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《ヴィーナスの水浴、もしくは大気》

© 2009 RMN / RMN / Franck Raux

絵画
イタリア絵画

執筆:
Dollfus Corinne

湖畔にある幻想的な宮殿の前で、アモルらに助けられながら侍女たちがアドニスを誘惑するためのヴィーナスの身づくろいをしている。空中では他の天使たちが女神の馬車の修理に勤(いそ)しんだり馬車を引く白鳥に餌を与えている。

気品に満ちた人物像

ドーリア式柱頭が見受けられる神殿の柱廊の前で、「愛」の女神ヴィーナスが半裸で低椅子に座っている。一人のアモルが女神に鏡を差し出し、もう一人がサンダルの紐を括っている。女神の背後に立った三美神のうちの二人が女神の髪の手入れを終えたところであり、三番目の美神は飾りつけを完成するための数珠繋ぎになった真珠飾りを手にしている。左側では三人のアモルが小円卓の周りに集っている。
アドニスを探すために川岸へとやって来たヴィーナスは、三美神の力を得て愛する人に気に入られるために自らを飾り立てているのである。
場面は海の光景の中に浮かび上がっており、ヴィーナスの小舟が波の泡の中から現われている。波の中心には、魔法の島のような幻想的な宮殿がそびえている。右側では彫像とイルカで豪華に飾られた噴水から水が噴き出ている。空中ではクピドが二人の愛の成就を願ってその楽しさを歌っている。一方では、翼をもった子供たちが、女神の車につなぐ前の白鳥たちにアンブロシア(オリンポスの神々の食べ物)を与えており、他方では、もう一人のアモルが二羽の鳩を導き、着飾るヴィーナスの傍の噴水でその渇きを癒させている。

公爵による注文

マントヴァ公フェルディナンド・ゴンザーガは、1621年にヴィッラ・ファヴォリータのために四大元素を主題にした4点の絵画から成る連作を注文する。この主題は、すでに数年前アルバーニによって、ボルゲーゼ皇子のための作品(ローマ、ボルゲーゼ美術館)の中で描かれていた。
この絵画は、ヴィーナスの物語における四つの挿話の連作の中の最初の作品に当たり、そこでは「貞潔」と「愛欲」とが対比され、それがディアナとヴィーナスの間の敵対関係として描かれている。
作品は1633年にアルバーニがフィレンツェのメディチ家の下で仕事をしていた際に手直しされており、メディチ家はゴンザーガ公の死後この連作を取得している。

アルバーニ、詩情豊かな画家

輝くような光と、きわめて明るい肌色は、ルネサンスのヴェネツィア画家の影響を示している。人物像は非常に優美で、魅力に溢れている。幸せに満ちた逸楽が、自然美と寓意とを結びつけ、融合している。
17世紀初頭に風景画のジャンルを一新させたカラッチ一派の下で学んだアルバーニは、ここに彼が住んでいたボローニャ近郊の趣ある光景を描き出している。画家は、緑の美しさ、空の清涼さ、水の冷気と透明感を調和させながら、人物像と背景を結びつけ一体化させる。全てが静けさと安らぎを呼吸しているのである。
アルバーニには、ヴィーナス(アフロディーテ)とアモルたちを叙情的な頌歌(しょうか)の中で謳った、前5世紀のギリシアの詩人になぞらえて「絵画界のアナクレオン」という異名が付けられている。

作品データ

  • フランチェスコ・アルバーニ、通称アルバーニ

    《ヴィーナスの水浴、もしくは大気》

    1623年頃

  • 画布に油彩

    縦2.02m、横2.52m

  • ルイ14世コレクション(1685年取得)

    INV. 9

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    グランド・ギャラリー 17世紀前半のボローニャとローマの絵画
    展示室12

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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