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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《ヘラクレスの神格化》

Apothéose d'Hercule

素描・版画
17世紀

執筆:
Chabod Christine

この素描は、並外れて質が高く、ル・ブランが人物と動物を大胆に配置した仰視法に基づく構図が人目を驚かす。この作品は、ランベール邸館の装飾のための習作である。ル・ブランが参加したこの最初の大きな装飾事業は、後にル・ブランがヴェルサイユ宮殿で展開することになる装飾事業の野心を示している。

威信をかけた装飾事業

パリのサン=ルイ島の先端に位置する邸館は、1641年から1644年にかけて、国王の顧問兼国務卿であったジャン=バティスト・ランベール・ド・トリニーのために建築家ルイ・ル・ヴォーによって建てられた。1644年にジャン=バティストが歿して、邸館は弟のニコラ・ランベール・ド・トリニーのものとなり、このニコラが室内装飾の重要な事業に取りかからせたのである。ニコラは、若くして輝かしい成功を収めたウスタッシュ・ル・シュウールに「愛の間」の装飾を、ル・ブランには3階の回廊の装飾を依頼した。この回廊の装飾がいつ完成したのかははっきりしていない。ル・ブランは、イタリアから帰国してまもない1650年からこの事業に取りかかった。この事業は、ヴォー=ル=ヴィコントの邸館装飾事業で中断されたりしながら、足かけ12年ほどに渡って時折中断しつつ続けられた。

ヘラクレスの神格化

この素描は、ヘラクレス伝説を描く装飾画事業のための準備習作のシリーズの一環であり、邸館の回廊のアーチ型穹窿(きゅうりゅう)の先端の部分を占める《ヘラクレスの神格化》のための仰視法に基づく作品の習作である。この作品の正確なテーマは、1718年にB・ピカールとM・ポールがこの装飾全体を描写した版画集の図版の解説文によって知ることができる。この解説文によれば、「そこには、火葬檀上で死すべきものを全て焼き尽くした後、神々の仲間入りをするために天上に昇るヘラクレスの姿が見られる。ヘラクレスは、ミネルヴァあるいは知恵の神が導く凱旋車に乗り、ペーメー(「名声」の女神)に先導され、栄光に包まれている。」大きな雲から出たヘラクレスは、凱旋車に仁王立ちとなり、左側に向かって進んでいる。鎧を身に着け兜をかぶったミネルヴァが、いななく四頭の馬を御している。下絵の線は、他にも飛翔する人物がいたことを暗示している。

構図の巨匠

きわめて完成度の高いこの素描は、とりわけイリュージョン的な効果を使用し増幅させる点においてイタリア美術の影響の跡をとどめており、こうして実際より穹窿を高く見せている。ソット・イン・スー(仰視法)のイリュージョニスム(錯視効果)は完全であり、こうした効果はヴェルサイユ宮殿の「大使の階段」の天井装飾にしか見出せない。ル・ブランは、この素描ですでに、その後の画業を通じて表現される奔馬への好みと動物画家としての才能を発揮している。馬は、雲に乗ってギャロップで駆け込み、欄干を飛び越えようとしているように見える。きわめて幅広くほどこされた淡彩が、この素描に絵画のような感じを与えており、それゆえこの素描は、ルーヴル美術館のきわめて重要なル・ブラン寄贈作品の中で最も完成度が高く、人目を引く作品の一つとなっている。

出典

- Dessins français du XVIIe siècle : Artistes contemporains de Poussin : XXVe exposition du Cabinet des Dessins, cat. exp. Paris, Musée du Louvre, mai - septembre 1960, notice 68.

- BACOU Roseline, La collection Saint-Morys : XCe exposition du Cabinet des dessins, cat. exp. Paris, Musée du Louvre, novembre 1987 - février 1988, notice 119.

- BEAUVAIS Lydie, Dessins français du XVIIe siècle : LXXXIIIe exposition du Cabinet des dessins, cat. exp. Paris, Musée du Louvre, octobre 1984 - janvier 1985, notice 137.

- BEAUVAIS Lydie, Musée du Louvre. Département des Arts graphiques. Inventaire général des dessins, école française, Charles Le Brun 1619 - 1690. Tome I. Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2000, notice 5.

- MONTAGU Jennifer, Charles Le Brun 1619-1690 peintre et dessinateur, cat. exp. Versailles, Château de Versailles, juillet - octobre 1963, notice 73.

- SERULLAZ Maurice, Dessins du Louvre, Ecole Française, Paris, 1968, notice 32.

En savoir plus
- BABELON Jean-Pierre et al., Le Cabinet de l'Amour de l'hôtel Lambert. Paris, Editions de la Réunion des musées natioanux, 1972. Les dossiers du département des peintures n 3.

作品データ

  • シャルル・ル・ブラン(パリ、1619年 – 1690年)

    《ヘラクレスの神格化》

    1650-1658年

  • ベージュ色の紙に黒チョーク、ペン、褐色インク、褐色の淡彩とサンギーヌの淡彩と白のハイライト、黒チョークのます目

    縦32.7 cm、横45.9 cm

  • クロザ・コレクション、1741年にパリでその売競売、J・D・ランプルール・コレクション、1773年にその競売、サン=モリス・コレクション、1793年に亡命貴族の財産として接収の後、1796-1797年に中央美術館に収蔵

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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