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《バティ・デュルフェ礼拝堂祭壇 踏段装飾》

© 2000 RMN / Martine Beck-Coppola

工芸品
ルネサンス

執筆:
Marie-Laure de Rochebrune, Édith Paillat

この270個のタイルからなる装飾一式は、バティ・デュルフェ城(ロワール県)礼拝堂の祭壇の踏段を飾っていたものである。制作の注文は、ルーアンの釉陶職人マセオ・アバケーヌに対して出された。装飾モチーフは、ローマのネロの「黄金の家」で15世紀に発見された古代のフレスコ画に着想を得たラファエッロによる図柄を踏襲したものである。16世紀半ばのこの作品は、イタリアの芸術家らによってフランスで広められた釉陶工芸の歴史の重要な画期をなす作品である。

バティ・デュルフェ

フォレ地方(ロワール県サン・テティエンヌ・ル・モラール市)にあるバティ・デュルフェは、アンリ2世の子らの養育掛であったクロード・デュルフェ(1501年-1558年)のお気に入りの居城であった。クロード・デュルフェは、『アストレ』の著者、オノレ・デュルフェの父である。1546年から1551年にかけて5年間近くイタリアに滞在した後、クロードはフォレの城館を新しい様式で装飾し直すが、それにより、フランスにおけるイタリア文化の重要な前哨が築かれることになるのである。

礼拝堂

この巨大な建造物の礼拝堂は、クロード・デュルフェによって注文された建築物装飾として最も有名なものの一つである。というのも、その大胆な造りは、そのきわめて独特な装飾のための格好の枠組みをなしているからである。円天井には多色塗りおよび金の化粧漆喰が施され(作品は現場保存)、壁の上部分はローマのマニエリスム画家ジェローラモ・シチョランテ作のキャンヴァス画(作品は現場保存、パリ装飾美術館による寄託)で飾られており、下部分は、フラ・ダミアーノ・ダ・ベルガーモによって寄せ木細工および彫刻が施された、板張り(ニューヨーク、メトロポリタン美術館)造作(ぞうさ)となっている。床は、約2,800枚の釉陶器タイルからなり、今日ではそれらは多数の公共コレクション(特にエクアン、グルノーブル、リヨン、ルーアン、セーヴルなど)や個人蔵コレクションへと分散している。この床は、1557年9月22日ルーアンで残された記録によれば、当地でマセオ・アバケーヌに対し注文がなされたもので、制作料は559リーヴル・トゥルノワであった。

グロテスク・モチーフ装飾

床のタイルとは異なり、祭壇の踏段は、白地に描かれたグロテスク様装飾が特徴である。これは、ヴァチカンのロッジアのためにラファエッロが制作した絵柄を採り入れたものであり、ラファエッロ自身、ローマのネロの「黄金の家」で15世紀に発見された古代のフレスコ画から、その着想を得ている。16世紀中頃のフランスにおける装飾美術できわめて広く用いられたこのモチーフは、同時代のイタリアのマジョリカ陶器工房(例:ウルビーノ)でも同様に用いられた。青、緑、黄が支配的な色調の高温焼成の釉(うわぐすり)で描かれた、幻想的な鳥、胸像柱、天蓋、垂れ布などが、飾り枠の両側に対称的に配置されており、飾り枠の中には1557年の年号が記されている。楽器を奏でる翼をもった人物像や、楽器を組み合わせた飾り文様が、流れる音楽を連想させる。両側の二枚のパネルには、庭園のブドウ棚の下に描かれた擬人像が配され、その上には「シノッキオ」(教皇パウロ4世の天蓋)がかざされている。擬人像は、「信仰」(右手)および「正義」(左手)であり、1550年にデュ・セルソーによって彫られた一連の版画《グロテスク》から直接着想を得たものである。

出典

- BALLOT Marie-Juliette, Musée du Louvre, La Céramique française. Bernard Palissy et les fabriques du XVIe siècle, Paris, Éditions Albert Morancé, 1924, p. 16-17, pl. 16-18.

- ENNES Pierre, Musée du Louvre. Département des objets d'art, Céramique du Moyen-Age et de la Renaissance, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1983 (Petit guide des grands musées 91), p. 16.

- Claude d'Urfé et la Bâtie, Allard (Loire), Catalogue d'exposition, 1990.

- Louvre. Guide du visiteur. Les Objets d'art. Moyen-Age et Renaissance, Paris, Editions de la Réunion des Musées nationaux, 1994, p. 125.

- DURAND Jannic, Le Louvre : les objets d'art, Paris, Éditions Scala, Editions de la Réunion des Musées nationaux, 1995, p. 70.

- Les Collections du Louvre, Paris, Editions de la Réunion des Musées nationaux, 1999 (Collection Anthologie des collections), p. 236.

作品データ

  • 《バティ・デュルフェ礼拝堂祭壇 踏段装飾》

    1557年

    ルーアン、マセオ・アバケーヌ製作所

  • 釉陶器、高温焼成による釉(うわぐすり)装飾

    幅3.26 m、奥行き1.84 m および 0.54 m

  • 1880年、ブルドレー両氏(父・息子)による寄贈

    OA 2518

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    アンリ2世
    展示室22

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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