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作品 《ヴェネツィアの光景、スキアヴォーニ河岸とドゥカーレ宮》

絵画部門 : イギリス絵画

《ヴェネツィアの光景、スキアヴォーニ河岸とドゥカーレ宮》

© 2007 RMN / Franck Raux

絵画
イギリス絵画

執筆:
Odin Alice

19世紀初頭、ヴェネツィアは芸術家が最も好む目的地となった。バイロン卿によって流行になったこの都市は、消え失せる世界やロマン派に好まれた壮麗な衰退の象徴となった。ボニントンは1826年にこの地を訪れ、油彩画と同時に水彩画による数多くの絵を描いた。ボニントンの素早い表記は、潟湖に映る光の移り変わりの激しい特徴に完全に適応していたと言える。

「赤いヴェネツィアに動く船は見えなかった」アルフレッド・ド・ミュッセ、ヴェネツィア、1829年

このヴェネツィアの光景は、ドゥカーレ宮を詳細に描き出している。画面前景には、布地で溢れる小舟のすぐ側の河岸で穏やかに談笑する商人の一団が見受けられる。
背景には、ゴンドラで宮殿に運ばれてゆく人々の荘厳な到着の様子が認められる。この穏やかな作品は、風俗的な場面と特に色彩の技を施した建造物の描写を融合させながら、ヴェネツィアという地を独特の手法で喚起している。
場面の活気は赤色が支配する建物のまばゆい色彩によってもたらされている。この色彩が、商人のきらめく衣服の中にも用いられ、群青色の広大な空によって照らし出されている。より薄暗い色彩は、濃い色の水、ゴンドラ、建物の陰、ドゥカーレ宮の黒い塊によって示唆されている。この含みのある要素は、ヴェネツィアの光景と頻繁に結び合わされる牧歌的で魅惑的な光景と対比されている。

「都市景観画」の打破

この作品の光景は、資料としての価値が高かった地理学的な描写といったヴェネツィア絵画の最も素晴らしい伝統に類似している。
ボニントンは、都市景観画もしくは都市を描いた絵画には必要不可欠な画家であるヴェネツィア人アントニオ・カナレットの作品を知っていた。カナレットは、18世に半ばにロンドンを訪れた際、その完璧な細部描写と表現の克明さで多数のイギリス人画家(サミュエル・スコット、ウィリアム・マーロウ)に影響を及ぼした。
ボニントンの作品の中にも、完璧な建造物の描写と都市における趣のある活気の結合と同時に、イタリア絵画の伝統であある明暗法の同化が見出される。
一方で、前景の商人たちにはフランドル絵画の影響が見受けられる。日常生活や対照的な光といった叙情性に溢れる仕上げに訴えた手法は、この作品に想像力豊かな表現をもたらしている。


イタリアにおけるイギリス人

18世紀のイギリスは、ルネッサンスの偉大なイタリア人画家による絵画技術や教訓を大いに好んだ。
イギリスの19世紀初頭は、芸術界におけるロマン主義の出現によって特徴付けられる。イタリアに対する熱狂とその驚くべき明度は、芸術家たちに影響を与え続けた。
一方で、イギリス的風景の再発見は、芸術家たちに簡潔さを伴いながらより一層精巧に自然を観察する新しい様式を創り出すきっかけをもたらした。ボニントンの作品群は、19世紀初頭の風景画における新しいスタイルと調和を保ちながら、写実主義とロマン主義の狭間に位置しているのである。

作品データ

  • リチャード・パークス・ボニントン

    《ヴェネツィアの光景、スキアヴォーニ河岸とドゥカーレ宮》

  • カンヴァス、油彩

    縦41cm、横54cm

  • 1883年、ミエ夫人の相続、ミエによる寄贈、シューベルトとオゲー

    R.F. 368

  • 絵画

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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