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《モルラ遊びをする人》

© 2008 RMN / René-Gabriel Ojéda

絵画
オランダ絵画

執筆:
Collange Adeline

格調高いコレクション(ショワズール・コレクション、1771年)に由来する作品で、バンボッチアータ風(イタリア庶民の写実的な描写)の趣とイタリア芸術の影響(理想化された詩的な光)が見られ、通常より大きめの人物像による、デュジャルダンの作品中で最も洗練された絵画の一つとして挙げられる。作品の真の主題はおそらくさらに解読する必要があり(この世の儚さの教訓であろうか)、それが尚一層作品に魅力と詩情をもたらしている。

モルラ遊び(イタリア式じゃんけん)もしくは自慢話?

ローマの廃虚を背景に、金髪の少年と肉料理を運んできた女中の注意深く見つめる中、貧者と兵士が熱狂した様子で話しあっている。おそらく、当時のイタリアで流行し、しばしばオランダ人画家らによって描かれた、偶然と駆け引きが取り混ぜられたモルラ遊び(イタリア式じゃんけん)を描いたものであろう。ゲームに勝つには、各々の参加者は、参加者全員が同時に上げる指の数の合計を予想しなくてはならない。しかしながら、この作品の主題は、若い女性と少年が一心に耳を傾けて聞いている、白い服を着た男の語る胸ときめくような物語であるかもしれない。一方で兵士は、彼の自慢話を端から信用せずに、その不信を我々にも伝えようと、いかにも特徴的で愉快な身振りで観る者に向かって訴えかけている。

庶民の日常を描いた風俗画

この作品は、デュジャルダンが装飾の中に古典的な要素を取り入れる習慣のあった時期である1660年代に、おそらくアムステルダムで制作されたものと考えられる。例えばここでは、ローマ風の斑岩石棺は、当時パンテオンにあった非常に有名な石棺(教皇クレメンス12世の遺骸を収容するため、18世紀にサン=ジョヴァンニ=イン=ラテラーノに移送された)に着想を得たものである。この作品によって、カーレル・デュジャルダンは、セバスチアン・ブルドンやヤン・ミールといったバンボッチアンティ(バンボッチオ派)の流れに含まれることになる。「バンボッチアータ」とは風俗画の一種で、イタリア庶民の日常生活を描写したピーテル・ファン・ラール通称イル・バンボッチョによって流行となった。デュジャルダンはこのジャンルに通常用いられる薄暗い色彩を使ってはいるものの、彼のカラヴァッジォ風の明暗法は独特な力を持っており、この画家の作品には珍しく、人物像に彫刻を思わせる存在感を与えている。

この世の儚さへの教訓?

ゲームやほら吹きが語る自慢話の単純な描写だけではなく、作品にはより深い意義がこめられているに違いない。実際、左側にある彫刻されたメダイヨンには、権力の男性的な寓意であるヘラクレスが描かれている。ヘラクレスはおそらく、後景の台座に認められるクピドに伴われた優れて女性的な女神、美しいウェヌス(ヴィーナス)に対比されているのだろう。作品中唯一の女性である召使いは、軍人の責務に対して、美味美食や金銭ずくの愛といった官能的な娯楽を体現していると思われる。画面の上にそびえて非常に強い存在感をもたらす石棺は、純粋な古代装飾を越えた価値を備えているように思える。このように、この作品は見た目ほど陽気なものでなく、この世の空しさの教訓を担っていると思われるが、それは今後更に解読される必要があるだろう。

出典

- GALLOZZI Arièle , "Une notoriété déviée par le jeu du hasard ?", in Gazette de l'Hôtel Drouot, n 1, 9 janvier 2004, p. 107.

作品データ

  • カーレル・デュヤルディン(アムステルダム、1621/22年頃‐ヴェネツィア、1678年)

    《モルラ遊びをする人》

    1660‐1670年頃

  • カンヴァス、油彩 

    縦73cm、横75cm

  • 2001年12月、美術品公開売り立てにてルーヴル友の会による取得後、同会により寄贈。

    R.F. 2002-1

  • 絵画

    リシュリュー翼
    3階
    オランダ 17世紀後半 フェルメール周辺
    展示室38

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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