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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《ペルセウスと珊瑚の起源》

Persée et l'origine du corail

素描・版画
17世紀

執筆:
Chabod Christine

クロード・ジュレの晩年の作であるこの大変美しい素描は、独特な魅力とおそらくそれを包み込む郷愁感に溢れた繊細な詩情を醸し出している。1670年以降、老いたクロード・ジュレは、若かりし頃の思い出、とりわけ1616年から1621年にかけて滞在したナポリの思い出を好んで生き生きと蘇らせた。このナポリ湾の眺めには、銀色の柔らかな光を用いて、この風景を魅惑的なヴィジョンに変容させる、クロード・ジュレの感受性が遺憾なく発揮されている。

「変身」

入り組んだ岩の前で、ペガソスが止まり、ペルセウスがアモルの方に向いている。画面中央の岬では、ニンフが戯れている。木立と椰子の木で区切られた画面左側には、ナポリの海が広がり、そこには不可思議で穏やかな、柔らかい光が満ちている。この場面は、ほとんど描かれることのない、オウィディウスの『変身物語』の第4巻の一節から取られており、この一節はペルセウスによる珊瑚の創造を語っている。3人のゴルゴンの1人であり、じっと見た者を石に変えるメドゥーサを退治し首を斬ったペルセウスは、その血から有翼の白馬ペガソスが生れるのを目の当たりにした。ペガソスに乗り、ゴルゴンの首を袋に詰めたペルセウスは、島の上空を飛んでいたところ、絶壁に鎖でつながれ、海の怪物に脅かされているアンドロメダに気づく。ペルセウスは、怪物を退治してアンドロメダを開放し、怪物の血を拭い去るために手を洗い始めた。その際ペルセウスは、メドゥーサの首を水際に繁茂する海藻の上に載せた。メドゥーサの血は、海藻を赤い石、すなわち珊瑚に変え、感嘆したネレイスたちは、より多くの珊瑚を得るために他の海藻を血の中に浸したのである。

博識な芸術の庇護者

ルーヴル美術館所蔵の素描を含む、6枚の準備素描の連作(バイヨンヌ、ボナ美術館、ロンドン、大英博物館、ニューヨーク、メトロポリタン美術館)のおかげで、絵画《ペルセウスと珊瑚の起源》(イギリス、個人蔵)の全体構図と人物像の制作の過程を辿ることができる。この絵画は、1674年に枢機卿カミッロ・マッシミのために制作された。枢機卿マッシミは、これと同じ主題を描いたニコラ・プッサンの素描(王立図書館、ウィンザー城)をコレクションの中にすでに所有しており、おそらく枢機卿自身がこの図像をクロード・ジュレに提案したものと思われる。

月光か朝日か?

この大変美しい素描によって、クロード・ジュレは、色彩と光に関する場面の可能性を追求することができた。クロード・ジュレは、この作品において、光源を中央の水平線に移し、波に映る光線を示し、ネレイスたちをかなりざっと描き、一体一日の中の何時が表現されたのか問いかけざるを得ないような雰囲気をつくり出した。この素描は、月光に照らし出された夜の場面を描いているのだろうか。ジュレは、この種の場面をほとんど描いたことがなく、残念なことに、色彩のバランスと明るさが幾世紀を経て顕著に変わってしまった絵画からは、答えが得られない。しかしながら、枢機卿マッシミの歿後1677年に作成された目録に、朝日と記されているとしても、この絵画に太陽の光を認めることは難しいと思われる。

出典

- DEMONTS Louis, Catalogue des dessins de Claude Gellée dit le Lorrain, cat. exp. Paris, musée du Louvre, 1923, notice 56.

- MEJANES Jean-François, Le Paysage en Europe du XVIe au XVIIIe siècle : XCVe exposition du Cabinet des dessins, catt. exp. Paris, musée du Louvre, 1990, notice 28.

- MEJANES Jean-François, Des mécènes par milliers : un siècle de dons par les Amis du Louvre, cat. exp. Paris, musée du Louvre, 1997, n 270.

- ROETHLISBERGER Marcel, Claude Lorrain : The drawings, Berkeley et Los Angeles, 1968, n 1065.

- RUSSELL Helen Diane, Claude Gellée dit Le Lorrain 1600-1682, cat. exp. Washington, National Gallery of Art, Paris, Grand Palais, 1982-1983, notice 70 p. 287-290.

作品データ

  • クロード・ジュレ、通称ル・ロラン(シャマーニュ、1600年-ローマ、1682年)

    《ペルセウスと珊瑚の起源》

    1671年以前

  • 青色の紙に黒チョーク、ペン、褐色インク、濃褐色インク、褐色と灰色の淡彩、白とピンク色のハイライト

    縦25.4 cm、横32.2 cm

  • Don de la Société des Amis du Louvre, 1920

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

左下に書き込み:Claudio fecit