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作品 《ユバ2世(マウレタニア王、在位 前25年-後23年)》

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

《ユバ2世(マウレタニア王、在位 前25年-後23年)》

© 2005 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Lepetoukha C.

髪を結ぶ紐が王族への属性を物語るこの人物は、ローマ支配下の王国マウレタニアの君主ユバ2世である。カエサルの下で育てられ古典文化に浸ったユバ2世は教養のある君主である。そのことから彼のギリシア文化への興味が、ヘレニズム彫刻の伝統の影響が大いに感じられるこの肖像の表現様式の中に際立っている。

老けた印象の君主

面長でたわんだ頬を持つふっくらした顔は、短いカールと相当な癖毛を一本の紐により押さえつけた、豊かな髪に縁取られている。高い額の下にある弓形の眉毛は、垂れ下がった目の内側に影の部分をつくっている。幅広の鼻が、顎に深い溝を刻む、ふっくらした官能的な唇の上にある。破損にもかかわらず、この疲れた表情の顔の目鼻立ちは、ここでは60代くらいの年齢で描かれたユバ2世王のものと認識するのに充分な特徴を表している。発見当時から提案されていたこの鑑定は、硬貨の肖像や、離れた目、豊かな髪などの特徴が認められる彼の他の肖像との比較により、確定的となっている。

ユバ2世

ヌミディア王ユバ1世の息子、ユバ2世は、父が前46年の敗退に伴う自殺を遂げた後ローマに連れて来られた。彼はオクタウィアヌス(後のアウグストゥス)の姉妹により育てられた。オクタウィアヌスは、彼をクレオパトラとマルクス・アントニウスの娘クレオパトラ・セレーネと結婚させ、彼に現在のアルジェリア西部とモロッコにあたる、マウレタニアの属州の統治を任せた。ローマでの教育により古典教養に目覚めたユバ2世は、ローマの方針に逆らわない忠実な臣下であった。その首都の名前からしてローマの支配者への忠誠を表す、カエサレア(現シェルシェル)に居を構えた彼は、第一に知識人であり、そして美術品の偉大な収集家で、あらゆることに好奇心を持つ人物であった。彼は特に、多くの歴史と地理の概論の編纂、カナリア諸島やナイルの水源の調査隊の編成などで知られている。

ヘレニズム美術

ギリシアびいきのユバ2世の古典に関する知識は、ヘレニズム時代の君主のように装ったこの肖像の中で、髭なしの顔、王家の印の紐で結ばれた短い髪といった様相である。ゆったりとした様式、皮膚の質感のモデリングの配慮、理想化の中にも見える、民族の特性をなぞると同時に個人の人間味ある性質を語る容貌は、ヘレニズム美術を踏襲するものでもある。
ユバ2世は、現在シェルシェルに保管されている、ヴィーナス、アポロン、デメテル、などを象った、多くのすばらしいギリシア彫刻の複製品が発掘で出土した、カエサレアにあったヘレニズム色の強い工房の後援者であったようだ。それに加え、エジプトにいたギリシア人彫刻家をカエサレアに呼び寄せたユバ2世は、ヘレニズム彫刻の伝統の維持に努めながら、まさに一つの彫刻流派の開花を実現させた。

出典

- KERSAUSON K. (de), Catalogue des portraits romains, I, Paris, 1986, n 56, p. 124.

- LANDWEHR C., Die römischen Skulpturen von Caesarea Mauretaniae, I, Berlin, 1993.

- L'Algérie au temps des royaumes numides, catalogue d'exposition, Musée départemental des Antiquités, Rouen, 16 mai-27 octobre 2003 et Musée national Cirta, Constantine, 18 février-18 mai 2004, n 166.

作品データ

  • 《ユバ2世(マウレタニア王、在位 前25年-後23年)》

    紀元後1世紀頃

    シェルシェル、旧カエサレア(アルジェリア)

  • 丸彫、大理石

    高さ28cm

  • 1882年ヴェイユ調査隊

    N° d'entrée MNC 1576 (n° usuel Ma 1886)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ローマ美術 ユリウス=クラウディウス朝I アウグストゥス帝とティベリウス帝の治世 紀元前27‐紀元37年
    展示室23

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水・金:9時-21時45分(夜間開館)

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