Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《フランツ・ラングの左横顔の肖像》

作品 《フランツ・ラングの左横顔の肖像》

素描・版画部門 : 18世紀

Portrait de Franz Lang, de profil à gauche

素描・版画
18世紀

執筆:
Grollemund Hélène

ミュンヘンの宮廷画家であったヴィルヘルム・フォン・コーベルは、「シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)」の運動によって促されたゲルマン的感性の復活の一翼を担った。この沈思黙考する「友人フランツ・ラング」の肖像は、その大胆な構図によって、とりわけ印象的にこの運動を物語っている。

親密さと闊達さ

胸像として描かれた人物は、読書に没頭しているかのように前かがみになっている。この人物は素描家の存在に気づいていないように見え、素描家はこの人物をどうやら無頓着な瞬間に捉えたようである。写生に基づくと信ずるに足るこの闊達な習作は、人物像に対する、また素描の修練に対するコーベルの関心を示している。この習作は、家族や友人の肖像というヨーロッパの伝統、とりわけフランスの伝統にくみするものだが、コーベルはこうした影響を越え、観者を考慮に入れない、ほとんど内密な、と言ってよい状況を描き出している。この構図によって、紙葉の裏側の書き込みによって特定される、この男性の心理的な真実と造形的な正確さが強調されている。

ミュンヘンの宮廷の2人の友

フランツ・ラング(1751-1816年)は、同時代人のコーベルと同様マンハイムの出身である。マンハイムの宮廷の交響楽団のトロンペット奏者であったラングは、おそらく1778年にミュンヘンに住み着いた。ラングは、ミュンヘンの宮廷音楽家になり、1816年にこの街で歿する。1792年にミュンヘンの宮廷画家に任命されたコーベルは、1793年になってやっとミュンヘンに居を定めたが、その楽団をとりわけ高く評価したようで、他にもメンバーの素描の肖像画を描き、1797年夏にはバイエルン地方を一緒に旅している。音楽家と劇役者は、若い頃からコーベルの友人であった。コーベルの家族は、すでにマンハイムで、その文化的に栄えた生活ゆえに、プファルツ選帝候の宮廷に滞在していた芸術家たちと密接で家族ぐるみとさえいえる親交を結んでいたのである。

確固とした肖像画家

戦争画と風景画を得意としたコーベルは、同時代人に高く評価された。ゲーテは、この多作な芸術家の素描を多数所蔵しており、バイエルンのルートヴィヒ1世付の医者であったヨーハン・ネポムク・リングザイス(1785-1880年)は、回想録の中で「コーベルは、一日中デッサンした後、毎晩白紙の素描帳を取り出し、さらにデッサンで覆いつくした」と伝えている。コーベルが1786年から1795年にかけて制作した人物習作や肖像習作からは、コーベルがその当時最も才能豊かな肖像画家であったことがうかがえる。ここでコーベルは、黒チョークとサンギーヌを巧みに駆使し、音楽家の顔つきを専ら描き出している。この素描は、1794年頃の作とされ、人物の衣裳もそれを裏付けているようである。激しい気性を秘めつつ瞑想にふけっている人物の分析が、控えめな中にも自由な描写に結び付けられている様は、同時代の他の2人の肖像画家ゴットフリート・シャドとヨーハン・ゲオルク・フォン・ディリスを思わせる。後者のディリスは、ミュンヘンで活躍し、コーベルと直接の関係は明らかになっていないにせよ、同時期に多数の素描の肖像画を制作した。それでもこの2人の画家は、風景画家であること、それぞれの初期に同じ技法を用いて家庭的肖像画を専ら制作したことといった、いくつかの共通点を持っている。両者の違いは、何よりもまず描く人物の選択に見られる。ディリスとは逆に、コーベルは取り巻きのブルジョワや貴族をとりわけ好み、彼らがより親しく打ち解けているように描き出したのである。

出典

- WICHMANN Siegfried, Wilhelm von Kobell : Monographie und kritisches Verzeichnis der Werke (Münchner Forschungen zur Kunstgeschichte), Munich, 1970, n 254.

- STARCKY Emmanuel, Inventaire général des dessins des Ecoles du Nord : Ecoles allemandes, des Anciens Pays-Bas, flamande, hollandaise et suisse XVe-XVIIIe siècles. Supplément aux inventaires publiés par Frits Lugt et Louis Demonts, Paris, RMN, 1988, notice 42.

作品データ

  • ヴィルヘルム・フォン・コーベル

    《フランツ・ラングの左横顔の肖像》

    1794年頃

  • 黒チョークとサンギーヌ

    縦0.246 m、横0.193 m

  • 1967年12月5-6日にミュンヘンのカール・ウント・ファーバーでの競売(409番)、個人蔵。チューリヒのマリアンネ・ファイヒェンフェルトS.A。1986年に取得

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する

作品の補足情報

裏面に別人の手になるペンと褐色インクによる書き込み:Freund Franz Lang