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作品 《世俗的な音楽の寓意》

素描・版画部門 : 19世紀

Allégorie de la musique profane

Musée du Louvre/M. Beck-Coppola

素描・版画
19世紀

執筆:
Grollemund Hélène

1826年8月から1827年4月にかけて、フリードリヒは、ドレスデンで、詩人ヴァシリー・アンドレイエヴィッチ・シュコウスキーの訪問を受けた。この画家と詩人の会話から、それから何年にもわたって議論されることになる構想が生れた。それは、透明な紙に描かれた絵画を、三日月の夜に、水か白ワインで満たされた球形ガラスを通して見える蝋燭のわずかなゆらめきで照らし出し、音楽とともに展示するというものである。今日、この構想の跡をとどめているのは素描だけである。

俗から聖へ

こうした作品は、音楽と絵画の間の「交感」を表わす、音楽の寓意画の連作であり、大公妃アレクサンドラ・フェオドロヴナのために描かれ、若きロシア皇太子アレクサンダーに献呈された。フリードリヒによれば、これらの絵は「若くて子供らしい心の持ち主に高揚した効果を与える」はずであった。フリードリヒは、世俗的な音楽を象徴する最初の作品について、1830年2月9日付けの書簡に次のように書いている。「ゴシック式窓にハープが立てかけられ、その両脇で二人の若い娘が、マンドリンとギターを奏でながら歌っており、ハープ奏者を待っているようである。窓からは木立が見え、その上に神々しい満月をいただいている。」この他に3枚の絵画も制作されたが、今日では消失している。《天上の音楽》は、ハンブルク美術館に所蔵されている写しによって知られており、森で囲まれた別の作品は、時と死に対する思索を表わしている。《聖なる音楽》の写しは、ヒェムニッツ州立美術館に所蔵されている。

補完しあう諸芸術

風景画のジャンルを歴史画のジャンルにまで高めた、透明な絵画の連作は、厳密な意味において「宗教画」と呼ぶことはできないにせよ、輝かしい光と妙なる響きに満ちた雰囲気のおかげで、そうした役割を十分に果たしている。この連作は、19世紀最初の30年間におけるドイツ美学の革新の重要な要素であった、絵画と音楽の境界という問題を見事に示している。この連作の伴奏音楽は、照明によってもたらされた精神的な高揚を一層強める。この意味において、フリードリヒの構想は、まさにロマン主義的な想像の世界に属するものだが、フリードリヒが音楽家とのコラボレーションの必要性を擁護している点において、ロマン主義とは一線を画している。すでに世紀の変わり目には、諸芸術の綜合を称賛し、「音楽的」絵画を構想するに至った、シュレーゲル兄弟、ノヴァーリス、ティーク、画家フィリップ・オットー・ルンゲといった声が高まりを見せていた。

象徴主義と魂の高揚

フリードリヒが用いた技法の背後には、1823年にダゲールが発明したディオラマ(半透明の絵に様々な光線を投射し、のぞき見る見世物)のモデルがすけて見える。しかしながら、フリードリヒの透明な絵画も、実際に光を使用するにもかかわらず、描かれた場面の強調された象徴主義と音楽の重要性に、その作品の芸術的意義がうかがわれ、ディオラマのイリュージョニスムからは遠ざかっている。ここでは、ハープの弦と建築の間の形態的な響き合いから、教会を、楽器の奏でる音の形象化と考えることができる。さらに、フリードリヒは、象徴的形式としての自然についての形而上学的な思索にもふけっていた。自然は廃墟に忍び込むが、廃墟はそれ自体、生のはかなさの表現なのである。こうしてフリードリヒは、「たとえそれが芸術作品の唯一の使命ではないとしても、芸術作品に魂の高揚と宗教的感情」を求めたのである。

出典

- BÖRSCH-SUPAN Helmut, JÄHNIG K.W., Caspar David Friedrich : Gemälde, Druckgraphik und bildmässige Zeichnungen, 1973, n 435.

- RAMOS J., "A propos de l'acquisition récente de l'Allégorie de la musique profane : un cycle de transparents avec accompagnement musical de Caspar David Friedrich", in Revue du Louvre, n 4, 2000, pp. 62-69.

- RAMOS J., L'invention du sentiment, cat. exp. Paris, musée de la Musique, 2002, n 77.

- VIATTE Françoise, "Un dessin de Caspar David Friedrich (1774-1840) au musée du Louvre : Allégorie de la musique profane", in Revue du Louvre, n 3, 1999, pp. 13-15.

作品データ

  • カスパル・ダーヴィト・フリードリヒ(グライフスヴァルト、1774年-ドレスデン、1840年)

    《世俗的な音楽の寓意》

    1826/1827 – 1830年頃

  • 濃いピンク色の紙に黒チョーク

    縦0.735 m、横0.525 m

  • チューリヒのアルトゥロ・クエイヤール画廊、1999年にヴィレム ・J.R.ドレースマン博士とともに購入

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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