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作品 《六人の天使に囲まれた荘厳の聖母》

絵画部門 : イタリア絵画

《六人の天使に囲まれた荘厳の聖母》

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
イタリア絵画

執筆:
Depagniat Martine, Thiébaut Dominique

額縁はキリストと4人の天使、預言者や聖人が描かれた26個のメダイヨンで飾られている。この絵画はサンタ・トリニタ聖堂(フィレンツェ、ウフィッツィ美術館所蔵)の《マエスタ》の遥か前の1280年頃に制作されたチマブーエの早期作品である。この作品をこのフィレンツェの画家の作とすることに対してはしばしば慎重意見が出されたが、それは、ルーヴルの作品が厳粛で劇的なチマブーエの作風とは相容れ難いことから、長い間、より後の時代の作品とされてきたことにもっぱら依っている。

チマブーエによる早期作品?

その壮大さと背景の壮麗さとによって、ルーヴルの祭壇画は、「マエスタ(荘厳の聖母)」、すなわち天使たちに支えられて神の子と共に玉座に座し、天上の女王として讃えられる聖母の主題を、きわめて印象的な絵画として描き出している。本来の額縁に描かれた26個のメダイヨンは、最上部にキリストと4人の天使、次いで聖人や預言者を描いている。
この作品は1568年に、それが主祭壇を飾っていたピサのサン・フランチェスコ聖堂のヴァザーリによる記述の中で言及されている。従って一部の専門家はこの作品と1301-1302年に渡るチマブーエのピサ滞在を関連付けている。一方で作風の研究や画家の後期作品であるフィレンツェのサンタ・トリニタ聖堂のために制作された《荘厳の聖母》(フィレンツェ、ウフィッツィ美術館所蔵)との比較によると、この絵画は1280年頃の画家の早期作品であると考えることができる。にもかかわらず、イタリアの絵画界に革新をもたらした画家の熱望や研究の成果を証明する要素を、この作品が既に含んでいることは確かである。

刷新的な芸術

チマブーエは、絵画様式の革新や、ビザンティン様式の厳格な規範からの脱皮を試みていた13世紀末のトスカーナ地方における動向の第一人者であった。チマブーエが発揮したのは、現実をより忠実に描写することを目指した感性であった。
《荘厳の聖母》の構図は、対称的かつ稠密であり、未だ重々しい。聖母はその厳かさ故に威圧的であり、幼いイエスの祝福のしぐさには子供らしさがほとんど認められない。一方でチマブーエは、それまでにない穏やかさとしなやかさで顔つきに起伏をもたらしており、そのためにそこには真の人間性が表れ出るようになるのである。衣服の襞はただ描かれているだけでなく、くぼみが出来、身体の動きに沿っているかのよう(前景に描かれた二人の天使のマントに膝が現われているように)で、これらはおそらくニコラ・ピサーノといった彫刻家の影響を受けているものと思われる。

新たな感覚

チマブーエはぼかしを基調に洗練された彩色を用いており、特に天使の翼にそれが顕著に現われている。人物像は今までに存在しなかった真の堅固さや造形的な存在感を獲得している。
こうしてチマブーエは14世紀の絵画に対する道しるべを据えているのである。彼の作品は彼の後継者、とりわけジョットが関心を抱くようになる疑問点、すなわち空間表現、身体描写、そして光に対する問いの萌芽を含んでいるのである。

作品データ

  • チェンニ・ディ・ペーピ、通称チマブーエ

    《六人の天使に囲まれた荘厳の聖母》

    1280年頃

    ピサ、サン・フランチェスコ聖堂教会

  • 木版にテンペラ

    縦4.27m、横2.80m

  • 1813年、ルーヴル収蔵

    《マエスタ(荘厳の聖母)》

    INV. 254

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    サロン・カレ 13‐15世紀のフィレンツェ絵画
    展示室3

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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