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作品 《フランス国王ルイ14世の胸像を「フランス」に示す健康の神》

彫刻部門 : 17-18世紀のフランス

《フランス国王ルイ14世の胸像を「フランス」に示す健康の神》

© 2009 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

このニコラ・クストゥによる王立絵画彫刻アカデミー入会作品は、病から健康を回復したばかりのルイ14世の栄光の寓意である。主題とそのデッサンを課したのはル・ブランだが、大トリアノン宮で働いていた時のクストゥのこの作品は、彫刻家の実力に価いするものではない。6年間もかかり、入会有資格者リストから消却されもしたが、1693年にやっと作品を提出した。

ルイ14世の栄光の寓意

この浅浮彫寓意作品の中央を占めるのは、台座上のルイ14世の胸像である。左側には、怪獣を退治したアポロン神姿の健康の神が、打ち負かした竜の上に立つ。自分のマントで胸像を包み込み、病を表す大雲の幽霊から王を守るかのようである。王の右側にいる冠を戴いた若い女性は、百合の花の紋章の杖を携えており、フランスを擬人化している。女性は若い神に感謝の眼差しを向けている。これは1687年の王の治癒を直接的に暗示したものである。

入会作品への厳しい規制

ニコラ・クストゥは、1687年のローマからの帰国後間もなく、王立絵画彫刻アカデミー入会を志願し、入会資格を得た。入会作品は大理石の浅浮彫で制作するものとされ、画家のル・ブランが課題を決め,その上デッサンも課した。テーマは、ジャック・プルー作《「絵画」に王のメダイヨンを見せる「彫刻」(1682年、ルーヴル)またはジャン・ルスレ作《王ルイ14世の栄光を賞賛する「詩」と「音楽」》(1686年、ルーヴル)のように、ルイ14世を讃える寓意場面シリーズの一つである。王が最近健康を害したことから、クストゥはその回復を祝福しなければいけなかった。
アーティストはヴェルサイユの大トリアノン宮の造営工事で多忙だったし、全く自由が与えられていない構図には多分情熱が湧かなかったのであろう。大理石作品は、度重なる期限の繰上げにもかかわらず、時間通りには完成せず、有資格者リストから消されしまった。1693年には再認可され、同年8月29日に入会を果たしている。

失望させる作品?

アカデミー入会規定に従ったものの、作品は彫刻家の実力に価するものではない。空間表現に欠陥があり、第一景にアポロンを置き、王の胸像はその後ろの第二景(腰部に巻き付く布襞は像の台座の前に落ち、レリーフの厚みは「フランス」と同じ)である。王をマントで保護する身振りのアポロンは、胸像と同位置か胸像より僅かに後ろに位置するべきである。この神の姿には、明らかに、ルネッサンス以来、芸術の中で理想美とされてきた古代彫刻《ベルヴェデーレのアポロン》(ヴァティカン)を参照にしている。だが、クストゥのアポロンは、足のプロポーションや姿勢が不正確で、その上、神は竜の上で無重量のようである。入会作品、また王の栄光を謳う作品にしては、細部の仕上げが不十分なのにも驚かされる。王の胸像は丁寧な仕上げではなく、竜の表現も説得力に欠ける。しかし、見事な所もあり、「フランス」の姿は柔軟で優雅な仕上げである。薄いレリーフで描かれた大雲と幽霊は、その触知できない性質と遠ざかっていく様子が良く表れている。

出典

- SOUCHAL François, Les Frères Coustou, Paris, 1980, p. 25-27.

作品データ

  • ニコラ・クストゥ – リヨン1658年-パリ1733年

    《フランス国王ルイ14世の胸像を「フランス」に示す健康の神》

    1693年

    1693年アカデミー入会作品

  • 大理石

    高さ90cm、幅75cm、奥行き10cm

  • 1793年8月アカデミーコレクションより革命時接収、恐らく1849年にルーヴル収蔵

    又は《王の治癒を想起するアレゴリー》

    M.R. 2735

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    ジラルドンの地下展示室
    展示室20

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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