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《プシュケとアモル》

© 2001 RMN / Gérard Blot

絵画
フランス絵画

執筆:
De Vergnette François

若い王女プシュケが、彼女には姿が見えないクピド、すなわちアモルから初めての接吻を受けて、驚き、動揺しているところである。ここに描かれている古代神話は、愛の物語であるだけでなく、形而上学的な寓意でもある。すなわちプシュケは、人間の魂を典型的に表わしている存在なのである。1798年に元々ダヴィッドの弟子であったジェラールによって描かれたこの作品は、官能性の表現やある種の形態の抽象化へと向かいつつあった、新古典主義のその後の展開を物語っている。

愛の物語と形而上学

ヴィーナスの嫉妬を買ってしまうほどの美貌の持ち主であるプシュケに、女神の息子クピド、すなわちアモルが恋をした。ジェラールは、神である恋人の姿を見ることが出来ない少女の額に、初めての接吻を捧げるアモルを描いている。驚き動揺したプシュケは、恥じらいながら露になった胸の上で両腕を組んでいる。こうして彼女の中で初めての恋心が生まれたのである。
2人の恋人たちには、この後オランピアでの婚礼に至るまで、様々な波乱が待ち受けていた。この神話は、ラテン著述家アプレイウスによる物語『黄金の驢馬』、さらにジャン・ド・ラ・フォンテーヌによる『プシュケとクピドの愛の物語』の中で語られている。この物語は、古代から新古典主義時代に至るまで実に多くの作家を魅了し、その主題は特に新古典主義において大変な人気を博した(カノーヴァによる《アモルとプシュケ》、プリュードンによる《プシュケの誘拐》(ルーヴル美術館)など)。プシュケがギリシア語で「魂」を意味することからも、これは愛の物語であるだけでなく、形而上学的な寓意でもある。こうしてジェラールが描いた場面は、人間の魂と神の愛の結びつきという、ネオ・プラトニズムのテーマを象徴しているのである。さらに画家は、ギリシア語で同じく「プシュケ」と読んで魂を象徴する蝶を、少女の頭上に描き込んでいる。

「プリミティフ派」によって称賛された作品

ジェラールは、この絵を制作した当時、ダヴィッドのアトリエで学んだばかりの若い画家であった。作品は1798年のサロンに出品されたが、評価は一様に良いものではなかった。多くの人々は、この作品に見られる新古典主義の変貌ぶりに戸惑ったのである。一方で作品を熱烈に賛美したのは、ダヴィッドの弟子たちで「プリミティフ派」と呼ばれた、アルカイック美術を称賛する画家たちであった。プリミティフ派に近かったアングルは、この絵がフランス派の最も美しい作品の一つであると評価している。しかしながら、ジェラールの真の成功は、後に皇帝の宮廷において肖像画家に任命されることによって、初めて訪れることになる。

自然の風景の中に描かれた素焼きの小像

ジェラールが取り上げたプシュケの神話における2つの側面から、この絵の複合的な性格の説明がつく。この作品には冷ややかさと官能性の繊細な融合が見てとれ、それは5年前にカノーヴァが制作した彫刻群《アモルとプシュケ》の中にも見受けられる。ジェラールの作品に描かれた2人の人物像に見られる官能性は、裸体描写と、それ以上にアモルのポーズからもたらされている。身体の洗練され単純化された形態からは、一種の冷ややかさが漂っている。アングル(《ヴァルパンソンの浴女》、1808年、ルーヴル美術館)以前に、ジェラールは輪郭線を抽象化し、「磁器を思わせる」絵肌で描くことにしたのである。こうして《プシュケとアモル》は、《ホラティウス兄弟の誓い》(ルーヴル美術館)に見られるダヴィッドのモニュメンタルな様式からはほど遠い、古代のカメオの人物像もしくはセーヴルの素焼きの小像といったものと比較された。象牙色の肌を持つこれらの人物像は、同じく純化された青と緑の風景が描かれた背景の上にくっきりと浮かび上がっている。

出典

- LANG Paul, Regards sur Amour et Psyché à l'âge néoclassique, catalogue d'exposition, Carouge, musée, 1994, Zurich, Institut suisse pour l'étude de l'art, 1994, p. 101-105.

- MICHEL Régis, "L'art des Salons", Aux armes et aux arts. Les arts et la Révolution 1789-1799, Paris, Adam Biro, 1985, p. 75-76.

作品データ

  • フランソワ・ジェラール(ローマ、1770年-パリ、1837年)

    《プシュケとアモル》

    1798年

  • 油彩、カンヴァス

    縦1.86 m、横1.32 m

  • 1822年取得

    INV. 4739

  • 絵画

    シュリー翼
    3階
    ヴィアン
    展示室53

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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