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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《フランス王聖ルイと小姓》
作品 《フランス王聖ルイと小姓》
絵画部門 : スペイン絵画
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《フランス王聖ルイと小姓》
© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier
絵画
スペイン絵画
フランス王聖ルイが王家の権力を表わす持物を手にしている。しかし王の聖性は物憂げな表情と控えめな人物像に活気をもたらしているオレンジ色がかった布地でしか暗示されていない。グレコと同時代のスペイン画家たちの作品に非常に近い容姿を携えており、作品はトレドの画家による最も現実的な作品のひとつである。近年の修復によって、絵画の下には画家を迎え入れた街の風景が描かれていることが分かっている。
肖像画、もしくは聖人の肖像?
フランス王聖ルイ(1214-1270)が、白百合のついた王冠とかつて十字軍に参加したことを喚起している金銀を象眼した甲冑を身に付けている。両手には、裁きの手と白百合のついた笏といった王家の権力を示すその他の持物を持っている。エル・グレコは長い手のある引き伸ばされた体つきとやせ細った顔つきを聖人にもたらしている。聖人には光輪がなく、そのしぐさは瞑想には陥っておらず、厳粛で物憂げに観衆をしっかりと見つめている。この表情とオレンジ色の布地がなければ、聖人の肖像ではなく、一種の肖像画の前にいるかのような印象に我々は陥る。王の傍らでは可愛らしい小姓が王の兜を手にしている。高台に載った柱は背景の右側を占有している。近年の修復によって、左側に荒れ模様の空と半分掻き消された風景が描かれていることが判明し、風景はアルカサールと聖堂の尖塔が見えるトレドの光景と思われる。カスティーリャ王アルフォンス8世の孫にあたるフランスの君主は、1620年頃にトレドで制作されたルイス・トリスタンの《施しを与えるフランス王聖ルイ》(ルーヴル美術館所蔵)が証明しているように、スペインで非常に知られていた。17世紀までスペインには聖王の例がなかったのである。
聖人崇拝
1590-1597年の間にトレドで制作されたこの作品は、画家の遺言を将来作成することになるルイス・デ・カスティーリャの注文と考えられており、彼は自らの守護聖人を描いた作品を手に入れたかったものと思われる。これは反宗教改革が聖人に対するカトリック信者の崇拝を強調したことにも起因しており、エル・グレコは特に使徒やアッシジのフランチェスコといったこれらの聖人たちの肖像の注文を数多く受けている。クレタ島出身(通称名はここに由来している)の画家は、10数年間イタリアに滞在して修行を積んだ。その頃ヴェネツィアのティツィアーノのアトリエやローマのマニエリスムの画家たちとの交わりがあった。エスコリアル宮殿の建築現場に魅了されて、1577年に彼はスペインを訪れ、トレドに定住し、その後1614年の死までそこに留まることになる。
現実性と将来を見越した画家
この作品は、16世紀末のグレコの典型的な様式の特徴が備わっている。画面配置はヴェネツィア派の肖像画に似通っており、腿半分までの身体が風景と建造物のある背景から浮かび上がっている。この肖像画における控えめな構図には、斜めにかけられた布の奇妙な形状とグレコの将来を見越したマニエリスム的様式に典型的な雲によって活気がもたらされている。画家はここで、1587年に《オルガス伯爵の埋葬》(トレド、サント・トメ聖堂)で描いたようなカスティーリャ貴族の様相を王に与えている。傍らの子供は、画家の息子のホルへ・マヌエルであると思われる。聖人の甲冑は見事な写実性で捉えられており、布地と空のぼかしと対照的である。甲冑の黒と金と同様に小姓の衣服の白色が洗練された色彩を作り上げている。最後に、画面全体に暖かみをもたらしている布地のオレンジ色は、ヴェネツィアにおける修行時代の名残と考えられる。
出典
- GERARD POWELL Véronique, in Écoles espagnole et portugaise, catalogue du département des peintures du musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 2002, pp. 118-123.作品データ
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ドメニコス・テオトコプーロス、通称エル・グレコ(カンディア、1541年-トレド、1614年)
《フランス王聖ルイと小姓》
1590-1597年の間
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カンヴァス、油彩
縦1.20m、横0.96m
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1903年取得
R.F. 1507
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ドゥノン翼
2階
ムリーリョ スペインの黄金期 16‐17世紀
展示室26
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
