hélène

ザイターは、ウィーンに生れ、バイエルン地方の芸術家の下で修行したにもかかわらず、画家としては全てイタリア半島で活躍したため、イタリアの芸術家と見なされている。イタリア人画家に大いに影響を受けたザイターは、1688年以降、サヴォワ公爵のために制作した。この大きな素描は、トリノでのザイターの活躍ぶりを物語っている。この素描は、ザイターが制作したパラッツォ・レアーレの王妃の寝室の天井装飾のための準備段階の一つである。

波瀾に富んだ恋愛詩

月のように光り輝く星の上に浮かび上がった女性は、猛々しい二頭の牡鹿に引かれた凱旋車の上に立ち、天空を横切っている。この女性は左側にかがみ込み、岩に座って深く眠り込む青年を見つめている。画面下側では、2人のサテュロス―1人は身を起こし、光に目が眩んでおり、もう1人はいまだに眠り込んでいる―が、視線を主要人物へ導いている。右側では、3人のプット(裸の小児像)たちがこの騒ぎに参加し、作品に刺激を与えている。その中の1人が角笛を吹き、もう1人がそれを邪魔しているのに対し、3人目は耳をふさいでいる。このエピソードは、「ディアナとエンデュミオン」の逸話である。大変な美青年であった若き羊飼いエンデュミオンは、女神ディアナの激しい恋心をかき立て、女神はエンデュミオンと結ばれた。ディアナの願いにより、ゼウスは、エンデュミオンを永遠の眠りに就かせた。いくつかの異本によれば、この幸せな眠りの間に、女神はエンデュミオンを見て恋に落ちたという。

公爵家の装飾事業

この素描は、トリノのパラッツォ・レアーレの、今日「王妃の寝室」と呼ばれる、公爵ヴィクトール・アメデオ二世(1666-1732念)の旧寝室のために、ザイターが1693年から1694年頃にかけて制作した天井絵のための下絵である。この装飾のための準備習作の他の一枚は、ウィンザー(ウィンザー城、王立図書館)に所蔵されている。ウィンザー城の素描は、ルーヴル美術館の素描とサイズが近いが、構図はより練り上げられており、その画面下部は最終作とよく似ている。そのかわり最終作では、ディアナの人物像は、ルーヴル美術館の素描のディアナがほぼ変更なしに再び取られている。この装飾は、ダニエル・ザイターがトリノに到着して以来の大事業であった。実際、ザイターはヴェネチアで修行し、12年間近く(1670年から1682年頃)そこにいた後、ヴェローナ、次いでミラノに滞在し、ピアチェンツァ、パルマ、モデーナ、ボローニャを経て、フィレンツェに赴いた。ローマがザイターの目的であり、1688年にサヴォア公爵がザイターを公爵の宮殿の造営装飾に携わるように説得しなかったら、ザイターはおそらくローマに居を構えたことであろう。ザイターは、画家活動の最後をサヴォアの首席宮廷画家として過ごすこととなる。

コルトーナとブランディの間で

神話の親密で牧歌的な内容とは逆に、ここでザイターは、物語をダイナミックな行為として構想した。場面は仰視法に基づいて描かれ、構図は、全空間を占める対称的な軸線と動きに沿って構成されている。ここでザイターは、ピエトロ・ダ・コルトーナの影響を受けた、ローマ・バロックの仰視法に基づいた装飾の系譜に位置している。また、ザイターの様式は、ジャチント・ブランディにも多くを負っている。実際、サヴォア公爵とそのローマの代理人は、1687年に二人の芸術家を選ぶ際に、主要な関心事の一つを明らかにしている。それは、とりわけ2人の画家が、ブランディの手になる「スタンッャ・デレ・カメリステ」(侍女の間)の中央の絵画を取り囲む絵画作品を描かなければならないということで、これらの絵画はブランディの作風と調和が取れていなくてはならなかった。ザイターは、この条件を満たすことに成功したのである。

出典

- KUNZE Matthias, Daniel Seiter (1647-1705) : Die Zeichnungen, cat.exp. Salzburg, Barockmuseum, 1997, n 35

- POUNCEY Philip, "Two Studies by Daniel Seiter for Ceiling Paintings in Turin", in Master Drawings, vol. V, n 3, 1967, pp. 286-288

- STARCKY Emmanuel, Inventaire général des dessins des Ecoles du Nord : Ecoles allemande, des Anciens Pays-Bas, flamande, hollandaise et suisse XVe-XVIIIe siècles. Supplément aux inventaires publiés par Fritz Lugt et Louis Demonts, Paris : RMN, 1988, notice 52

作品データ

  • ダニエル・ザイター(ウィーン、オーストリア、1647年-トリノ、1705年)

    《ディアナとエンデュミオン》

    1689-1693/1694年

  • 黒チョークによる下絵と灰色がかったベージュ色の紙にペン、褐色インク、白のハイライト

    縦0.350 m、横0.247 m

  • ルイ=アントワーヌ・プラ・コレクション、1984年12月5日にパリで競売(48番)、1986年に取得

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

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休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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