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作品 《マクシミリアンの狩猟のタピスリー、9月》

工芸品部門 : ルネサンス

《マクシミリアンの狩猟のタピスリー、9月》

© 1992 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
ルネサンス

執筆:
Marie-Hélène de Ribou

1年の12ヶ月を表わすタピスリーの第7枚目の作品は、ブラバントの宮廷の狩猟の場面に結び付けられており、このタピスリーが描くのは、「水打ち」という鹿狩りの挿話である。17世紀のこのタピスリーの所有主の名にちなんで、長い間《ギーズ公の見事な猟風景》と呼ばれていたこの作品は、ルイ14世の治世の初期に王室コレクションに収蔵された。それはたちまち有名になり、現在でもタピスリー芸術の傑作のひとつであるとされている。

鹿狩り、「水打ち」

一頭の鹿が、追っ手から逃げようとして池に飛び込んだ。犬の群れと二人の男がすでにそれを囲み、そのうちの一人が鹿の枝角をつかんで捕らえている。場面の前景では、他の狩猟者たち、すなわち馬から下りた猟犬係や、馬上の貴族や貴婦人たちが、水際で待機し、ひしめきあっている。
他の狩猟の場面においてもそうであるように、岸辺の建物がこの情景の位置を示してくれているが、それはブリュッセル付近のソワーニュの森である。これらの建物は、グローエネンデールの修道分院と、それに隣接するラヴェンシュタインの狩猟館で、そこは宮廷特別の休憩地であった。
多くの小動物がちりばめられた花や果物の葉飾りが、両側と上部の縁飾りをうめているが、これはブリュッセルのタピスリーに典型的な要素である。下側の縁飾りは、だまし絵手法で、神々や海の怪物が描かれ、古代の浅浮き彫りのように表現されている。

当タピスリーの歴史的背景

この、織物の質、材質の高価さの双方において、非常に豪華なタピスリーの制作起源は、いまだ不確かなままである。古文書によると、1533年にタピスリー業者のギヨーム・デルモワヤンが、2人の商人と《狩猟》のタピスリーに関する契約を結んでおり、そのタピスリーの大きさはルーヴルの連作と完全に一致する。しかしながら、販売されたタピスリーが、オリジナルのものであったか、複製であったかは分かっていない。
ルーヴルの連作の、知られている最初の記述は、1589年のギーズ公のコレクションの目録に見受けられる。それは1654年までギーズ家に残っていた。その後、買い手のように振るまっていたマザランのコレクションに加えられたが、実際に買い取られたのは、1665年、ルイ14世によってであった。当作品はフランス革命の際、王室家具調度管理官にあり、その後国の財産となる。1797年に、金を取り出すために有名なタピスリーが何枚も焼かれたときには、中央美術館(現在のルーヴル美術館)、の職員が、美術館のコレクションに収蔵することによって免れた。

ブリュッセルのルネサンス初期

16世紀初め、ブリュッセルの街の工房が制作する作品の質の高さから、ブリュッセルはタピスリーの分野で他の街から卓越していた。ラファエッロの下絵をもとに、1516年からブリュッセルで織られた《使徒行伝》のタピスリーは、イタリアのルネサンス後期の新しい芸術を取り入れたものであった。合理的な遠近法を取り入れつつも、構図は軽やかになり、広がりがうまれ、グループ、または個別に、より大きく描かれた人物が彩りを与え、しばしばフランドルの伝統にしたがって自然に描写された装飾要素が縁取りを豊かに飾っていた。
オーストリアのマルガレータ皇女の宮廷画家であった、ベルナールト・ファン・オルレイは、1525年頃、ステンドグラスとタピスリーの下絵を専門とするようになった。ラファエッロの様式を吸収した彼の作品では、図全体が、動きのある小さなグループの周りにバランスよく配置されている。おそらく彼の息子のジャン・トンスは、《狩猟》のタピスリーにおいて、木、植物、動物の画家として協働した。

出典

- BALIS Arnoult, DE JONGE Krista, DELMERCEL Guy, LEFEBURE Amaury, Les Chasses de Maximilien, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1993.

- COQUERY Emmanuel, "Les Chasses et la Bataille", in La Bataille de Pavie, Paris, 1999, pp. 76-89.

- LEFEBURE Amaury, Les Chasses de Maximilien, feuillet Louvre 6 26.

作品データ

  • ベルナールト・ファン・オルレイ(1481年頃-1541年)(全体の図)ジャン・トンス(1500年頃‐1570年かその後)(風景)ギヨームとジャン・デルモワヤンの製作所(織)

    《マクシミリアンの狩猟のタピスリー、9月》

    1531-1533年

    ベルギー、ブリュッセル

  • 横機のタピスリー、毛、絹、金糸、銀糸、1cmあたり7~8本の縦糸

    高さ4.40m、幅5.63m

  • 旧王室コレクション、1797年に中央美術館に分与

    天秤座

    OA 7320

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    マクシミリアンの狩猟の間
    展示室19

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

1575年までブリュッセルで使われていたユリウス暦にしたがい、タピスリーの一枚目は《3月》。下方右のへり地に綜絖(そうこう)取り付け工の印。