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作品 《フラスカティの眺めに想を得た風景》

絵画部門 : フランス絵画

《フラスカティの眺めに想を得た風景》

© 1990 RMN / René-Gabriel Ojéda

絵画
フランス絵画

執筆:
Pomarède Vincent, Séverine Laborie

ミシャロンがローマのフランス・アカデミーに寄宿生として滞在していた際にイタリアで描いた素描をもとに、アトリエで制作した作品で、自然の理想的で詩的な光景を描いている。サルタレッロ(3拍子系のイタリアの快活な大衆舞曲)のための伝統的な衣裳に身を包んだイタリアの農民が、時間を超越したアルカディアを思わせる風景に、陽気で趣のある調べをもたらしている。ここでは写生された自然は、古典的風景画の伝統に則って、人々の営みと調和を取りながら作品の中で再構成されている。

現実の自然、再構成された自然

絵画の標題《フラスカティの眺めに想を得た風景》から、ここに描かれているのが、絵画の法則に従って厳密に配置された自然であることが明確に分かる。画家は、岩と木の幹で構図の両側を固定して、伝統的な「ルプソワール」(他のものが遠くに見えるように前景に施された濃い色調)の手法を用い、光溢れる林間の空き地に、踊り子たちが生き生きと舞う人工的な光景を作り上げた。樹木の華奢なシルエットが、紺碧の空にくっきりと浮かび上がり、建物の線と丘陵の曲線によってアクセントが付けられた水平方向に広がる背景へと導いてゆく。しかし、樹皮や岩、水流の描写に認められる細部の写実性から、画家が自然を直に熱心に観察したことがうかがえる。実際ミシャロンは、4年間に渡るイタリア滞在の際に直に写生した100点ほどの習作をもとに制作した。この修行時代に画家は観察力を養い、師であるヴァランシエンヌの助言に従って、「人々の衣服や習慣に関する覚え書き」を書き留めていた。

歴史風景画と田園風景画

ミシャロンの芸術の神髄は、自然の写実的な描写と想像力による自然の再構築との間の的確な均衡にある。それによってミシャロンは、17世紀にクロード・ジュレとニコラ・プッサンが見事に体現した、歴史的風景画の名高き伝統の系譜に属しているのだ。ミシャロンは、クロード・ジュレとプッサンのように、風景を再構成し、組立て、バランスを取り、また英雄を描いた場面の背景となる風景(《ロランの死》(INV.6632)、《ケンタウロスを追うテセウス》(INV.2580))を描くことによって、風景画という芸術を歴史画の位置にまで高めている。こうした歴史的風景画は、1820年代にレモン(《カルロマン》、INV.7409)やビドー(《プシュケとパン神》、INV.2580)といった画家によっても描かれている。しかしミシャロンは、とりわけ素晴らしい光の感覚によって風景により暖かみを与えており、その点でロイスダールやベルへムといった北方の風景画家に負うところが大きい。
とは言え、ミシャロンの作品が、18世紀絵画やジャン=ジャック・ルソーの前ロマン主義からの影響を多大に受けていることも確かである。こうした理念のもとに、ミシャロンは、この作品に見られるように、牧歌的で時間を超越し、時にある種ピトレスクな自然を称えることが唯一の主題である田園風景画を描いている。

ミシャロンとコローの受容

コローと全く同世代のミシャロンであるが、肺炎によって26歳という若さでこの世を去ったため、コローの輝かしい画業を知ることはなかった。非常に若い時からサロンに出品し、第一回目の歴史的風景画のローマ大賞を受賞、政府の注文を受け、《フラスカティの眺めに想を得た風景》は生前にルイ18世が購入し、自身のアトリエを25歳という若さで開くという、大変前途有望なデビューであったにもかかわらず、1930年にルイ・ド・クロワ皇女によってルーヴル美術館に27点の習作が寄贈され、画家に対する関心が再び高まらなければ、ミシャロンはおそらく忘却の淵に沈んだままであったろう。
ミシャロンの中に宿る自然に対する感情は、1822年にミシャロンのアトリエに短期間滞在したコローの芸術の中に、そのきわめて明確な反響が認められる。コローのこの時代の幾つかの「思い出」は、《ウエルギリウス風の踊り》といった作品のように、自然の中に人物像を溶け込ませようとする同様の美学に基づいており、そこには野外制作の経験と古典的風景画の詩的な夢想とを総合しようという同様の探究が見られる。 

出典

- Michallon, Exposition-dossier du département des Peintures et du département des Arts Graphiques, V. Pomarède, B. Lesage, Ch. Stefani, ed. Paris, RMN, 1994.

作品データ

  • アシル=エトナ・ミシャロン

    《フラスカティの眺めに想を得た風景》

    1822年

  • 油彩、カンヴァス

    縦1.27 m、横1.71 m

  • 1822年サロンにて取得

    INV. 6633

  • 絵画

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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