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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《ネッソスに略奪されるデイアネイラ》

《ネッソスに略奪されるデイアネイラ》

© 1997 RMN / Gérard Blot

絵画
イタリア絵画

執筆:
Alfandari Agnès

オウィディウス(『変身物語』9章、101-134)によると、ヘラクレスはアケロオスを破った後にデイアネイラを娶る。エウエノス川を渡るために、ヘラクレスは彼女をケンタウロスのネッソスに託すのだが、姫に心を奪われたネッソスは、彼女を掠奪しようと試みる。しかしヘラクレスはヒュドラの血を塗った毒矢でケンタウロスを射抜くのである。

ヘラクレスの物語

この見事な神話画の主題は、オウィディウスの『変身物語』から引用されている。ケンタウロスのネッソスがヘラクレスに彼の妻デイアネイラを川の向こう岸に渡そうと申し出る。こうして川の流れの中に遠ざかったネッソスは、若い妻を掠奪しようとする。罠に気付いたヘラクレスは、直ちに矢を放ってネッソスに傷を負わせ、死に至らしめるのである。
画家はここで掠奪の場面を強調している。背景右側の向こう岸に残ったヘラクレスは、画面の極僅かな場所を占めているに過ぎない。全ての注意はケンタウロスの逞しい体つきの緊迫感へと集中している。勝ち誇った顔つきに見られる大胆さは、デイアネイラの恐怖との対照を成している。人物像の腕の位置は、場面に力強さをもたらし、それはさらにまばゆい色調の衣服の襞の動きによって強調されている。

古典主義とバロックの綜合

1614年に最終的にボローニャに落ち着く以前、12年間に渡ってグイド・レーニはローマで活動している。永遠の都で画家はラファエッロや古代の彫像作品をじっくりと研究する。ケンタウロスのネッソスの上半身に見られる力強い描写は、解剖学的な細部の緻密さと同様に、これらの作品から画家が受けた影響を物語っている。一方で、組み合わされた人体のねじれ、誇張されたしぐさや、襞のある衣服のしなやかなリズム感は、画家によるバロック様式の精力的な研究を示唆するものである。
1620年代以降、画家は、作品中央の二人の人物像が物語っているような、より一層豊かな表現力を目指すようになる。強烈であると同時に優美な色彩は、ますます非現実的な光に満たされている。グイド・レーニは、古典主義とバロック的色彩との綜合を示すことによって、近代における最大の画家として名を連ねることになるのである。

ゴンザーガ公爵の栄光のために

この絵画は、ヘラクレスの物語から引用された4つの場面を描いた連作の一つであり、連作は1617年にグイド・レーニに注文され、1621年に完成した。この連作はおそらくフェルディナンド・ゴンザーガ公がマントヴァ近郊に建立させたヴィッラ・ファヴォリータの部屋のひとつを飾っていたと思われる。連作は、英雄ヘラクレスの力と勇気という寓意によって、ロンバルディア地方の高名な一族の権勢を称揚するためのものであった。4点の絵画は多大な成功をもたらした。イギリス国王チャールズ5世のコレクションに加えられた後、1662年にルイ14世に売却されている。その後連作はヴェルサイユ宮殿の玉座の間を飾った後、王の居室に掛けられていた。

作品データ

  • グイド・レーニ(ボローニャ、1575-1642年)

    《ネッソスに略奪されるデイアネイラ》

    1617-1621年

    ヘラクレスの物語を描いた4点の絵画(INV.535, INV.536, INV.537, INV.538)が、マントヴァ近郊のヴィッラ・ファヴォリータの一室のために、マントヴァ公フェルディナンド・ゴンザーガによってグイド・レーニに注文されている。

  • 画布に油彩

    縦2.39、横1.93m

  • イギリス国王チャールズ1世コレクション、エヴァーハルト・ヤーバッハ・コレクションを経た後、1662年にルイ14世によって取得。

    INV. 537

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    グランド・ギャラリー 17世紀前半のボローニャとローマの絵画
    展示室12

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

現在の額縁は1784年にフランソワ=シャルル・ビュトーによって注文されたもの。