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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《乞食の少年》
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《乞食の少年》
© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier
絵画
スペイン絵画
《乞食の少年》は、蚤を取っている最中の少年が描かれていることから《蚤をとる少年》としばしば呼ばれている。この絵画は、ムリーリョが道端の子供を描いた最初の作品である。おそらく画家は黄金時代におけるセビーリャの街を支配していた貧窮に感化されたものと思われる。カラヴァッジォの流れに影響を受けて、ムリーリョは汚れた部分の描写を強調し、影と光の力強い対比を用いて描いている。同時に少年にはセビーリャ画家固有の気品も備わっている。
セビーリャの悪者
ぼろ服を着て汚れた足の少年が、荒廃した室内の片隅に一人で地面に座っている。少年は気障りな蚤を取ろうと懸命なようで、そこからもこの絵画は《蚤をとる少年》というもう一つの題名でしばしば呼ばれている。少年の傍らには、水差し、ひっくり返った芋籠、僅かに残った海老が描かれており、少年が昼食を取ったばかりであることを示している。作品のタイトルにもかかわらず、ここに描かれているのはおそらく乞食ではないと考えられている。これはバルトロメー・エステバン・ムリーリョが道端の子供の姿を描いた最初の作品で、画家はこの後制作活動の全般にわたって同様の主題を描き続けることになる。彼の同郷人であるヴェラスケスやリベーラもムリーリョ以前にこの主題を取り上げているが、彼らは貧しい障害者(《エビ足の少年》リベーラ作)を描くことを好んだ。黄金時代に貧窮が支配していたセビーリャの日常生活は、無収入の子供たちを無数に産出していた。ムリーリョはこれらの作品によって、間違いなくラサリーリョ・デ・トルメス(1511年)やセルバンテスによる『模範小説集』(1613年)のピカロ(悪者)といったスペインのピカレスク小説の有名な登場人物たちを絵として描写したかったものと思われる。
偉大な宗教画家による風俗画
この作品は、セビーリャに住んでいたフランドル商人によってムリーリョに注文された風俗画であると考えられている。当時の生活習慣を描写する風俗画は、フランドルで非常に高く評価されていた。同時に貧窮者という主題自体も、フランドルの風俗画では非常に人気があった。貧窮している人物に対するムリーリョの嗜好は、画家が多くの作品を残しているフランシスコ会における愛徳の教義とも関連していると思われる。黄金時代最後の偉大なスペイン人画家であるムリーリョは、実際はとりわけ多くの宗教画を制作している。セビーリャのフランシスコ会のために、彼はルーヴル美術館の《天使の台所》を含む連作を制作している。
優美なカラヴァッジォ派
1645-1650年という作家の若い時代に制作されたこの作品で、ムリーリョはおそらくスルバランの作品や、ヴェラスケスによるセビーリャ時代の絵画を通して知ったと思われるカラヴァッジォの流れからの影響を表現している。先人たちのように、ムリーリョは汚い足といった汚れた部分の描写や、籠や水差しといった静物のモチーフ(ボデゴン(厨房画))を入念に描いている。同時に彼は先駆者たちが用いていた光と影の激しい対比を再び取り上げている。こうして非常に薄暗い室内にいる少年を日の光が照らし出している。大きな筆さばきと厚みのある絵具は、例えば籠の編まれた藁といったマチエールの描写に使われている。ムリーリョによるこの作品は、完璧な配置と優美な形の少年の優雅な姿がもたらす芸術家の優れた調和の感覚を同時に証明している。こうしてフランドルの風俗画に描かれた奔放で露骨な人物像とは異なる素晴らしい品位がこの少年に備えられている。セビーリャの芸術家は、いかめしい絵画からより一層しなやかで愛情のこもった様式へと発展してゆくのである。
出典
- RESSORT Claudie, Écoles espagnole et portugaise, catalogue du département des peintures du musée du Louvre, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2002, p. 198-202.- BROOKE Xanthe, CHERRY Peter, Murillo : scenes of childhood, catalogue d'exposition, Londres Dulwich Picture Gallery, 2001, p. 86.
作品データ
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バルトロメー・エステバン・ムリーリョ(セビーリャ、1618-1682年)
《乞食の少年》
1645-1650年頃
ルイ16世コレクション
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カンヴァス、油彩
縦1.34m、横1.10m
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1782年
INV. 933
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ドゥノン翼
2階
ムリーリョ スペインの黄金期 16‐17世紀
展示室26
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
