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作品 《リシュリュー枢機卿(1585‐1642年)》

彫刻部門 : イタリア

《リシュリュー枢機卿(1585‐1642年)》

© 2004 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
イタリア

執筆:
Montalbetti Valérie

ルイ13世の主要な大臣のリシュリュー枢機卿は誇らしげに聖霊騎士団勲章をつけた司教の姿で表されている。この胸像は、当時の教皇ウルバヌス8世の寵児で、栄光の頂点を極めていた有名な彫刻家ベルニーニに注文された。彫刻家は、枢機卿にその位に相応しい厳格で気品ある風体を与え、繊細な肉付けにより衣布の表面変化を出している。

注文と外交

リシュリュー枢機卿は、1640年にベルニーニに全身像を注文することを希望した。側近の(後継者でもある)マザランと、ローマのフランス大使デストレ陸軍元帥がその交渉を任せられた。先ずはアーティストの合意、その上にアーティストの専属擁護者であったアントニオ・バルベリーニ枢機卿とその叔父の教皇ウルバヌス8世の合意を得る必要があった。教皇が全身像の計画に難色を示したため、ベルニーニはまず胸像の制作を提案した。全身像は結局実現しなかった。胸像は1640年11月に制作が始められ、1641年1月に完成し、同年8月にパリに到着した。マザランは、作品と彫刻家へ賛辞を送るとともにバルベリーニ枢機卿に熱意を込めた謝意を表した。マザランは内輪には、胸像は非常に美しいが全然似ていないと告白した。リシュリューはフランス人彫刻家ジャン・ヴァランにもう一つの胸像を注文しており、彼自身完全には満足していなかったことは間違い無い。

胸像と肖像画

彫刻家はモデルと面識がなく、パリから枢機卿の肖像と横顔を送らせた。これはフィリップ・ド・シャンパーニュの《リシュリュー枢機卿の三重肖像》(ロンドン、ナショナルギャラリー)であることは間違いない。この絵はその後、もう一人のイタリア人彫刻家フランチェスコ・モッキ(1580−1654年)が、ポワトゥー地方のラ・メイユレー城(城跡、ニオール美術館)向けの枢機卿の立像を制作する際に使われた。
ベルニーニは既に1636年に英国のチャールズ1世の胸像を彫る為に、アントン・ヴァン・デイク(英語名アンソニー・ヴァン・ダイク)の王の三重肖像を使った。1706年には、フランス人大彫刻家コワズヴォが同じ制作方法を採り、イアサント・リゴーの二重肖像画を基に《マリー・セール》の胸像(ルーヴル)を彫ることになる。

ルーヴルの肖像とベルニーニ

この胸像の足跡は17世紀末に消える。1786年のノートル=ダムの目録で作者名無記載の作品は、1795年にコワズヴォ作としてフランス記念物博物館に入る。1910年にマルセル・レモンが真の彫刻家の名前を確認した。
ベルニーニの目を奪うような激昂はこの作品には無い。これは、高貴で威厳のある司教や、ペドロ・ド・フォア・モントヤのような司法家の肖像の仲間に入る。繊細な顔、高い額、ひねった口元が特徴のリシュリューは活発で神経質、厳格で横柄に見える。半分のトルソでの表現や胸像の切断の仕方にこのアーティストの特徴が見られる。もう一つの特徴は髪の扱い方で、柔軟さを与える為に髪は非常に繊細に波打つ平行線で彫られ、また髪房を切り離す為に大理石は彫り込まれ、軽さが与えられている。また独特の肉付けのしなやかさにより衣服の表面の変化や絹の皺などが見事に写し取られている。

出典

- REYMOND Marcel , « Le buste du cardinal de Richelieu par Le Bernin au Musée du Louvre », in Bulletin des Musées de France, n°5, 1910, pp.65-68.

- WITTKOWER Rudolf, Bernini, Oxford, 1966, pp.209-210.

- GABORIT Jean-René, « Le Bernin, Mocchi et le buste de Richelieu du Musée du Louvre : un problème d’attribution », BSHAF 1977, Paris, 1979, pp.85-91.

- BRESC-BAUTIER Geneviève , « Richelieu et la sculpture de son temps », in Richelieu et le monde de l’esprit, catalogue d'exposition,  Sorbonne, Paris, 1985, pp.155-168.

- AVERY Charles, Bernin. Le génie du baroque, Paris, 1999, pp.231-234.

- Richelieu, l’art et le pouvoir, catalogue d'exposition,  Montréal, Cologne, 2002, n°110, pp.261-266.

作品データ

  • ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ(ナポリ、1598年—ローマ、1680年)

    《リシュリュー枢機卿(1585‐1642年)》

    1641年

    ローマ

  • 大理石

    高さ0.827m、幅0.65 m、奥行き0.33m

  • 1675年目録でリシュリューの姪エギヨン公爵夫人蒐集品、1786年目録でパリのノートル=ダムの僧会場、1792年革命期接収、1795年マザラン図書館、1795−1817年フランス記念物博物館、1818年ルーヴル所蔵。

    M.R. 2165

  • 彫刻

    ドゥノン翼
    1階
    ギャラリー・ミケランジェロ
    展示室4

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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